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2007.11.18

冬突入の、その前に

ちょっと旅行に行って参りました。
目的地は、花巻と近くの「鉛温泉」。
花巻はご存知、宮澤賢治の里です。「宮沢賢治記念館」で彼の生涯を再確認。たくさんの直筆の原稿を見る事が出来ました。コンピュータが普及して、作家の多くもパソコンで原稿を各時代になっているようですが、万年筆で原稿用紙に書かれ朱が入れられた賢治の原稿を見ると、手書きの良さがしみじみとわかります。

Photo_2Photo_3Photo_4賢治記念館と同じ敷地内に「山猫軒」というレストランとお土産屋さんがありました。
賢治の代表作の一つ『注文の多い料理店』にちなんだお店です。ここで昼食を頂きながら、久しぶりに『注文の多い料理店』と『セロ弾きのゴーシュ』を読みました。
よく知っている物語ですが、久しぶりに読んでみると、「ああ、こういう出だしだったっけ、、、」とか「おお、こんな終わり方だったっけ?」という風に新鮮な気持ちになれました。
写真は、山猫軒の正面、入り口に掲げられた看板(ユーモアのセンスに溢れています)、そして店に置いてあった本の中表紙です。
新渡戸稲造の記念館も見てきました。とても勉強になる所でしたが、特に夫人であったメリーさんの生涯に関する展示がされていてあらためて、新渡戸稲造とその家族、有名な『武士道』の事などを学び再確認できました。稲造の『武士道』は、ルーズベルト大統領はじめ歴代の米国大統領が日本や日本人を知る元になる大切な書物として尊重されていますが、その内容を考えれば考える程、「さむらい」の「道」としての武士道というよりも、先日ブログ記事に書いたような、中国に興り朝鮮半島を経て日本に根付いた「儒教思想」を思い起こさせるものでした。これを「武士道」とか「日本人のことわり」と考えることには少し違和感を覚えた事は事実です。

Photo_5さて、花巻から酒田へ戻る途中、1年半振りくらいに新庄市内のお気に入りのラーメン屋さん「末広」に行きました。
新庄のラーメンは「愛をとりもつ(鶏モツ)ラーメン」と銘打って宣伝されていますが、鶏のモツの生臭さを無くしてすっきりあっさりしたシンプルな旨さに仕上がっています。
Photo_6Photo_7鶏もつラーメンは「スタミナラーメン」とも呼ばれます。まったく生臭くなく、モツのこりこりした食感も麺のもっちり感とスープのさっぱり感を引き立てます。さらに「めんまラーメン」。普通にあるメニューですが、ここ「末広」のメンマは今まで食べたメンマの中でも抜群の味でした。昔(数年前)に比べて、ちょっと長さが短くなり、量が少なくなったような気がしたのは気のせいでしょうか。

ここ数日、冬型の気圧配置で、日本海側では初雪が降り、嵐に雷と荒れた天気でした。ただ土曜日の日中はその合間をぬってとても美しい秋晴れの空が広がりました。
Photo_8花巻を後にして、東北自動車縦貫道路から秋田自動車道に入り横手湯沢道路を南下します。進行方向右手、すなわち西側に積もったばかりの白い雪を美しく陽に光に反射させる大きな山が見えます。
鳥海山です!
いつもと違って、鳥海山をその東北東側から眺めている状態です。車を走らせながら料金所の手前で速度を落とした時に撮ったのでいまいちアングルなどが定まっていません。

Photo_9その後、国道13号線を南下して秋田県境から山形に入り、まもなく新庄という所で見えてきた鳥海山です。
東南東から見ている形になります。これはさすがに運転しながらは撮れないの、運転席後部座席の窓を開けて、助手席の家内が撮影したものです。いつもの鳥海山を、違う角度で見るのも楽しいものです。

Photo_10新庄から戸沢村に抜け最上川沿いを走り、先日読んだ藤沢周平の『義民が駆ける』で、「三方領地替え」が沙汰やみになった事を鶴ケ岡城に伝える早駕篭が舟から岡に上がってまた走り出した地点、「清川」を抜けます。車を走らせながら、当時の駕篭に乗った庄内藩士の高ぶる気持ち、驚喜して伴走する農民の心に思いを馳せました。
国道47号線をずっと走るのではなく、酒田市内へは庄内町清川と狩川との間にある赤い橋(名前は何でしたっけ?)を渡るのが近道です。そこを通って旧松山町に入った所で、右手にパッとまた鳥海山がその美しい姿を現します。
これはあまりに美しく、また迫力満点なので、車を停めて撮影しました。

1117そこから旧平田町を過ぎて旧八幡町から通称「生石街道」と呼ばれる道をまっすぐ西へ(市内へ)目指します。この道路が来年開院予定のクリニックの前の主要道路でもあります。その途中でまた車を停めて鳥海山を撮影しました。微妙に角度が違い、距離が違い、そして時間が違うため陽のあたり方も違います。日没まで30分くらいだったでしょうか。若干茜色に近づいた空と、西陽を浴びた新雪、そして日陰によってその山肌の彫りが浮き立つような雰囲気が見えるでしょうか?(安物デジカメと素人の腕ですから限界がありますけど)。
寒かったけれどしばし見とれていたいような光景でした。

最後に、おまけ。
Photo_111117_2上記、「赤い橋」を渡って、旧松山町に向かうと、進行方向左手、最上川の対岸の庄内町(旧立川町)狩川にある「風車群」が目に飛び込んできます。「風の町 立川」と言われる程、風の通り道強風が吹きます。それを利用した風力発電の風車群です。
右側の写真は、旧松山町で鳥海山を撮った同じ場所で、東および東南東を振り返ると見える、「月山」と上記「風車群」です。写真中央下に見えるのは最上川です。
晩秋の鳥海山と庄内の風景をご紹介しました。v(^^)

昨日の夜と今日は、2週後に迫った「定期演奏会」の練習でした。特に昨夜は天気も悪く、小旅行から自宅に戻ってまもなく練習に出発するという感じでしたが、好きでやっている事なので疲れなどは感じません。それよりもあと2週間、団として合わせて練習するのは直前のリハを含めて後4回しかありません。
頑張っていい演奏会にしたいものです。

1117_3おまけのおまけ。
昨日のクリニック現場。つかの間の晴れ間が広がりました。
よく見ると、杭打ち後の地面に潜って作業をしている人がいます。ちょうどMRI室の場所にあたると思います。
ここに15トンもの重量の永久磁石型MRI装置と磁気シールドルームが置かれることになります。
そして、電信柱の向こうに雪を頂いた鳥海山。2階の院長室の窓からこれが眺められるように設計しています。

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コメント

山猫軒、森の中じゃあないんですね(^^)
『注文の多い料理店』と『セロ弾きのゴーシュ』、
子供用に昔買ったのが、まだうちにあります。
でも、『注文の…』の方は、子供にはどこか怖い気がしたみたいです。
私も独特の世界を感じます。挿絵のせいもあるんでしょうが。
でも訪ねてみたくなりました。
特性のバターを使った料理とかあったりして(笑)

ラーメンのスープ、とても澄んでるのと、量の多さにびっくり!
めんまラーメンが半端なく美味しそう。ヨダレもんだ!
鳥海山、1枚目がとても新鮮に思いました。

先月末に鳥取に行きました。
風車群撮りました。良かったら、見て下さい。
http://blogs.yahoo.co.jp/double_respect0406/37869631.html

投稿: リスペクト | 2007.11.19 09:20

リスペクトさん、「ゴーシュ」には左利きという意味と、差別的な用語として「下手」とか「不器用」という意味もあるらしく、大人になってからですがそれを知った時に、賢治をますます尊敬した覚えがあります。
「注文の、、、」は、中学生の頃に知りましたが、確かに恐ろしいと思いました。猫がなんとなく嫌いになったような記憶があります。今は好きですけど。

ラーメン、これは普通盛り。「全部盛りの大盛り」というのを注文している人がいました。モツとチャーシューとメンマがタップリ載って2倍くらいの量がありました。田舎のラーメンは量が多いのが普通。酒田では、メニューに「小」というのがあります。子供用ではなく、女性や高齢者を考えて麺を150~160grくらいで出すようです。「並」とか「中」は、200~220grくらいあるようです。結構な量ですよ。

ブログ、拝見しました。風車群、近くで見ると感動しますよね。あの30mくらいある「羽がブ〜ンブ〜ンと回り、風がゴーゴーと音を立てた」と賢治風に書いてみました。(^^;;;
日本海も綺麗でした。晴れ女?でよかったですね。

投稿: balaine | 2007.11.19 12:54

むかし、宮沢賢治に似ているといわれたことがあります。喜んでいいのか悲しむべきなのか(^^;)
こちらも初雪が降り、本格的な冬を迎えたようです。OO連峰も鳥海山のように白くお化粧しています。

今週は、オンジェ・ロスコヴェッツのファゴットリサイタルin遊佐。まだまだ、楽しみは尽きそうもないですね。(^-^)
思う存分楽しむためにも、風邪などひかないように気をつけてください。

投稿: ふなゆすり | 2007.11.19 12:55

ふなゆすりさん、似ているって「風貌」がですか?「精神」のことですよね?(^^)
ありがとうございます。実は昨日の練習で、暖房の無い(ストーブすら置いていない)体育館のような所で日中練習したら風邪気味になっています。
にんにくパスタ食べなくては。。。(^^;;;

投稿: balaine | 2007.11.19 16:01

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