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2007.10.27

土門拳記念館

Photo酒田が誇る「世界初」の写真専門の美術館です。
土門拳が亡くなって17年が経ちます。酒田市生まれながら、幼少期から東京・神奈川に移り住んだため、神奈川二中(現在の横浜翠嵐高校)を出ています。3回脳卒中になっていて、初回は「脳出血」で確か東京警察病院に入院し、二度目も脳出血、この時は結構重症で九州に仕事で出ていたため九大附属病院に入院、3回目は「脳血栓」で虎ノ門病院に入院し、11年間寝たきり(遷延性意識障害)となりそこで亡くなっています。51才で右半身が不自由になってから70才までの間、大型カメラを三脚に立て左手で撮影していたそうです。リハビリを兼ねて書かれた絵や書もなかなか味のあるものです。その作品およそ70000点を生まれ故郷の酒田市に寄贈したことから、1983年、世界にも稀な美術館が出来ました。
建築設計は、谷口吉郎。中庭にはイサムノグチの作品も置かれています。

いろいろな作品を架け替え、企画展を行うので、何回訪れても新しい発見と感動があります。
今は、「土門拳の仕事 傑作展」と「女優と文化財」という展示に、第26回土門拳賞を受賞した秋田出身の「水中写真家」中村征夫さんの作品展をやっていました。世界中に多くの、水中写真家、水生動物、海中生物の写真家がいますが、彼の作品はいろいろな意味でユニークです。特に、水質汚染、海水温上昇など地球温暖化などの環境問題を視点に入れた写真の撮り方から、海中で生きる生物を通しての地球の歴史に対する畏敬の念が感じられます。
常設展示(?)されている室生寺などの作品群に囲まれるように「傑作展」がありました。川端康成や三島由紀夫などの著名人のポートレートも、対象の人物の性格や感性が見ているこちらに伝わるような写真です。個人的には文楽の人形の表情の艶やかさに惹かれました。

「女優と文化財」では、依頼を受けた時にまず断った事、担当編集者が2週間程土門の家に日参して頭を下げて頼んだ事、「女優を怒らせるが、いいか?」と言って引き受けた事が解説されていて興味深い話でした。
先頃なくなられた建築家黒川紀章さんの未亡人である若尾文子さんの若い頃の美しい事。息をのむような美しさと言うのでしょうか。黒川紀章が「君(の美しさ)はバロックだ」とプロポーズしたという気持ちがよく理解できました。
私の母校の高校の近所にある宮城第二女子高校に通っていた頃の事をフィクションにして、主人公の井上ひさしの小説『青葉繁れる』にヒロインとして登場して来ます。ちなみにこの高校の先輩井上ひさし氏は山形の生まれで、高校時代は仙台の寄宿舎にいたようです。更にちなみに若尾文子も仙台出身ではなく東京生まれ。もう一つついでに『青葉繁れる』のハンサムな転校生のモデルは井上ひさしの2年先輩にあたる俳優菅原文太だと言われています。
他には、最近JR東日本のコマーシャル(テレビ、ポスター)で酒田を大きくPRしてくれている吉永小百合さんの、「おぼこ!」と言いたくなるような、初々しい少女の面影たっぷりの写真や、日本初ボンドガールの浜美枝さんなど、美人ばかりの写真がありました。企画として一緒に写っていたはずの釈迦如来や寺などがかすむ程なのだから、やはり美人というのは凄いんだな〜と思ったりしました。

Photo_2この写真は、「拳湖」と呼ばれる土門拳記念館前の小さな湖に泳ぐ、大勢の鴨の中にたった2羽だけいる白鳥です。遠目でよくわかりませんでしたが、誰かが雨の中雨具を着て傘をさして白鳥たちの世話をしているように見えました。「拳湖(けんこ)のハクチョウ」と呼ばれるこのツガイは、羽をけがしてシベリアに帰れなくなったメスとともにオスが残って今年で多分3年、この間、卵を産み孵化し雛を育て巣立ち、ということを経て大変有名になっている2羽なのです。1年を通していつ来ても必ずいる2羽です。

Photo_3土門拳記念館のある「飯森山公園」の街路樹も、少し色付き始めています。土門拳記念館の裏手にあたる飯森山に意図しておかれた石(彫刻ではないと思うが)が、「女優と文化財」の展示室の窓から雨にぬれて美しく見えました。「雨もいいものだな〜」と素直に思いました。

さて、、、
建築確認、まだです。
役所としての仕事の大切さは理解できますが、丸2ヶ月を要しても終わらない細かい審査に、「必要十分ということと「過剰」は等しくないのだよ」と食って掛かりたくすらなります。
こういう「お上」の体質が経済の沈滞を招くことは、古今東西周知の事実だと思うのですが、地方行政はもうちょっと何とかならないのでしょうか?道州制を導入して集約化した方がいいのか、悪いのか、、、
とにかく前例のないことと変化に弱いのが役所の特質で、今回の改正建築基準法施行後の混乱がそれを如実に物語っています。

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コメント

先生、おはようございます!

先日、私も土門拳記念館を観てきました。先生と同じ思いをしました。また2羽の白鳥さんは、丁度お昼ねタイムでしたがカメラを向けた時に首を伸ばしてくれたのが印象的でした。

花鳥風月、実は昨日のお昼に行こうとしましたがやめてしまいました。行けば良かったなぁ~。

建築確認、早く進むことを祈っております。

投稿: うちゃま | 2007.10.27 07:58

記事に読み入ってしまいました。
以前にも土門拳氏のこと、書かれてましたよね。
『筑豊のこどもたち』を目にして感動したこと、
コメントで書かせて頂いた記憶があります。
写真も絵も<人物>が大好きです。
向かい合う時間が大好きです。

あ――――――― 行きたい!

東京に住む、絵を描いてて写真も好きな息子に
連れて行ってもらう手があるな。。。と、
旅費出せば連れて行ってくれるよな。。。と、
希望有計画立てながら読みました。

あ――――――――――――― 行きたい!

投稿: リスペクト | 2007.10.27 11:02

色々な意味で、興味が有ります。
昨年7月、あの月山の吊橋の写真を撮った時に、時間があれば行けたのですが・・・。
機会があれば、是非一度行ってみたいと思っています。

確認申請・・待ちきれませんねー!

現状は、ソフトの整合性を手作業で確認しているようです。
このままですと、何と6ヶ月の期間が必要になってしまうとか。


投稿: kokutan | 2007.10.27 11:37

うちゃまさん、リスペクトさん、kokutanさん、
いろいろありがとうございます。
土門拳記念館はいつでもあなたを待ってます(なんのこっちゃ)。6,7月のあじさいの季節もいいですし、秋の紅葉のシーズンもいいです。季節に関係なく「つがいの白鳥」さんもいますしね。
HPで常設展以外の企画も告知されていますよ。
http://www.domonken-kinenkan.jp/index.html

投稿: balaine | 2007.10.27 14:42

私もかつて「井上ひさし」に取り付かれたことがありました。でもあの『青葉繁れる』のハンサムな転校生のモデルが菅原文太だったことは、知りませんでした。彼の地元「川西町」をテーマにした「下駄の上の卵」に大笑いしたことも今思い出してしまいました。

投稿: 青木達也 | 2007.10.28 18:08

「♪だけど、地球〜の、水平線に〜、誰かがき〜っとまぁあっているぅ〜♪」主題歌は今でも歌えます。『ひょっこりひょうたん島』は、白黒の人形劇でリアルタイムで観た世代です。原作者が高校の先輩である事は誇りですね。
ご存知でしょうが、川西町の蔵元「樽平酒造」は親戚筋あたり、そこの親類である女優の白川由美(二谷英明の妻、二谷友里恵の毋、よって郷ひろみの元義母)は井上ひさしのいとこと聞いた覚えがあります。
実父に死別した後、義父に酷い目に遭わされたり、仙台の施設に預けられたり、あまり恵まれない幼年、青年期を送っていますが、それが作品にも活かされていると思います。

投稿: balaine | 2007.10.28 21:48

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