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2007.10.11

第2回モーツァルト定期

10/6(土)、山形テルサの「テルサホール」で、音楽監督飯森範親氏率いる山形交響楽団の本年からの新しい試みである、モーツァルト・シンフォニー・サイクル『アマデウスへの旅』第2回定期演奏会があった。定期会員であるので、東京でのNMCの記念演奏が終わるや山形新幹線に飛び乗り山形に向かった。
Photo_6Photo_7ちょうど「乳がん検診啓蒙活動」として「ピンクリボン運動」の展開中。
左の東京タワーはグランドプリンスホテル新高輪からの写真。右の「霞城セントラル」は山形駅西の駐車場からの写真であるが、ピンク色にライトアップされていた。

今回の演奏曲目は、1)交響曲第4番二長調 K.19、2)ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466、3)交響曲第31番二長調 K.297 「パリ」の3曲。
1)の交響曲4番は、なんとアマデウス9才の時の作品だとのこと。短いシンプルな3楽章で、後のような4楽章形式の大曲ではない。管もホルンとオーボエ2本だけで、室内楽の延長のような感じだが、十分に楽しめる。小学校3年生の書く曲ではないですね。
2)のピアノ協奏曲は、特徴的な「短調」の曲。モーツァルトの短調って何故にこうも美しいのでしょう。ピアノ独奏は、幼少時より家族でドイツへ移住されている河村尚子さん。先頃、「クララ・ハスキル国際ピアノコンクール」で見事優勝されたとの事。プレトークで飯森さんが話しておられたように、つい先日の事なので、残念ながらプログラムに優勝の事を印刷するのが間に合わず。山響のHPではしっかり明記されています。
河村さんのピアノは、年齢は若いのに年輪すら感じさせる印象。爽やかでチャーミングで落ち着きがあって詩情豊か。何よりも音が綺麗。粒立ちがはっきりしていて濁りがない。
本当に素敵。あれ程のモーツァルトはなかなか聴けるものではないと思われた。観客の反応は正直で、まったく拍手が鳴り止まず2回もアンコール(モーツァルトのピアノソナタ何番かの第1楽章と何かの小品)した上に、全然拍手が終わらないので最後には河村さんがコンマスの高木さんの手を取ってステージから下がるようにお願いするようなポーズ。

山響の演奏も凄かった。昨年から取り組み始めているピリオド奏法に磨きがかかって来た。何よりも弦の音が澄んでいて柔らかい。トランペットとティンパニはピリオド楽器。コンバスは最後列中央に3本でオケ全体を後ろから包むように低音が響いてくる。フルートは、二人共パウエルの木管を使っている。
3)の交響曲第31番は、その第1楽章だけなら実はNMC(脳外科オケ)でも演奏経験がある。あのニ長調のスケール、チャーンチャラチャラチャラチャンがとても難しかった記憶が蘇る。モーツァルトの音階は「勢い」では演奏できない。かといって、ただ正確に8分音符や16分音符を繋げれば済むという単純なものではない。「音階は音楽そのもの」と言う事をはっきり示してくれる。だからモーツァルトは難しい。シンプルな音階を組み合わせてメロディにしたり大事な所で単純な音階を使っている事が多い。フルートの名曲である2つの協奏曲や「フルートとハープ」の協奏曲なども総譜を持っていて、ちょっとだけ練習した事があるが、これを正確にそして音楽的に演奏する事は非常に困難である。まだ(自分は吹けないけれど)ハチャトゥリヤンやイベールのフルート協奏曲ならば「勢い」で吹ける所もありそうだが、モーツァルトとなると人前で満足な演奏など一生出来そうにない。モーツァルトのフルート四重奏曲などは何回か人前で吹いた事があるが、満足いくどころか、恥ずかしく、部分的には聴くに耐えない演奏しか出来ない。
世の多くの音楽家がモーツァルトを演奏して「いや〜、完璧!うまくいった!」などと思う事はほとんどないのではないかと思う。そういう意味では、この31番も素晴らしかったけれどこれ以上はないという演奏ではなかった。ただ、山響の特に弦楽器群の飛躍は素晴らしい。音が透明で柔らかく、ノンヴィブラート奏法でも音程がずれる事は少なく完成度の高い演奏だったと思う。河村さんのピアノに至っては、「これぞ完璧!」と言っても差し支えない程の演奏だった。
このような素晴らしい演奏を地元で聴けるということは大変恵まれていて、幸せな事である。

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コメント

トラックバックをありがとうございました。すてきな演奏会でしたね!演奏経験を踏まえた内容で、balaine さんならではの感想だと思います。霞城セントラルのピンクのライトアップ、残念ながら終演時には消えており、気がつきませんでした。私の記事の写真は、夜9時頃の様子です。

投稿: narkejp | 2007.10.11 20:29

素晴らしい演奏、
その演奏に感動し、よろこび称える観客、
本当に、素晴らしい演奏会だったのですね。

「音楽は喜びの友、悲しみの薬」
この言葉がぴったりだと思いました。

投稿: ふなゆすり | 2007.10.11 23:51

narkejpさん、TBありがとうございます。記事のお写真は、私も帰りに見たのですが、霞城セントラルの一番上の方と下の横長のライトがピンクになっていますね。

ふなゆすりさん、山響一度聴きに山形までいらして下さい!是非是非!

投稿: balaine | 2007.10.12 06:15

11月25日かもう1つ山形テルサ?に山響の演奏会があると思うんですが行かれますか?
行こうと思うんですがどぉしていいかわらなくって(艸д+。)

投稿: ハチ | 2007.10.12 06:37

ハチちゃん、11/24の19時と11/25の14時のテルサで2回公演ありますよ。いきたいんですけどね、、、
翌週、酒フィル定期なので、直前リハを除くと最後の練習なので、ちょっと無理かな〜。行くのなら車に乗せて行ってあげるんだけどね。
11/25ならば、酒田ー山形のJRかバスで往復できるのではないでしょうか。

投稿: balaine | 2007.10.12 09:32

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» 飯森&山響モーツァルト交響曲全曲演奏定期演奏会・第2回を聴く [電網郊外散歩道]
土曜の夜、山形テルサホールで、飯森範親指揮山形交響楽団によるモーツァルト交響曲全曲演奏定期演奏会の第2回目を聴きました。足かけ8年に及ぶと言う長期プロジェクトの初年度、聴衆の入りもほぼ満席です。コンサートマスターは高木和弘さん、そのお隣に犬伏亜里さん、ヴィオラのトップに倉田さんが入っています。女性奏者の方々は、色とりどりのきれいなドレスで、とても華やいだ感じです。 今回のプログラムの最初は、モーツァルト9歳のときの作品である交響曲第4番ニ長調K.19です。楽器編成は、オーボエ2、ホルン2と弦楽5部... [続きを読む]

受信: 2007.10.11 20:30

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