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2007.07.16

最近可笑しかったテレビ番組

私は以外と(?)「テレビっ子」です。
ブログを書いているときも、テレビやビデオ(録画しておいたN響アワーとか)を観ながらです。
俗っぽい「お笑い系」の番組も嫌いではありませんが、お気に入りは「N響アワー」と「芸術劇場」にフジの「平成教育学院」です。

もう一つ、毎週日曜の朝9時からやっている「題名のない音楽会」。
これはほぼ毎回観ています。
真面目な面もありますが、どちらかというと眉間にしわを寄せながら観る(聴く)音楽ではなく、楽しい番組ではあります。山響音楽監督の飯森さんも結構な頻度で指揮をしています。そういえば、近々また出演するように聞いています。

さて、タイトルの番組のことですが、実は先週と今週の「題名のない音楽会」。これが可笑しくて可笑しくて、笑いながら涙が出て来て困りました。下手なお笑い番組なんて吹っ飛んでしまう位楽しかった!
「指揮者になる夢かなえます 第1回振ってみましょう」というタイトルで、全国から応募した指揮希望者10数名を2週に渡って放送したものです。
時間の関係で、一人の持ち時間は「1分間」と非常に短い。
しかし、満員の聴衆、テレビ放映、プロのフルオケという条件を考えれば、金を出すとなると1分間でも数万円ではきかない価値があると思います。

全国から応募して来て採用された強者どもは、やはりテレビ受けしそうな、何かしら特徴を持つ人達ばかり。小学校低学年の可愛らしい女の子から、還暦を超えた壮年男女まで、地域も年齢も職業も幅広く採用されていました。おそらく偏りの無いように工夫されたのでしょう。
「指揮者になるために生まれてきました」というような学生の男の子や、実際にオケや吹奏楽で演奏したり指揮をしている人もいて、なかなかに高度なタクトさばきを見せる人もいました。
「あれれ?不思議ちゃん?」という感じの女性(たしかナース)や、ユニークの一言になりそうな方もいました。
同業医師も数名登場。なかでも、私も仕事上(専門分野が近い)交流のある、某大学の脳外科の現役教授も登場。これには驚くとともに少し笑わせて頂きました。

多くの方が、CDを聴きながら指揮の練習をするためか、タクトが音楽に付いて行こうとしてしまって、オケの出す音を聴いているうちにどんどん遅れてくる傾向にあります。シャルル・デュトワの指揮姿を見るとわかりますが、指揮者の振り下ろす拍は、オケが出す音よりも少し先であるのが普通です。棒を振り下ろして一番下に来た時、ティンパニなら「バン!」と叩いた瞬間が拍の初めであるのが本来は基本だと思います。昔の指揮者は弁慶の長刀のような大きな棒を持って、それを床にドンドンと打ち付けて指揮をしていたので、「ドン」と拍の頭が合うのが本当ではあります。
しかし、デュトワの指揮を見ていると、振り下ろした腕が上がって「裏拍」に入る直前くらいにオケの拍の頭が来ているようです。指揮者によっても個性があるのですが、このように棒がオケより少し先に進んでいないと、テンポ・ルバートや変拍子や速度の大きな変化のある部分では、空中分解する恐れがあります。
分かりにくい指揮者の棒の場合は、オケは棒を無視してコンサートマスターの弓や頭・身体の動きを見て合わせることすらあります。
あまり指揮の経験のない人が振っていると、ですからCDと同じようにオケの音を「聴きながら」振るために、オケはその腕の動きに付こうとし、指揮者はオケの音に付こうとするためにどんどん遅くなっていくのです。

指揮の経験の豊富な人、楽団に所属していて、特に打楽器をやっている人はこのあたりが上手でした。
やっている本人が真剣なだけに、その激しい身振り手振りに、もの凄い顔の表情など、もう爆笑ものでした。
故岩城宏之さんの名著「指揮のおけいこ」にも、手を動かさず棒を振らずに顔の表情だけで指揮をしたらどうなるかということが書かれています。結果は手を振らなければ駄目だけど、顔の表情だけでも指揮者が表現しようとしている音楽のムードは伝わるように書いてあったと思います。今回の出演者も、顔の表情の豊かな人(というか激しすぎる人)がいて、想いが伝わるだけに笑っては行けないと思うのですが、涙が出るほど可笑しかった!

それにしても、審査員としてコメントを述べていた指揮者の小松長生さん、作曲家の千住明さんと服部隆之さんのお三方の真面目さとユーモアのセンスと忍耐力には恐れ入りました。
小松さんは、私と同じ学年になります。あの端正でダンディな顔立ち、スタイルから考えられないような、朴訥としたというか、はっきり言って訛ったお話の仕方がとても親近感を持たせます。
千住さんは言わずと知れた売れっ子作曲家で、ヴァイオリニスト千住真理子さんの兄。山形交響楽団コンポーザー・イン・レジデンス(座付き作曲家)として、山響委嘱作品などにも取り組んでおられます。
服部さんは、良一、克久と祖父、父、本人3代にわたる作曲家の家系。こちらもテレビ番組のテーマなどを書く売れっ子作曲家。この方たちのコメントにも笑えた。
なにより可笑しかったのは、指揮に挑戦する人達が真剣にやっているからこそである。
落ち目のお笑い芸人さんは学んで欲しいな。。。

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