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2007.07.11

アル&イル・ケッチャーノ

7/8(日)、「納豆の日」を2日後に控えて、プレ・バースディ・ディナーということで、久しぶりに『アル・ケチャーノ』に行って来た。
昨年、テレビ(「情熱大陸」)に出て以来、土日の予約は困難な店となり、平日でも1ヶ月くらい待つ必要のある、「庄内で最も予約の取れない店」になってしまっている。奥田シェフはもちろんお店のスタッフ誰もが、そんなことになるのは望んではいなかったはずであるが、メディアの力、テレビの力は強烈である。
テレビで紹介される前なら、1名か2名ならぶらっと行っても食事ができた。

Photo_14奥田シェフの実力を知るには「おまかせコース」が良いとは言われるが、私はブラッと行って、旬の食材をどうやって客に出して喜んでもらおうか、という意欲の伝わる、黒板にチョークで書かれたメニューを眺め、その中から期待に胸を膨らませて一品選び、鼻孔を膨らませて料理が運ばれて来るのを待つ、そのワクワク感がとても好きであった。特に、常に10数種類は用意されているパスタは、パスタ大好き人間だけに、そのメニューを見るだけで幸福感に満たされる感じすら覚える。
「庄内浜のふぐとキャベツ カラスミのペペンロチーネ」とか「羽黒の月山筍と庄内豚ベーコンのクリームソースフィットチーネ」などと、目で読むだけで口の中に涎が出てきそうである。

久しぶりだし、ようやく取れた予約だし、誕生日祝いだし、、、
と言う訳で、「シェフおまかせコース」をオーダーした。あらかじめ得意、不得意や好みを伝えてはあったが(私には、好き嫌いはないのですが)、席に案内されて聞かれたのは飲み物をどうするかだけであった。

Photo_151品目。わらさの刺身、庄内浜の塩とオリーブオイルをそえて。
「わらさ」とは天然のブリの子供らしい。多分、今までにも食べたことはあるのだろうが、夏場にこれだけ脂の乗った魚が庄内の漁港には上がるのだろう。
Photo_192品目。スズキの切り身と冷製カッペリーニ。
早くもパスタの登場。量はピッコロもピッコロであるけど、これからどれだけ料理が出て来るのか期待させる。
なお、全ての写真は他のお客さんの迷惑にならないようにフラッシュをオフにして撮ったので、少し色合いが変であることをお断りしておく。夜のお店のライティングの下では、人間の目と安物デジカメの差が大きい。
Photo_183品目。のどぐろの刺身、小松菜添え。
出ました!庄内といえば、「のどぐろ」と言っても過言ではない。脂の乗った食べ応えのある、でも後味のしつこくない白身の魚。上に乗った地物野菜とのバランスも良い。
Photo_17Photo_16
4品目。旬の岩ガキ、モロヘイヤと野菜のソース/スズキのカルパッチョ。
家内が、罰当たりなことに生の牡蛎が苦手なため、別メニュー。岩ガキは当然美味しい。カルパッチョも盛りだくさんで旨い。
Photo_205品目。白身の魚とクリームソース。
お魚の名前は忘れた!(不覚)
聞き慣れない、白身の魚。身に弾力があってもちもちした感じ。クリームソースも何かを使ったと説明されたけど、忘れてしまった!無念。
Dumpling6品目。挽肉詰めワンタン(dumpling)、トントロ豚のカリカリ炒めを添えて。
全てのお皿がsmall portionなので、どんどん食べてどんどん出てくる。
ちょっと変わった趣向というか、お口直し的なものに感じた。
Photo_317品目。口細鰈の焼きもの、地物野菜じょなと水菜を添えて。
口細カレイが旨くないはずがない。これに、ギリッとした苦みと香りを持つ「じょな」という聞き慣れない庄内地物の野菜が添えてある。奥田シェフによると、「アネチャの店」に行くと売っているという。
「あねちゃ?」、庄内弁でおねえさん。まあ、昔のお嬢さんが露天を開いている店のことでしょう。道の駅などに行けばあるはず。

Photo_228品目。地鶏のレバー。
お気づきかと思うが、赤身の肉類は黒っぽい皿で、魚介類や白身の肉類は白っぽい皿で供される。
歯ごたえと旨味を味わう。普通に焼き鳥っぽく食べた方がいいかも、、、と思った。
Photo_239品目。毛ガニのリングイーネ。
出た!パスタだ。今度は温かい麺。
毛ガニから旨味やソースが出ていて、パスタもうまい。ただ、ボイルした毛ガニのどこにも切れ目がはいっていないので、フォークでぐさっとやって(皿から飛んで行かないように)ナイフで慎重に切って、次に手を汚しながら殻を開き身をほぐして取り出す手間がちょっと気になる。ハサミで切れ目を入れておいてくれると少し食べやすいのに、と思った。「うるさい客には蟹を食わせろ」ということなのか、、、(苦笑)
Photo_2410品目。月山筍のフリット、生ハム巻き。
あれ?ここで月山筍?と思った。
2年前の6月に来た時には、前菜として1品目に出たように記憶している。
なんでも、海の方から山の方へ、食材の流れで出しているようなことを言っていた。
Photo_2511品目。鯛の水煮、オリーブのペーストを載せて。
と思ったらまた海に戻った。しかし、月山からの湧き水を使った「水煮」である。シェフも「主役は水です」と言っていたように記憶している。

Photo_2612品目。羽黒の羊の背肉ロースト。
シェフ自慢の羽黒の羊。アル・ケッチャーノを最初に世に知らしめたのも、この羽黒の羊肉だった。
絶妙な火加減で、柔らかく、甘く、美味しい!

Photo_27Photo_2813,14品目。ケーキ、アイス、シャーベット各種、そして入れたてのコーヒー。
お誕生日を祝って、特別にチョコレートでプレートをデコレートして出したくださった。感謝!
アイスもソルベもケーキもうまい!
そして、いつもはエスプレッソを頼むのだが、この日はコーヒーにしてみた。これとてやや薄めのエスプレッソ的でとても味わい深い。

ここまで約2時間半でゆっくり食事を楽しむ事ができた。
近くの席には、栃木県からわざわざ食事を目的に来たカップルなどもいて、さすが「アル・ケッチャーノ」という感じである。「おまかせコース」は確か一人7350円から、であるが、材料や品数は必ずしも決まっておらず、客の好み、その日の天気や雰囲気、目的などに応じてシェフが考えて出してくださる。今回は、確か一人9000円くらいだったように思う。フォアグラや地元和牛のステーキなどが入れば当然値段ももっと上がるでしょう。
鶴岡という土地柄、ディナーに一人10000円は安くはないけれど、旬の、しかも庄内ならではの食材を見事に活かし、それを調理するシェフのアイデアそのものを食べるようなお店であることは、本になった『奇蹟のテーブル』にも出ている。「奇蹟のテーブル」はこちら。
ちなみに生産農家の人達と一緒に写っている写真の中には、酒フィルの仲間も写っている。

ところで、余りにも予約がとりにくく、為に半年前から予約しようとする人もいるため、予約は予定日の3ヶ月前から受け付けるということになっているらしい。食べに来たくても来れないお客さんに店側として申し訳ないという気持ちもあって、「イル・ケッチャーノ」というバリスタの常駐する喫茶部を7/7にオープンさせています。
Photo_29「アル・ケッチャーノ」の建物自体は、元々旧鶴岡市のはずれを超えた、旧櫛引町の外島(とのじま)にある「ニュー外島」という喫茶店のあったところです。その隣にある、元ラーメン屋を改装して始めたばかりなので、店の側面にはラーメン屋の名前が克明に残っています。
パスタ、ドルチェ、そしてバリスタのいれるコーヒーが楽しめ予約の要らない店にしたかったらしく、「こんな料理もあるんじゃない?(こだな料理もあるけっちゃーのぉ)」をもじって、「イル・ケッチャーノ」(=いるんじゃない?)という店の名前にしたらしい。「イル」というのは、イタリア語で定冠詞であり、イタリア語らしい庄内弁で店の名前を作ったところに、奥田シェフのウィットを感じることができる。
今度このお店に行ったら、正面から写真を撮ろうと思っています。

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コメント

1/16
携帯からこのブログを見ると、16ページにわたる(笑)
ロムニー(お肉も美味しい羊さん)の毛を紡ぐ手を休め、読み始めたら・・・。
読み進めていくうちに、だんだんお腹が減ってくるし、とっても食べたくなってくるし、ものすごく羨ましくなってくるし・・・。

大変、引き込まれる文章とお写真でした(涙)。

投稿: ふなゆすり | 2007.07.12 07:45

ふなゆすりさん、すみません。でもいいでしょう!
携帯で見ることはほとんどないので。。。写真は17枚ですけど、16ページなんですか。。。
今気付いたのですが、カレイの写真が縮小されていなかったので、画面に納まりきらないようです。直しておきます。(^^;;;
そういえば、「アル・ケッチャーノ」のお店の前に月山の伏流水が湧き出る井戸があるのですが、「イイデヴァの泉」という名前です。「いい出羽」と「いいでば(いいんだって、の庄内弁)」をかけているんですね。

投稿: balaine | 2007.07.12 11:23

岩牡蛎と月山筍のフリット懐かしい!
いいプレお誕生日ディナーでしたね。
庄内は美味しい!

 シェフのおまかせは7350円から
だけど、今回お願いした10月はランチ
だから、時間もそんなにないし、
どれくらいの予算でやってもらえるかな?
2年前のランチは予算いくらでしたか?

 そろそろ電話しないと3ヶ月前なんで。

投稿: イコマ | 2007.07.13 01:23

イコマどの、いらっしゃいませ!
記憶を辿ると、確か一人4000~4500円でお願いしたと思います。「飲み物を除いて一人○○円でおねがいします!」と言っておけば、シェフがやってくれますよ。
2005年当時の控えめなグルメレポートはこちら。
http://flute-piccolo.air-nifty.com/balaine/2005/06/post_b941.html

投稿: balaine | 2007.07.13 01:45

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