今日の新聞記事から
まず、地元の山形新聞20面。
ボリジさんのコメントにあったように、今年8/16~19の4日間、酒田市で開催される「第31回全国アマチュアオーケストラフェスティバルin やまがた酒田」の実行委員会が、昨日、酒田市民会館小ホールで開催され、私も参加してきました。
私は、「街角コンサート」(今大会で今までとは違うユニーク企画)の中の招待ピアニストファルカシュ・ガボール氏のお世話係という軽い役ですけど、大会名誉総裁高円宮妃殿下も酒田にお出でになるご予定ですので、委員会には大会長である県知事の名代として庄内支庁長や副会長の酒田市長も参加して真面目に行われました。
酒フィル団員による、弦楽四重奏とクラリネット五重奏が会の始めと終わりに演奏され雰囲気を盛り上げていました(この四重奏、五重奏には「タビの親父」さんも参加されていました)。
このブログでも何回かこのフェスティバルの事は書きました。
オケAとオケB合わせると300名近いメンバー。
オケBがやるマーラーの交響曲9番は、全曲1時間40分にも及ぶ超大作。
指揮者もコンマスも豪華ゲスト。
この8/19のオーケストラコンサート(オケコン)以外にも、毎日のように酒田の街中で(ちょっとした中心街の広場やデパートの1階とか、山居倉庫のレストラン脇とか、小さな会場が多いのですが)アンサンブルなどがあり、ファルカシュ・ガボール氏によるピアノの公開マスタークラスもあります。
移り住んで感じる、酒田、庄内の衰退。
山形県自体が人口減少で120万人を切るとか切ったとか言われています。酒田も昨年隣接3町と合併したにもかかわらず10万人ちょっとしかいません。
元気なのは、幅広い意味での外食産業。「アル・ケッチャーノ」や「ブリラーノ」などは予約必須のお店でぶらっと行って入れる事は少ない位。「酒田のラーメン」は結構人気があって、土日の昼時などは店の前に行列もできています。有名な「さかた海鮮市場」内にある「海鮮どんや とびしま」などは、1050円でこんな凄いの!という新鮮な大量のネタの載ったどんぶりを目がけて、県外からも人が来ます。朝7時開店で、早く行けば大丈夫なようですが、土日の昼時なんか行っても1時間待ちくらいの行列ができています。
ところが、街のど真ん中、中心商店街やデパートには、何か特別な催しでもない限り、「酒田ってこんなに人がいないの?」と心配してしまう程、日曜の昼でも人が歩いていないのです。
上に書いたように、有名な食事所には東京からでも人が来るのに、街の真ん中には人が寄り付かないのです。
たいていは郊外の大型量販店(あのIグループのJという店など)に人が流れています。これは、酒田に限らず全国的に地方都市が陥っている、中心商店街衰退化ですね。
昨日の実行委員会には、酒田市の商店街、商工会議所、物産関係の代表者も参加されており、この音楽のフェスティバルで庄内一円どころか県内はもちろん、県外からも400~500名の人が集まる事に多いに期待しているようなのでした。
今日の読売新聞の1面の「理不尽な親 学校苦慮」と言う記事。
前から話題になっている、理不尽というか「病気」としか思えないような親に苦労してうつ病にまでなってしまう学校教師、教育現場の事。
「頼んだ覚えはないから、給食費など払わない」
「お金を払っているんだから子供に「いただきます」や「ごちそうさま」を言わせるな」
という偉い親御様からの依頼は笑い事クラスなのでしょうか。
「うちでは、こどもに掃除をさせていないので、学校でも掃除はさせるな」
「こども同士のトラブルに対して、「相手の子供をどこかに転校させろ」と依頼」
「こどもが自転車で軽い人身事故を起こしたら「学校の自転車指導が悪い」と主張」
などなど、枚挙にいとまのない問題外の言動。
こういう親がいるからそういう子供が育つのでしょう、という感じである。
以前、ブログにも書いた理不尽な患者さんもこれに通じるものがあるが、学校の現場ではこういった親に対してもまず「話を聞く」「真面目に対応する」という事で頑張っているように、病院ではどんなに理不尽でも「患者様」として真摯に応対するのが基本となっています。
今、ちょっと精神関係の病院でも仕事をしているのですが、上記のような話を聞くとここの患者さんの方が話の内容は筋が通っていてまともです。
これらの親御さんは、精神神経科を受診させてきちんとその精神状態を診てあげる必要があるのではないかと思うくらいです。もし、精神的に異常がないのであれば、こんな人が増えて行くこの日本という国は「うつくしい国」になどなり得ないと思います。
「美しさ」というのはいろいろありますが、見かけというのももちろん大事なのですが、こころ、精神の美しさがなければ、日本は美しい国になどなるはずがありません。
郊外型量販店は、広大な土地に広い駐車場と、地元の行政や土建業界と結びついて有利に店舗を展開し、周辺の地方都市の伝統ある中心商店街や歴史ある老舗の文化を破壊し利益を吸い取って成長しているモンスターのように私には見えます。
その、得た利益を、大きく「地元」に還元してもらいたいものです。
地元の文化、教育、福祉への還元を期待したいところです。
アマチュアオーケストラの祭典は、自分が好きだからやっているオケや音楽の活動を広め友好を深めるために、地元のオケ団員が、本来の仕事をしながら平日の夜や休日に集まって会議をしたり手紙を送ったり楽譜をコピーして送ったりボランティアでやっています。
好きだからやってんだろ、と言われればその通りです。県からも、市からも、JAOからも助成金は頂いています。しかし、たとえばそういった、中心商店街を衰退させる大きな要因となっている大型店のグループなどから目に見える形で何らかの貢献をして頂いているかというと、何もない、というのが実状です。
中央資本の経済活動が、日本の、特に地方の文化を衰退させる事のないように願いたいものです。
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コメント
鶴岡タイムス(http://www.t-times.jp/)の佐藤賢一のエッセイみたいですね。
投稿: @ma | 2007.06.18 19:47
@maさん、はじめまして。
佐藤賢一氏は不勉強で知りませんでした。直木賞作家のようですね。
「鶴岡タイムス」のことも初めて知りましたので色々読ませて頂きました。かなり論点が違うと思います。彼の論点は、掲載する「鶴岡タイムス」を意識したか、自分が鶴岡出身だからか、「鶴岡、鶴岡、、、」ですね。
どうも庄内人の中で、プロトタイプとして「鶴岡の人は、、、」という酒田人に「酒田の人は、、、」という鶴岡人がいて、私はこれが気に入りません。
それぞれの街の伝統を愛するのはいいのですが、こんな狭い世界で張り合ってもしょうがないと思うのです。いわゆる「井の中の蛙」的な発想だと思います。
鶴岡をどうしたら良くするかという視点から少し外れているように感じました。
投稿: balaine | 2007.06.19 11:25
わたしは、酒田も鶴岡も大好き。永住するにはいいとこと思います。
投稿: @ma | 2007.06.19 21:29
はじめまして。
酒田市民ですが、
コミ○ニティ新聞読んでいても
まったく同じ気持ちになります。
庄内一円に配る新聞なのに「酒田、酒田」ってのが恥ずかしいですね。
投稿: ザッツザウエイ | 2007.12.31 03:54
ザッツザウエイさん、年の瀬にコメントありがとうございます。
まあ、「コミュニティしんぶん」は酒田に本社があり、酒田での配布から始まったからでしょうね。「庄内一円」とおっしゃいますが、旧立川、旧松山、旧八幡、三川、旧朝日村など配布されていないところもあるんですよ。一方、荘内日報は鶴岡に本社があり、新聞配布地域も旧鶴岡市が中心なんですね。
マスコミというのは、購読者を意識して記事を作らざるを得ないところがあるのは、全国紙にしても同じ事だと思います。
投稿: balaine | 2007.12.31 10:56
年の瀬近くになったのでお邪魔します(笑)
荘内日報は購読契約しないと配達されません。
しかし、見たくも無いコミ○ニティしんぶんが一ヶ月2回もポストに購読契約していないのにもかかわらず、勝手に入ってるのも購読者になるんですか?(爆笑)
もうずっと配られた時点で読まずにゴミ箱行きですが、ゴミが増えて迷惑ですね。
投稿: ザッツザウエイ | 2008.12.01 03:46
ザッツザウェイ様、
これはまた古い記事にコメントをありがとうございます。
「荘内日報」は購読契約を結ぶ有料の「新聞」、コミュニティしんぶんは広告料を元に「無料配布」されるチラシと同じ類いだと思います。
私は、インフォメーションの欄で街の小さな音楽会や催し物を知ったりできるので結構好きですよ。好き嫌いの問題では議論になりませんけどね。(笑)
月に1回は私の医院の広告も載せていますので、捨てる前に広告だけでも!ご覧になって下さいね。(^^;;;
最近は、酒田の「SPOON」とか鶴岡の「Bloom」とか、綺麗な写真の多い、月一発行の無料雑誌(これも広告で成り立つ)がありますね。こちらも興味のある人にとってはなかなか魅力的だと思います。
新聞は本来単なる「ニュースソース」ではなく、そこから何を考えるかというような知識人の情報源だったと思うのですが、ネットの即時性に敵わなくなった今、そこを追求する新聞だけが生き残れると思います。
一方、「コミュニティしんぶん」や「SPOON」などのコミュニティ情報誌は、無料で配布され「身近な」最新の情報を利用したい人だけが利用する、というのでイイと思うのです。
うちの「脳ドック」にも、「コミュニティしんぶん」の広告を見て来ました、という方がいらっしゃって、その存在価値を高く評価しているところです。(笑)
投稿: balaine | 2008.12.01 09:43