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2007.05.09

中欧「音楽への旅」3-1.三日目

日本で予約していたザルツブルグ巡りの日。
最初はバスツアーを考えていた。理由は、簡単だから。しかし、「オペラハウス」前に七時集合で、バスで5時間!かけてザルツブルグに12時着と書いてある。もちろん途中いくつかツアーとして寄る所や休憩があるのだろうがはっきりは書かれていない。そして肝心のザルツブルグには長くても四時間滞在するだけ。
そこで鉄道でザルツブルグ往復を考えてみた。ネットでOBBオーストリア鉄道のダイヤを調べ、到着と帰りの出発時刻に合うツアーを見てみた。日本語ガイドツアーは楽かもしれないが日本人だけでぞろぞろ行動するなんて最も苦手とする事。しかも時間的に一つしか選択できない。
いろいろ知恵を絞ってできたのが今回のパーソナル・ツアー。

ウィーン西駅0730発チューリッヒ行きのOBB。これに乗るためにホテルから徒歩一分かからない「シュテファンプラッツ駅」から地下鉄U3に乗り、五つ目の駅Westbahnhofで降りる。不慣れなので0645にホテル出発。「これじゃ、バスツアーと同じじゃん。」
何も問題なくスムーズにウィーン西駅の広い一階のフロアに着いて時計を見たら七時だった。発車まで30分もある。現金の持ち合わせが少なかったのだが構内に両替があり早朝からやっている。売店でいろんな種類のサンドイッチのようなパンを売っている。どんな固さでどんな味なのかはわからないけどはみ出して見える具財から味を想像して、W...なんとかとP...なんとかを選ぶ。私はコーヒーにmelangeを注文。カプチーノみたいに泡立てたミルクがたっぷりはいったウィーンを代表するコーヒー。妻は牛乳。これが500ml入りしかないしかも低脂肪乳のみ。コップでわけながら二人で飲んだら(日本人にとっては)大きなパンは一個で二人のお腹も満ちるので、もう一個とコーヒーは持ち込むことにした。
ヨーロッパの主要駅は本当のターミナルなのですべてが並んだホームに列車は入ってきて出ていく。通過する列車はない。10番ホームはすぐわかったけれど乗り込む車両は二等なので構内から先頭の方まで歩いて探す。機関車の後ろの先頭車両だった。席は念のため予約していたが、二等は適当に空いている所に座るものらしい。六席で一つのコンパートメントになっており窓側席を二つ予約しておいたので席を確認してほっと一息つき、パンとコーヒーを口にした。
発車直前に大学生らしい初々しい雰囲気のカップルが入ってきた。朝のアイサツを交わす。せの高い男の子は真ん中の席に腰かけるや対面の真ん中の席のシートをグイと引っ張って引き寄せて簡易ベッドのようにし、靴を脱いで(くちゃいよ、お兄ちゃん)長い体を横たわらせた。眼鏡をして愛らしい顔つきの細身の女の子は対照的に、通路側の席にきちんと腰掛けて何やら書き物を始めた。左手で鉛筆で何か一生懸命に書いている。
男の子の帽子に何か漢字が書いてある。よく見ると旧字体で「芸術」と読める。それは何という意味の文字なのか知っているか?と尋ねたら、芸と術の意味をそれぞれ答え、しかも文字が旧字体であることまで答えた。何をやっているのか聞いてみたら「建築」を専攻する学生とのこと。ウィーンは建築物も有名な都市でありなるほどと関心。ちなみに「旧字体」は日本でももはや使わず、漢字の本家の中国では若い世代は旧い文字は読めないこと、日本のアートを学ぶ代表的な大学である東京芸術大学は、旧字体を使っていること(入り口の看板のこと)を教えたら、ふーんと聞いていたが間もなく会話を拒絶するようにイヤホンでロックを聞きながら黒いグラサン(古!)をかけて真横に寝始めた。
(おいおいお兄ちゃん、僕らは通路に出るには君を越えて行かなくちゃならないじゃないか)
女の子は何か書き物を続けている。目が合うとほほえんでくれる。こういった見知らぬ人との交流?も旅の楽しみであろう。
リンツ辺りで乗り込んできたのかもう一人の男の子が登場し三人で別のコンパートメントに行く事にしたらしく、ふたりとも「チャオ」と言って出ていった。そういえばプラハのロマンもチャオ!と言っていた。若者コトバというところか?

さてザルツブルグに着く前までで長くなったので一旦休憩としよう。

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コメント

読み進みながら、
TVの『世界の車窓から』を思わず連想してしまいました。
いい旅されてる雰囲気満載!
石丸謙二郎さんのナレーションに聞こえたりして・・・
で、最後は―「次回をお楽しみに!」
で、富士通:木村くんのCMへ とはいきませんが(^^)

投稿: リスペクト | 2007.05.09 17:02

リスペクトさん、
やはりそうなりますか。書いた本人は意識してないのですが。
時間がたっぷりあったら、ICEでヨーロッパ中を旅して見たいものです。

投稿: balaine | 2007.05.12 00:51

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