♪⑥「中央ヨーロッパの旅」:5月11日、ブダペスト2日目
5月11日(金)、ブダペスト2日目(旅行6日目)。
今日はいろいろな約束がある日。
まずは午前中は、クリスチーナと会う約束。
クリスチーナは、金髪の美人のハンガリー人。ブダペストに暮らし、日本人ガイドなどをやっている。
日本の大学、会社などで日本語を学び、遊佐町(酒田の北隣りで海と鳥海山の頂上を持つ欲張りな町である)にホームステイした経験があり、酒フィル関係者とは旧知の仲。昨年の旅行の際にも、またソルノク交響楽団訪日の際にもお世話になった人である。
中央市場で待ち合わせ。
ホテルから徒歩で「くさり橋」を渡り、トラムを使う。
中央市場を見学したが、あまり買い物をする気配のない二人に、クリスチーナは持参したお土産に加えて、「これはとてもおいしいでございますよ」と丁寧な日本語でパプリカを使った瓶詰めのペーストを買ってくれた。
昨年来た時には、有名なフォアグラのペーストや缶詰を買ったものだったが、うちの連れはあまりそういうものには興味を示さない。
そこからバスに乗って、聖イシュトバーン教会へ。
ここも昨年来たけれど、大きくて素晴らしい教会。聖イシュトバーンの右手(のミイラ)が展示されてもいる。
そこからすぐのところにあるお土産屋さんへ。ここも昨年も連れて来られた。
日本語も少し通じるし、なんと日本円も使える。私はあまり現金を持ち合わせておらず、クリスチーナの口利きでカード払いながら少し値引きをしてもらった。カローチャの刺繍をお土産に買い求め、有名なトカーイワインも3〜6プットの小瓶を適宜求めた(ヘレンドの小物も少し)。
お昼からは観光ガイドの仕事などがあるというクリスチーナとはそこでお別れ。
「また会いましょう。だからサヨウナラはいいません。」と流暢な日本語で言われてしまいました。
ありがとう、クリスチーナ。またね!
さて、あまりお腹は空いていないけど、午後2時に待ち合わせがあるので、それまでにお昼ご飯を、ということになった。家内はハンガリーの民族舞踊などが観られる食堂はないか、というので、先ほどお買い物をした店で情報を仕入れるがちょっと???。民族舞踊はないけれど、確かな食事が出来るのは、去年も行った「グンデル」のランチだろうということで、電話してみると2名予約可という。
地下鉄の乗り場を探して、3本しかないうちの1本に乗る。これが結構大変。
なんでもヨーロッパで一番古い地下鉄ということで、3本が交差する駅では、それぞれのホームの深さや場所が全然見当がつかず。有名な「超」高速のエスカレータに乗って下に降りて行き、色々迷ってやっと目的の地下鉄を見つけた。このヨーロッパ最古の地下鉄車両は30人も乗ればギュウギュウになってしまいそうな、可愛らしい車両が2つだけ。駅のホームもタイルや木がふんだんに使われていて、天井も低く可愛らしい。
ニューヨークや東京などの地下鉄などとはまったくイメージの違う乗り物であった。
「英雄広場」で降りて歩いて2、3分で「グンデル」。昨年来たので方向感覚の鋭いほうである私は迷う事なくみつけた。
私の頼んだランチのコースは、前菜に旬のアスパラガスを使ったサラダ、メインにCatfishつまり鯰のピカタのようなものと温野菜、デザートはマスカルポーネチーズと何だかのアイスだったと思う。+エスプレッソダブル。
連れのコースは、メインが鳥料理(とっても美味しかった!)で、前菜とデザートは写真の通り(内容は忘れちゃいました)。
天気もよかったので、レストランの裏庭のようなテラスで、心地よい風に吹かれながらワインにほろ酔いになりながら美味しい食事を頂きました。
次は、リスト音楽院にピアニストのファルカシュ・ガボールに会いに行く約束です。
先ほどの地下鉄を逆に戻り音楽院近くの駅で降ります。
地図を頼りに音楽院の方に歩いて行くのですが、どの建物かわかりません。外から見ると皆同じような幹事なのです。バイオリンやチェロなどを持って歩いている学生とおぼしき人を複数発見。どこに入って行くのか観察していると、ある建物のそれほど大きくない扉を開いて入って行きます。近づくと、"Liszt Ferenc"という文字が見えます。ああ、ここか〜、と扉を開けて入って行くと、1階のロビーのようなところでガボールが待っていてくれました。
ガボールについては、昨年酒田フィルがソルノク交響楽団を迎えて酒田で行った演奏会で、ショパンのPコン1番を独奏した名手です。このことは、昨年3月12日のブログ「コンサート大成功!」をご覧ください。
ハンガリー人は、日本人と同じように、名前の順番が姓・名です。「山田太郎」と同じ順番でファルカシュ・ガボールと名乗ります。ですから彼の名前はガボールです。ちなみに、マジャール語は日本語と文法的に似ている部分が会って、否定形の質問に対し「いいえ」と答えるのは日本語と同じです。たとえば
「この本はあなたのじゃないの?」
「いいえ、私のです」
否定の場合は、
「はい、違います」
という感じになるそうです。
更に、有名な言葉として、料理の味が薄いことをマジャール語で「塩、足らん」と言います。(^^
Sio taranというのだそうです。
さて、ガボールにリスト音楽院の内部をいろいろ案内してもらいました。
写真は、音楽院の中をいろいろ見て回っていたとき、たまたま見つけた像ですが、ガボールもよく知っている、酒フィルのファゴット奏者YT氏にそっくりだと3人で笑いました。
この音楽院の中に立派な音楽用ホールがあります。3階席まであって、1000人近く入りそうですし立派なパイプオルガンもあります。
覗いた時は、ちょうど混声合唱の練習中で、指揮者とは別に教授と思われる人がいろいろ指導をしていました。
プロを要請する専門学校ですからさすがにレベルの高い練習をしていたように思いました。
現在のリスト音楽院は、リストの名前を冠してはいるものの、実際にはリストは教えていないそうで、歩いて4、5分のところにある、元のリスト音楽院(というのか、リストが住居とし音楽を教えていた)で現在リスト記念館になっています。ここには、リストが使用したピアノの他、写真のようなオルガンとピアノが一つになった変わった鍵盤楽器やリストの使用した調度品などが展示されていました。
その後、近くの賑やかな通りのカフェに移動して喉を潤しながら、ガボールと大事なお話をしました。
今年8月、酒田市においてJAOF「全国アマチュアオーケストラフェスティバル」inやまがた酒田が開催されます。
全国150を越えるアマオケ団体から参加申し込みがあり、編成を考えてセレクトし、2つの大きなオケ(3、4管編成)が交響曲などを演奏するのです。
詳細は、JAO告知版をご覧ください。
この中で、ガボールは、8/16(木)に(フェスティバルオケAのゲストコンマスを務める)東京フィルのコンマス三浦章広氏とプレコンサートとして、バイオリンとピアノのデュオコンサートを行います。(ちなみに、フェスティバルオケBのゲストコンマスは、東響のコンマスであり、山響の特別首席客演コンマスでもある高木和弘氏)
さらに、遊佐町でピアノ・ソロリサイタルを行う予定であり、この2つの演奏会の打ち合わせが今回彼に会う目的の一つであった。話は、まあ、あっという間に終わり、確認をしてあとは楽しいお話。
彼はこれからまたリハがあるという。
我々は、夜また人に会う約束があるので、カフェでガボールと別れてホテルに戻った。
夕方6時半頃、部屋の電話が鳴った。シャンドールの懐かしい声。
ロビーに行くと、シャンドール、ボルバーラ、娘のレイカが待っていた。再会を喜び合い、お土産交換会。彼らは、我々に会うために電車で約1時間半のソルノクから来てくれたのである。まあ、娘のレイカにも会える訳だが。
レストランを予約してある、徒歩圏内だが大丈夫か?と聞くので、もちろんと答える。
5人でまた「くさり橋」を歩いてわたり、ブダペスト一のブティック街を歩いて抜けレストランにたどり着く(20分は歩いたな、、、)。
レストランでは、まずは何はなくともパーリンカで乾杯。強いリキュールの飲めない家内とボルバーラ、レイカはウニクム(これだって薬草酒とはいえかなり強い)など他のもので乾杯。
エゲシェ・グングレ!プハ〜〜ッ(喉がや・け・る・)
パーリンカはハンガリー人が大好きなお酒。いろんな果物などで作るもので、昨年ソルノク訪問時には毎日どころか、毎食ごとに食前酒として勧められ正直閉口したものであるが、まずくはないので頑張って飲んでいた(いや、強い酒が好きな人にはかなり美味しいお酒ですよ)。
皆少しずつ違ういろいろな料理を頼んだけれど、私はパーリンカのお代わり何杯かでかなり酔ってしまい、内容は良く覚えていない。
残念ながら、民族舞踊はやっていなかったけれど写真の様な民族衣装に身を包んだ楽団が演奏をしていた。
レストランを後にし、シャンドールが楽しみにしているものがあるので、歩いてそこに行こうという。我々としてはついていくしかない。また20分位歩いて、昼間来た、聖イシュトバーン大聖堂近くの広場に着いた。凄い人の数で、ロックのライブかなにかやっていて凄くうるさい。
なんと『パーリンカ・フェスティバル』だ!
シャンドールの本当の目的はこれだったんじゃないか?という感じである。
彼がおごってくれたけれど、一人500フォリントの入場料を払うと小さなシェリーグラスのようなグラスとチケットを渡される。屋台のように、パーリンカや軽食を出す店が並んでいて、前に進むのも大変な位の人混みの中をシャンドールお勧めのパーリンカを置いてある店に行く。わたしにはまったくわからないが、ブランドがあるらしい。
スモモ、洋梨、ブルーベリーなどいろんな種類のパーリンカを試した。
高いものを頼むと500フォリント(300円位)のチケットなどすぐ無くなるのだが、5人中3人が女性であまりパーリンカを飲まないので、シャンドールと男2人で飲み比べをした。そのうち、立っていながら眠くなって来たのだが、酔ったとはいえ歩けるので頑張って飲んだ。
その時点で夜の10時半頃。明日は、9時台の飛行機でプラハに向かうので6時には起きて7時前にホテルを出なくてはならない。残念だけど明日早いので帰らなくちゃ、というと、送って行くという。また、歩きで5人でゆっくり20分以上歩いてホテル前までたどり着いた。
また、会いましょう。次回はもう少し時間を作ってソルノクにも行きます。期待している。
そんな会話をしてハグしてお別れした。
ボラバーラ、シャンドール、またね!
さあ、明日はプラハ。
今回の旅の、本当の目的である「プラハの春音楽祭」への旅である。
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