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2007.04.17

竹松舞さんと山響

平成19年4月14日(土)は山響第180回定期演奏会であった。
Photo_9今回は、指揮者に山響名誉指揮者(2001〜2004年中途まで常任指揮者)の黒岩英臣氏、ソリストにハープ奏者竹松舞さんを迎え、「珠玉のフランス音楽の玉手箱」という気の利いた副題のついた演奏会であった。
左の地元新聞記事のように、カラー写真入りで紹介された。
ラヴェルの「クープランの墓」に続いて、ピエルネの「ハープ小協奏曲」が前半の演目。
後半は、ラヴェルの「マ・メール・ロワ」とドビュッシーの「おもちゃ箱〜子供のためのバレエ音楽」という組み合わせ。これだけの、フランスのほぼ同時代の作曲家の作品を並べる意欲的な演奏会はそう多くない。
映像的、舞踏劇的な音楽の面白さを感じて楽しかった。
Maigpゲネプロ見学をこっそりさせて頂いた(山響FCとしての特典です)。
県民会館も、お客さんがほぼ0の状態で、真ん中やや後ろの方で聴く分には、十分な音響でそれぞれの楽器の音像の定位も分解能も悪くなかった。GPでの竹松さんは、ジーンズにシャツ(Tシャツではないがそれに近いラフな感じ)という出立ちで、山響や黒岩先生を相手に堂々としていた。彼女は、上記新聞記事にも書いてある通り、この春、医学部を卒業し、医師国家試験をクリアして、医師になったばかりの俊秀でもある。
我田引水的であるが、医学部の6年間の勉強は柔ではない。特に、昨今、国家試験も難しくなった上に、国試合格率を大学も世間も気にするご時世では、学内の進級試験も厳しく、私立大学などでは大量の留年生を出す場合もあると聞く。
そして、国試も難関である。
私が受験した頃は、1日半で問題総数も250問くらいだったように記憶している。それでも大変だった。
今は、丸々3日間で全500問の問題を解かなければならない。
原則的には、60%できれば合格なのだが、中には通称「禁忌問題」と呼ばれる関門が設けてある。
比較的、容易で、常識的な内容を問われる「禁忌肢」は、80%できなければ、他がどんなにできていても不合格とされてしまう、受験者にとっては胃潰瘍ができるような嫌な設問である。
たとえば、
「発熱して受診した幼児を診察する場合、一番最後にすべき手技は次のうちどれか。
a)体温、b)心音聴取、c)呼吸音聴取、d)咽頭診察、e)眼球結膜診察」
というような問題である。
この選択肢ならば、正解は(おそらく)d)の咽頭診察。
理由は、幼児の場合、診察で泣かせてしまうとその後の診察がスムーズに行かないので、喉の奥を観るために顔を押さえ舌圧子で舌を押さえつけて覗くような手技は最後の方にすべきということ。
この手の問題を2割以上間違えると、即「退場!」なのである。

彼女は、一時期形成外科志望と聞いていたが、その後、心臓外科や脳外科にも大変興味がある、更に救命救急にも惹かれるそうである。GP後に、運良くちょっとだけお話をさせて頂く機会を得た。お父上が東北大学の皮膚科で研究されていた関係で仙台生まれで、私がかつて居住した地区の小学校に行っていた彼女に、そんな事や、卒後の研修先のことなどをお聞きした。
日本の医師は、卒後初期臨床研修必修化といって、医師になって最初の2年間は将来進む科に関わらず(まだ決めなくてもいいし、決めていても変えられる)、幅広い臨床の知識と経験を身につける期間が義務づけられている。その後、後期研修を経て、専門臨床科を極めて行くことになる。
今回はこの制度の問題点については(多々あるのであるが)触れない。
彼女は、某病院での研修を選択し、米国式のインターン制度から入って行くことになったようである。

Mai1演奏会終了後、指揮者とソリストを囲んで行われる定例の「交流会」において、竹松さんに卒後の進路について質問をしていたが、ご本人の口から「いろいろやりたい事があり、外科系と思っているが救急にも興味があって、、、」と発言があった。
演奏時には、まるでバレリーナを思わせるようなしなやかな手の動きでハープを奏でていたが、舞台袖に引っ込んだり拍手に応えて出て来る際には、真っ白なウェッディングドレスのような服装なのだが、「サッサッ」と言う感じで早く歩いていた。
普通の速度の歩き方ではあるが、コンサートのしかも女性ソリストにしては、全く持って勿体をつけないアッサリしたとも言える程の迅速な歩き方であった。外科系を志望している彼女らしい、と思ってみていた。

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コメント

トラックバックをありがとうございました。当方も、山響第180回定期演奏会を楽しみました。これだけのフランス音楽を実演で一気に聴けるのは、地元にオーケストラがあるからだと思います。有名オケが来演しフランス音楽を特集するのを待っていたら、いつまでたっても無理でしょうね(^_^)/
竹松舞さんの医師としての声など、balaine さんだから聞けた内容でしょう。音楽ジャーナリズムからは決して聞こえて来ない、演奏家兼医師の肉声ですね。ありがとうございます。

投稿: narkejp | 2007.04.18 06:32

narkejpさん、ありがとうございます。
演奏会の内容については、私の極めて主観的な感想文よりもnarkejpさんのブログの方がいいと思います。興味のある方は、是非narkejpさんのHNをクリックしてください。

投稿: balaine | 2007.04.18 08:43

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