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2007年4月

2007.04.29

4月29日=旧「みどりの日』

今日は日曜日ですので、この日に感慨を覚える人は少ないのでしょうか?
明日が、「振替休日」となるのは、今日は今年から「昭和の日」だから。
昨年までは「みどりの日」、そして以前は「天皇誕生日」でした。

私にとっては、20数年にわたる、大学人、大学附属病院医師としての最後の日です。
昨日は、連休の初日もかかわらず、大勢の人(医局の先輩や既に開業している同門医師はじめ病棟の看護師さん達も)が参加してくださって私の「壮行会」でした。
医局の日誌にも書かせて頂きましたが、この20数年を総括すると「感謝と反省」になります。

これから、新たな道といいますか、少し今までとは違うアプローチでの仕事をすることになりますが、初めから暗雲がたれ込めていて前途多難な感じです。最初の約束と違う!という状況になって来ています。しかし、自分の夢(音楽ばかりではありません)を実現するために、努力を続けたいと思います。頑張ります!

このブログですが、しばらくお休みすることになると思います。
今日、医局の荷物を片付けに来ています。自宅でもアクセスはできるのですが、移動、旅行、引っ越し、その他で亡殺されると思います。そして、ウィーン、ブタペスト、プラハへの旅行です。
ウィーンでは、アーノンクール指揮のウィーンフィルのコンサートやHistorical costumeでのモーツァルトコンサートが待っています。ザルツブルグでは、モーツァルトの軌跡をたどるのはもちろん、『Sound of Music』のロケ地や名所を巡るのも楽しみです。
ブタペストでは、ハンガリーの友人に会う予定ですし、国立オペラで「タンホイザー」観劇を予定しています。
プラハでは「プラハの春音楽祭」の2日目のオープニングコンサート。チェコフィル演奏による、スメタナホールでのスメタナ作曲『我が祖国』全曲演奏。更に、チェコフィルやプラハ響の友人に会い、米国留学中以来の友人であるチェコ人の神経内科医に会う予定です。
おそらくあっという間の9日間です。

帰って来たら、すぐに学会があり、内視鏡手術のハンズオンワークショップのインストラクターをやり、脳外科オケの開会式典演奏と同時通訳の手伝いの仕事が待っています。そんな事ばかりをしていると、私の仕事場はなくなってしまうかも?(笑)
そして本格的な引っ越し、そして新任地での本格的診療が始まる予定です。

このブログはこの形のまま残すのか、それとも別の形で再出発するのか、その間に考えてみたいと思っています。これからもよろしくお願いします!

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2007.04.23

櫻、定点観測6(4/23)

医学部の桜はもう終わりです。
Sakura4204月20日。
この日は、いいお天気でした。医学部の桜は満開に近く、お花見日和。霞城公園も今週末が見頃でしょう。

Sakura421a4月21日。
一転、曇天でお天気悪い上に寒くて、近くの公園の見頃の桜の下も、去年のように宴会をする人も無く寂しい印象でした。
Sakura421人の思惑とは関係なく、暖冬一転寒い春のせいで、開きかけた蕾を堅くしてそれから時間をかけてゆっくり開いた花びら達が、重なり合うとこんな壮観な眺めになります。

Sakura421bこれは、4/21の医学部の桜の散り始め。
木の真下に停めた車には、たくさんの桜の花びらがついていました。

4/22は、前の記事に書いたように東京に行ったため、「定点観測」休診日となってしまいました。

Sakura423a4月23日の桜。
山形県内でも一番早く開花した方に入るのではないかと思われるこの「ソメイヨシノ」も、もはや葉桜となりました。

Sakura423c木の下は、ピンク色の絨毯のようになっています。
これからは、「新緑」の季節です。

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4/22、ゲーリー・ショッカーを聴く(観る)

ということで、昨日は『一周年』でした(何の?)(笑)

昨日、4/22、四谷区民センターホールにてゲーリー・ショッカーというフルーティスト兼作曲家のリサイタルがあったので聴いてきました。
Schockerこの人、1959年生まれなので、現在47才かな?凄い人なんです。
フルート吹きはまず知っているはず。
現役のNYっ子のプレイヤーですが、かなり作曲もしていて、プロもアマも好んでよく演奏される曲がたくさんあります。
彼を紹介するサイト。↓
http://foxweb.marist.edu/users/jzc4/default.htm

15時からの演奏会。
ショッカーは(ベタですけど、「仮面ライダー」ではありません)、銀(だと思う)と木管(いわゆる黒い笛)を一本ずつ持って、笑顔でステージに現れました。
まずは、置いてあるお水の小さいペットボトルを開け少し飲みます。
ここで、既に観客から軽く笑いが出ます。
彼は靴を履かず、靴下で現れ、ずっとそのスタイルで演奏してました。
打ち上げの席で(金井康子さんの昨日のブログ「生ショッカー様」によると)、「アメリカではパンツを脱ぐけれど、日本ではそれは失礼に当たると思い靴を脱いだ」という珍回答をしたそうです。
もしかすると、本当は、音楽以外の余計な音を出したくないということで靴を履かなかったのかもしれません。それくらい真剣に遊んでいる感じで、表情を見ただけで神経質な天才肌だと思いました。

演奏途中で突然ヨガのように片足立ちになって、前後にバランスを取りながら演奏は平然と続けます。
お腹の支えの訓練ではないでしょうが、演奏中にスクワット(または相撲の四股)のようにしゃがみ込んだり、なんでもあり、という演奏スタイルです。
「音楽学校の先生」が見たら(実際、何人か顔を見た事のある著名な先生方もいたようですが)、眉をしかめる演奏です。学生には「絶対真似するな」と言うに違いありません。
「アンビデクストラナータ」という曲では、 一人ピアノの椅子に座り、左手でフルートを吹きながら右手でピアノを弾くという天才的な離れ業をやっていました。ラテン語で"dextra"が「右」と言う意味なので、その反対の「左」に関係する曲だとは思いましたが、「ひとりのプレーヤーのために」という表題がついているのだそうです。Ambidextranataはフランス語なんでしょうか?格好良くて、私も演奏してみたいな、と思いました。
演奏した10曲中、「ホラ・スタッカート」という曲以外は全部自作の曲で、一言で言うと変人フルーティストですが、テクニック、音色とも素晴らしく、本当の「天才」だと思いました。
アンコールでも、「屋根の上のバイオリン弾き」からといいながら、曲の始めと終わりに「シシリエンヌ」という有名なフルート曲をパクったように織り交ぜてみたり、「シリンクス」を通常の3倍速位で演奏したり、でもそれを真面目にやっているので凄いと思いました。
明日、大阪でリサイタルの様ですが、間違いなく関西系には受けるはずです。

このショッカーの演奏会。生の演奏にいずれ触れたいとは前々から思ってはいたのですが、たまたま昨日、東京に出かける用事があり、場所も時間もぴったりだったので喜び勇んで行って来たのです。
本来の目的は、日本脳神経外科学会オーケストラ団の練習でした。
Nmca大久保にある「東京交響楽団」の練習場(「クラシック・スペース100」)を借りて、5月の仙台での脳外科コングレス学会開会式典での演奏のリハをやったのです。
Mnc422c曲目は、モーツァルトのオペラ『魔笛』の序曲。
この練習が10時からだったので、6時台の新幹線で出かけました。
お天気は余りよくありませんでしたが、山形新幹線からは沿線の桜を楽しむ事ができました。
上山城の桜(まるでピンク色の雲の上にお城が浮かんでいるような風情)、赤湯の烏帽子山の「千本櫻」(日本の桜百選の一つ)は見事でした。
約1年前にも、脳外オケの練習の記事を書きました。
Nmc422d指導と指揮はバロック風「日本の四季」の作曲者でもある「常任」の早川正昭氏。
これも以前に書いたと思いますが、N響ハープ奏者で先日「N響アワー」でも出演されていた、早川りさ子さんのお父様です。実はりさ子さんのリサイタルが、5/2に山形の某所で行われることになっていて、私は予約してるのでそのパンフレットを持っていって早川先生にお見せしました。

12:30まで練習で、その間一人で新宿御苑をお散歩していた家内と新宿御苑大木土門目の前にある「ラ・ボエーム」というCafeで待ち合わせしてそこで食事もしました。
Cafe先日ブログで書いた通り、来年酒田フィルで「ラ・ボエーム」というフルオペラをやるので、ちょうどその勉強をしているところで(イタリア語の歌とか諸々)、店名に惹かれたのと、フルートリサイタルのある四谷区民ホールのすぐ近くだったから行ってみた訳です。
Dolce422このお店は、チェーン店のようですが、高い天井の店内は雰囲気も良くお料理もリーズナブルなお値段で気軽に食事を楽しめる、爽やかな感じの良いお店でした。
わざわざ東京に練習に出かけるから、何か興味を引きそうなイベントを探した結果、新宿御苑前という場所、時間限定で、いろいろなことを楽しんできました。
それにしても、ショッカー、凄かった。楽譜、買おう!

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2007.04.20

教養or常識?

「メス!」
4月20日午前9時15分、オペ室にK医師の張りのある声が響き渡った。
〜〜〜〜〜〜
(^^;;;;;
小説の書き出しではありません。
「メス」って、皆さん何語かご存知でしょうか?

ドイツ語?いいえ。
英語?まさか。
これは、オランダ語なんです。
当然、由来は「蘭学」。つまり鎖国政策をとっていた江戸幕府納める日本国の中で、唯一海外に開かれていた出島を通して入って来た学問。それに連なる「鳴滝塾」などを含む西洋の学問に繋がります。
なお、私塾「鳴滝」を作った事で有名なシーボルトは、オランダ人ではなくドイツ人です。

で、「メス」のこと。
知人の脳外科医がオランダの病院に留学していた時、初めて手術場に入ったら医師が「メス!」と言っていたのでびっくりした、と話してくれました。そう、オランダ語なんですから、オランダ人医師が「メス」というのは当たり前。日本では、蘭学以降、手術用ナイフのことをメスと言っていますが、オランダではバターナイフや果物ナイフなどもすべて「メス」です。
今日の手術の時に、医学部の学生さんに(皆、それなりに賢くお勉強のできる子達です)、「メスって何語か知ってるよね?」って聞いたら、5年生と6年生あわせて10人いたんですが、誰も答えられず。
「ドイツ語ですか?」と言う始末。
「君たち、蘭学事始を知らないの?」と聞いたけど、ポカーンとしている。

じゃあ、「コップは?」「ランドセルは?」。
これらもオランダ語なんです。
平賀源内の「エレキテル」もオランダ語。「ガラス」「ガス」「カンテラ」「コルク」「オルゴール」もオランダ語。
ついでに、「ビール」「コーヒー」「シロップ」「ポン酢」もオランダ語なんです。
「あいつは「法螺吹き」とのレッテルを貼られた」の「レッテル」もletterのオランダ語。
我々の日常にもたくさんオランダ語は残っています。
あと、例えば、Europe。これ英語では「ユーロゥプ」、ドイツ語では「オイォローパ」と発音しますが、私たち日本人は、「ヨーロッパ」と言いますね。これもオランダ語なんです。

こういうの知っているのは、「オタク」なんでしょうか?私は「教養」と思うし、医者や医学生が「メス」の由来を知っているのは「常識」だと思うのですが。
外国語に弱い大学生が多くいるのですが(もちろん、得意な人もいますけど)、困ったものです。
今日も、助教授回診のとき、ある患者さんの前でMRIを学生に見せて、「(患者さんの前だから)technical termで話しなさいよ」と言ったら、みんな「????」という顔をしました。
「英語またはドイツ語で語れ、ということ。ラテン語でもいいよ。」と言ったら、「あ〜」という顔をしたのに!
「この所見は?」とMRIを見せて言わせると
「グリオブラストーマまたは転移性脳腫瘍、、、」「または、脳膿瘍」と日本語で答えました!
患者さんの前だから日本語使うな!って言ったのに。
Technical termを使えというのはそういう意味なのに。
とほほです。

そういえば、先日、山形に来たドイツで初の脳外科医の女性の教授(単なる教授ではなく、その科を仕切る本当の主任教授です)が、学生を連れて回診する時はラテン語を使う、英語やドイツ語では患者に解ってしまうので、ところが最近の学生はラテン語のできない子が多い、と何だか似たような嘆きを語っていました。

最後におまけ。
金平糖は何語でしょうか?
スペルはconfeito。
英語ではconfectionと同じ語源だと思いますが。
お菓子、とか、キャンディという意味です。これはポルトガル語です。

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2007.04.19

櫻、定点観測5(4/19)

さて、3日ぶりの「定点観測」です。
Sakura417まずは4/17(火)の桜。
このところお天気が優れず、朝方寒くて震えるような日でした。コートを着てお出かけです。桜もせっかく開いた後に、寒くて身を縮めているかのようでした。

Sakura4184/18(水)の櫻。
少し陽が射したので、手間の木はほぼ満開状態。向こうの木は、まだ部分的に満開から5分咲きが混じっているようです。夕方冷たい雨が降って、少し花びらが散りました。

Sakura4194/19、今日の櫻。
日中少し晴れたのですが、午後、つまり太陽が向こう側に回ってから写真を撮ったので、私の安いデジカメでは調整が難しく、空が明るいため桜達が少し暗めになっています。
木の下に駐車してある車には、散った桜の花びらが降り掛かり始めています。

天童市にある舞鶴山は『人間将棋』で有名なところ。
毎年、桜にあわせて人間将棋は行われ、例年ならば連休かその直前なのですが、今年は暖冬の影響を考えてか、今週末、4/21,22に行われるようです。しかし、櫻はまだ早く見頃は迎えていないように見えます。
飛行機で山形を訪れる人は、山形空港着陸直前に天童市の上空を飛ぶため、この舞鶴山が眼下によく見えます。櫻が満開の時は、山全体がピンク色に変わっています。
今日は、午前中に天童市内のある病院の外来応援に行きました。
すると私には珍しく、外来患者さんから「お褒め」の投書があったそうです。
書くのは恥ずかしいのですが、「尊敬できるお医者様。ありがとうございました。主人も感謝しております。」と、患者さんの奥さんからのようでした。
まあ、「酷い医者だ!辞めさせろ!」とまで投書された事もある私ですから、喜んでばかりはいられませんけど、正直に嬉しかったです。
ありがとうございました>その患者さんと奥さん

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2007.04.18

エキストラ

映画の撮影にはよく「エキストラ」が使われる。
ずっと前にブログに書いたように、昭和55年だったろうか、日比谷公会堂で行われた映画にエキストラ出演した事がある。大都会パート3などで有名な映画監督村川透が、故松田優作主演で『野獣死すべし』という映画を撮った際に、日比谷公会堂にコンサートを聴きに来たという1シーン。ちゃんとプロオケでピアニストに花房晴美さん、指揮は村川透監督の実兄で山響創設者、現山響創立名誉指揮者の村川千秋氏だった。
完成した映画に私は映っていなかったけれど。。。(トホホ)

今春、庄内は映画ラッシュのようである。
これまでも藤沢周平作品のロケがあった(『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』『蝉しぐれ』『武士の一分』)。

映画撮影予定(興味のある方は次をご覧ください)
http://www.s-eigamura.jp/fan/boshu/index.html
http://www.sakata-kankou.gr.jp/
映画「山桜」 篠原哲雄監督作品、2007年4月撮影開始予定
映画「おくりびと」 滝田洋二郎監督作品、2007年4月撮影開始予定
映画「ICHI」(女版座頭市物語)曽利文彦監督作品、2007年春 撮影開始予定
他、年内撮影予定作品2本。
とのことです。
3月末には、「マッチ」が主演するTVドラマの収録も酒田市内で行われたそうです。


そう、それでエキストラのこと。
元シブガキ隊モックンこと本木雅弘主演の映画「おくりびと」の撮影が、酒田市民会館で5月の連休中に行われます。
もっくんの所属する東京のプロオケが運営困難となって解散することになり、最後の演奏会を終えて、生まれ故郷の酒田に戻り、亡くなった方をお棺にいれる「納棺士」という仕事について頑張るというストーリー。
そのオケの最後の演奏会を、我が山形交響楽団が音楽監督飯森範親の指揮で、ベートーベンの『第九』をやるそうです。その会場の聴衆のエキストラを400人募集しています。
  日時:2007年5月3日 PM1時頃から8時頃まで
  場所:酒田市「希望ホール」
  男女計400名程度(小学生低学年以上)

更に、凄い事に、演奏を終えた楽団員が控え室に集まり、「これでお別れだ」と解散を告げるシーンを、我が酒田フィルの団員がエキストラで5/4に半日以上かけて同じ希望ホールの控え室(小ホール)で行うことになりました。プロである山響団員を2日も続けて拘束できないであろうこととと、アマオケでも黒い服着て楽器持ってれば楽団員に見えるだろう、という目論見なのだと思います。
私はちょっと心配なんです。
なぜなら、山響の男性団員は、燕尾服が普通。アマオケで燕尾服持っているのは指揮者くらい。私もタキシードしかありません。正装の場合、白蝶ネクタイが普通で山響さんはいつも「白蝶」。アマオケは「黒蝶」が普通。
そしてなによりも、いくらオケをやっててもプロとアマでは、面構えも違うし所作というか身のこなしが違うような気がするのです。
大丈夫かな〜?
(心配しなくても、ほとんどカットされて、多分、数秒ちらっと映る程度だと思うのですが)

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2007.04.17

竹松舞さんと山響

平成19年4月14日(土)は山響第180回定期演奏会であった。
Photo_9今回は、指揮者に山響名誉指揮者(2001〜2004年中途まで常任指揮者)の黒岩英臣氏、ソリストにハープ奏者竹松舞さんを迎え、「珠玉のフランス音楽の玉手箱」という気の利いた副題のついた演奏会であった。
左の地元新聞記事のように、カラー写真入りで紹介された。
ラヴェルの「クープランの墓」に続いて、ピエルネの「ハープ小協奏曲」が前半の演目。
後半は、ラヴェルの「マ・メール・ロワ」とドビュッシーの「おもちゃ箱〜子供のためのバレエ音楽」という組み合わせ。これだけの、フランスのほぼ同時代の作曲家の作品を並べる意欲的な演奏会はそう多くない。
映像的、舞踏劇的な音楽の面白さを感じて楽しかった。
Maigpゲネプロ見学をこっそりさせて頂いた(山響FCとしての特典です)。
県民会館も、お客さんがほぼ0の状態で、真ん中やや後ろの方で聴く分には、十分な音響でそれぞれの楽器の音像の定位も分解能も悪くなかった。GPでの竹松さんは、ジーンズにシャツ(Tシャツではないがそれに近いラフな感じ)という出立ちで、山響や黒岩先生を相手に堂々としていた。彼女は、上記新聞記事にも書いてある通り、この春、医学部を卒業し、医師国家試験をクリアして、医師になったばかりの俊秀でもある。
我田引水的であるが、医学部の6年間の勉強は柔ではない。特に、昨今、国家試験も難しくなった上に、国試合格率を大学も世間も気にするご時世では、学内の進級試験も厳しく、私立大学などでは大量の留年生を出す場合もあると聞く。
そして、国試も難関である。
私が受験した頃は、1日半で問題総数も250問くらいだったように記憶している。それでも大変だった。
今は、丸々3日間で全500問の問題を解かなければならない。
原則的には、60%できれば合格なのだが、中には通称「禁忌問題」と呼ばれる関門が設けてある。
比較的、容易で、常識的な内容を問われる「禁忌肢」は、80%できなければ、他がどんなにできていても不合格とされてしまう、受験者にとっては胃潰瘍ができるような嫌な設問である。
たとえば、
「発熱して受診した幼児を診察する場合、一番最後にすべき手技は次のうちどれか。
a)体温、b)心音聴取、c)呼吸音聴取、d)咽頭診察、e)眼球結膜診察」
というような問題である。
この選択肢ならば、正解は(おそらく)d)の咽頭診察。
理由は、幼児の場合、診察で泣かせてしまうとその後の診察がスムーズに行かないので、喉の奥を観るために顔を押さえ舌圧子で舌を押さえつけて覗くような手技は最後の方にすべきということ。
この手の問題を2割以上間違えると、即「退場!」なのである。

彼女は、一時期形成外科志望と聞いていたが、その後、心臓外科や脳外科にも大変興味がある、更に救命救急にも惹かれるそうである。GP後に、運良くちょっとだけお話をさせて頂く機会を得た。お父上が東北大学の皮膚科で研究されていた関係で仙台生まれで、私がかつて居住した地区の小学校に行っていた彼女に、そんな事や、卒後の研修先のことなどをお聞きした。
日本の医師は、卒後初期臨床研修必修化といって、医師になって最初の2年間は将来進む科に関わらず(まだ決めなくてもいいし、決めていても変えられる)、幅広い臨床の知識と経験を身につける期間が義務づけられている。その後、後期研修を経て、専門臨床科を極めて行くことになる。
今回はこの制度の問題点については(多々あるのであるが)触れない。
彼女は、某病院での研修を選択し、米国式のインターン制度から入って行くことになったようである。

Mai1演奏会終了後、指揮者とソリストを囲んで行われる定例の「交流会」において、竹松さんに卒後の進路について質問をしていたが、ご本人の口から「いろいろやりたい事があり、外科系と思っているが救急にも興味があって、、、」と発言があった。
演奏時には、まるでバレリーナを思わせるようなしなやかな手の動きでハープを奏でていたが、舞台袖に引っ込んだり拍手に応えて出て来る際には、真っ白なウェッディングドレスのような服装なのだが、「サッサッ」と言う感じで早く歩いていた。
普通の速度の歩き方ではあるが、コンサートのしかも女性ソリストにしては、全く持って勿体をつけないアッサリしたとも言える程の迅速な歩き方であった。外科系を志望している彼女らしい、と思ってみていた。

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2007.04.16

「ラ・ボエーム」

オペラ、にわか勉強中です。
Photo_8来年3月16日(日)、酒田市民会館「希望ホール」で公演する、プッチーニの代表作の一つ『ラ・ボエーム』の勉強(?)を始めた所です。
私は、まだフルートなのかピッコロなのか、パートも決まっていませんが、歌劇なので「歌」を知るところからスタートです。
写真は、左が歌付きオケスコアで、400ページ以上、値段も7200円と凄いものです。
右上は、対訳ライブラリーで、イタリア語の歌詞とその和訳および話の筋や展開が解説された本です。
右下は、1977年、NYのメトロポリタン歌劇場での公演をテレビ放送したもののDVDです。
「ミミ」はレナータ・スコット、「ロドルフォ」はルチアーノ・パヴァロッティのものです。
出番はちょこっとですが、「ベノア」役の演技も素晴らしかった!
これを観てしまうと、先日NHKで放送された藤原歌劇団の「ラ・ボエーム」が、(それはそれなりに素晴らしい演出、演技、歌唱だったのですが)劣って見えるのは否めません。本当に申し訳ないけれど、シンプルに「敵わない」と思います。まあ、病気で死んでしまうミミやストーブにくべる薪も無いような生活のロドルフォが、「あなたたち、メタボリでしょ?」というようなオペラ歌手特有の体格なのですけど。。。
歌手の、歌唱力といいますか、声の質、響き、通り、すべてが素晴らしい。大きな声で歌い上げるシーンでも、これ以上ないと力を振り絞って歌うのではなく、「まだ余力がある」と感じさせるものです。
パヴァロッティの全盛期と言ってもさしつかえない頃で、その後「世界3大テノール」と持ち上げられてテレビによく顔を出すようになる前の、生声の素晴らしさ。まさに「神に祝福された声」です。私は、イタリア語の意味が解らないのに、声だけでジワっと来てしまいました。
そう、音楽や歌声そのものが持つ「人を感動させる力」があるのですから、言語がわからなくても「オペラ好き!」と言って熱狂する人がいるという事実は受け入れる事ができます。しかし、歌劇はあくまで歌が中心で、歌詞の意味も解らず、または良く理解しようともせず「オペラ、オペラ」と騒ぐ人の気持ちは、私は本当はわかりません。
イタリア語のオペラはイタリア語を、ドイツ語のジンクシュピィールやオペラはドイツ語を学ぶ必要は絶対あります。
(このあたりについては、昔から思っていた事ですが、米国や英国のロックバンドに狂っている若者を中心とする日本人で、「英語がからっきし駄目」と言う人がたくさんいる事は驚きなのです)

「ラ・ボエーム」の粗筋は解っていても、「冷たい手を」や「私の名はミミ」の歌っている内容を知っていても、イタリア語の持つ音韻や特徴と言葉の使い方まで知らなければ、本当にオペラを理解している事にはならないと思います。そうならなければ、「歌伴」であるオケで演奏するのは難しいし、歌に音楽を付ける意味が乏しいと思います。
「のだめ、、、」ブームで、クラシック音楽の門戸が開かれ、これまで興味のなかった人が興味を持つようになった事はいいことなのですが、ただカッコいいとか凄いとか感動した、ではなく、音楽の持つ意味とかアンサンブルにおける楽器の会話とかその時代を反映する音楽の意義などを学ぶ事によって、真の教養として「音楽を知る」事ができると思っています。
「音楽」が教養である必要があるかどうか、楽しければいいんじゃないか、感動すればいいんじゃない、という考えもあるでしょう。音楽が、信仰や生活から遊離して、人の感情や自然や抽象的な事を表現するようになり、必ずしも「教養」である必要性がなくなっています。音楽をどう捉えるかは人それぞれなのですが、5月にウィーンで聴く事ができる、アーノンクールの著書を最近読んでいるもので、どうもこんな考えになっているようです。

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櫻、定点観測4(4/16)

土日の間、少しは開花が進みましたが、まだまだの櫻です。
Sakura415昨日の櫻。
今朝なんか、まだコートを着て出かけるような肌寒さですが、花は8分から満開になってきました。
Sakura416_1今日の櫻。
山形の標準木の観察としては「3分咲き」となっています。
霞城公園などの櫻は、今週末が見頃を迎えると思われます。

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2007.04.13

櫻、定点観測3(4/13)

一昨日、昨日とTokioで学会でした。
なので、櫻観察日記は一日空いてしまいました。
Sakura413今日はこんな感じです。
朝方、冷たい雨が降っていたのですが、手術を終えて戻ってくると曇りながら少し暖かくなっていました。
そういえば、昨日の地元新聞で「酒田で桜開花宣言」と出ていましたが、「あれ?山形はまだだっけ」と不思議に思いました。医学部の桜はこんなに咲いているのですが、「標本木」と言われる桜の開花がなければ地元気象台として「開花宣言」は出さないのですね。
山形県では、海に面する酒田が大抵一番早く開花宣言を出します。
当地の開花宣言はまだでした。でも今週末から来週にかけてが見頃でしょうね。

コメントへのレスにも書いたのですが、銀座はやはり大好きです。
真の都会らしさを感じさせてくれます。
人が一杯とか、車が一杯とか、お店が一杯とか、そんなことではなくて、人、客に対する接遇が洗練されています。そのお店に行って高いお金を払った「甲斐がある」と思わせるお店が多いのです。
その一つが、「山野楽器」であり、「資生堂パーラー」です。
気持ちよく買い物ができ、金を払っていい気分にさせてくれる店です。また買いに行きたくなります。
お料理も美味しいけれど、何よりも給仕の無駄のない、小気味いい動きと応対に気分よく食事ができます。
また食べに行きたくなります。
これが「都会」なんだと思います。

私は、都会は苦手です。悪い意味での都会です。
満員電車、渋滞、人混み、すべて嫌い。
田舎が好きです。でも田舎は、人間がやはり田舎の人が多い。田舎は田舎なんだから、銀座のような都会を求めても詮無き事はわかっていますが、「なんでこんなに田舎なんだろう」って思うこともあります。
田舎が好きで、素朴な人が好きなんですが、いわゆる「田舎根性丸出し」というか、卑屈で妬みっぽく無口ながら実は悪意を持っているような人の事です。とても稀ではありますが、人口比にすると目立ちます。
都会にだってそんな人はいるよ、と仰るかもしれませんが、都会は人が多いので会わない確率の方が高く、あっても無視していれば困りません。
田舎は人が少ないので、会わない訳に行かず、無視する訳にも行かなかったりします。
ちゃんと対応しないと、ほんのわずかなそういう人のために自分の人生を狂わされる恐れもあります。
それだけが田舎に住む上で気にかかる事です。
あとは、田舎万歳!です。

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2007.04.11

櫻、定点観測2(4/11)

かなりポカポカ陽気になってきました。
今日はこれから出張です。東京で学会で、明日の朝に発表があります。
なので、明日朝出発では間に合わないので、学会場のホテルにお泊まり。
せっかくなので、山○楽器に行って、来年3月に演奏する予定のフルオペラ、『ラ・ボエーム』の歌付きオケ用スコアを買い求め、銀座の資○堂パー○ーで「ハヤシライス」でも食べようかな、と考えています。
メトロポリタン歌劇場のDVDを購入し、音楽之友社の「対訳ライブラリー」も買っていますが、このスコアも求めると、オペラの勉強のために既に10000円以上投資することになります。
でも、楽しい投資です。

さて、今日の職場の櫻達。
Sakura411陽射しが強いと、向かい側にある看護学科の建物が暗く写りますので調整が必要です。
空が青いですね。
櫻の木々の向こう側の緑や風景が徐々に見えにくくなっています。
それだけ蕾が膨らみ、花が開いているようですね。

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2007.04.10

櫻、定点観測(4/10)

東北にも遅い春がやってきました!
一昨日まで蕾だった桜もようやく開花です。

昨日、仕事場の前にある櫻の木々を撮りました。
Sakura409
私が写真を撮っている建物に近い木の方が、陽の光の照り返しがあるためか先に開花を始めました。隣の木はまだ蕾です。


本日の櫻達。
Sakura410
一日でこんなに違います。朝と午後ではまた一段と開き具合が変わっており、蕾→開き始め→3分咲き、一部7、8分咲きになっています。
さあ、明日はどうでしょう?

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2007.04.06

「オーケストラの日」

3月31日は、「みみにいちばん」ということで、日本オーケストラ連盟が『オーケストラの日』と制定して、様々な行事が全国的に行われました。オケによっては、3/31にこだわらず、各々の組織やホールの都合などで別の日にやったところもあるようですが、(社)日本オーケストラ連盟に所属する全国24のプロオケのうち、14団体は3/31にイベントを行いました。
http://www.orchestra.or.jp/orchestra_day/
我が、「山響」こと、山形交響楽団も3/31に山形県民会館でイベントを開催したので行って参りました。
これはすべて「無料」だったのですが、入場整理券が必要でしたので、かな〜り前から応募していて、夫婦そろって当たったので喜んで参りました。
イベントは3部構成になっていました。

まず、第1部(10:30〜12:00)は「ゲネプロ見学」。
Genepuro1会場の山形県民会館には、普段と違って「この日がオーケストラ初体験」という親子連れもたくさん見られました。写真は、ゲネプロ開始直前、ステージ上でリラックスしながら準備している山響団員です。子供達が多いのがわかるでしょう?
この日の第3部のコンサートでやる演目の通し稽古ですが、指揮の飯森範親さんは、わざわざピンマイクを付けてゲネプロの事を説明した後、いつものように総仕上げの練習です。
飯森さんからいろいろな指示が飛ぶのがマイクを通して全部聞けます。
「ここはノンビブラート!」
「もっと落として!」
「もっと弓を使って!」
などなど。
途中、飯森さん、むせてしまって、その咳まで十分聞こえたのはご愛嬌。団員も苦笑していました。
ピアノコンチェルトのソリスト、石井理恵さんも登場し、Pコンの合わせ。
今更、あまり細かい事は打ち合わせしません。
ベートーベンの交響曲第7番の時は、飯森さんも「昨年、某番組で有名になった『べと7(しち)』です」などと解説。指揮者挑戦コーナーでやる部分の打ち合わせまでしてました。

第2部(13:00〜14:40)は、「ワークショップ」。
楽器体験コーナー、クイズラリーと団員によるホワイエでのミニコンサートです。
ヴァイオリンから打楽器まで、ハープとピアノやチェレスタを除くオケの楽器が、県民会館尾地下、2階と3階フロアにほとんど準備され、すべてのコーナーに団員がついて楽器を弾かせてくれるのです。
Fagotto私は、まだ吹いた事のなかったファゴットに挑戦。ファゴットのリードは、オーボエに比べると幅広くてくわえやすく、家にある日本古来の楽器「篳篥(ひちりき)」のリードに似ていました。ので、音は簡単に出せました。力もいりません。
ただ、楽器を首からつり下げるバンドの長さ調節でバランスが取りにくかったのと、キーがフルートに比べると広い幅に配置され(楽器自体が大きいのですから当たり前)、なかなか指の位置が飲み込めませんでした。でも、ドレミの指を教えてもらい、なんとか一オクターブの音階を吹いて周りから拍手をもらって喜んでいました。
ファゴットの鷲尾さん、高橋さんありがとうございました。
鷲尾さんには、組曲『カルメン』から「アルカラの龍騎兵」の触りを吹いて頂き、ありがとうございました!
私の名前からすれば(は?)、オーボエを吹かなきゃ駄目なんですが、オーボエはファゴットより息がきつかったです。
金管ではホルンの前に行きました。小、中の子供達が結構軽々吹きこなしているのをみて、「すごい、すごい」と騒いでしました。八木さんには、金管十重奏の直前なのに、1月に感動したブルックナーの4番のホルンの出だしをおねだりしてしまい、間近で聴く美しいホルンの音色にうっとりさせて頂きました。

その他のコーナーもクイズに答えながら全部周り(例えば、クラリネットの管の材質は次のうちどれですか?1)さくらの木、2)グラナディラ、3)炭、とかそんな感じです。ちゃんと覚えていないので、ここに書いたのはあくまで「たとえば」です)、地下の弦楽器、打楽器コーナーでも遊ばせて頂きました。

驚いたのは、地下の一室に「指揮者の部屋」というのが急遽作られていて、飯森さんがず〜っとその部屋におられた事です。小学校5年生のお年玉で初めて買ったというストラビンスキー『春の祭典』のスコアがテーブルの上に置いてあって手に取ってみせて頂く事ができました。小学生の飯森さんが、鉛筆で拍やイタリア語(だったかな?)の音楽標記の対訳を書き込んでいるその文字を見て微笑ましい気分になりました。その他に、オペラ『さまよえるオランダ人』のスコアも見せて頂きましたし、何かのイベントの時にフィギュア作家が作ったという、「飯森範親フィギュア」(高さ約30cm)が飾ってありましたし、飯森さんが実際に使われている指揮棒も触らせてもらえました。
飯森さんは、前日新潟でコンサートをやり、時間の都合で自分の運転で山形までやって来て、朝の第1部から元気に参加し、おそらく昼食時間もそこそこに「指揮者の部屋」にずっといて、入れ替わり入ってくる人たちに声をかけ、質問に答え、記念写真に納まっていました。その間、ずっと立っておられ、いくら毎日走って体を鍛えているとは言え、いくらまだ40台前半だとはいえ、なんと強靭な肉体と精神をお持ちなのか!と感動すら覚えました。
この日に合わせて、ウサギ君達がオケの楽器を演奏している絵の描かれた帯を締めて和装で望んだ家内は、飯森さんに「お!和服ですね〜」と褒められ、一緒に写真に納まりました(写真はお出しできませ〜ん!)。

この第2部は本当に盛りだくさんで、弦楽四重奏、木管五重奏、金管十重奏、打楽器パートのボディパーカッションを含むミニ・コンサートが1階のロビー行われました。
Sqy写真のカルテットなんて、マニア垂涎ものです。
第1バイオリンに特別首席客演コンサートマスターの高木和弘氏(4月から東京交響楽団のコンサートマスターでもある)、第2バイオリンにコンサートマスター(ミストレス)の犬伏亜里さん、ビオラに首席の成田寛氏(新日本フィルなどの客演首席も務め、私の中学の同級生(以前のブログに書いた)若松夏美さんと同じバッハ・コレギウム・ジャパンなどでも活躍)、チェロに山形弦楽四重奏団でも活躍中の茂木明人氏という組み合わせです。おそらく、ここ山形でしかあり得ないメンバーです。

さて、第3部(15:00〜16:30)は、「コンサート」。
この日の演目は、
1)ドヴォルジャーク スラブ舞曲第1番
2)ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番第1楽章のみ
3)ベートーベン 交響曲第7番
飯森さんが「昨年、人気を呼んだ某番組」と言ったのは、いわずと知れた『のだめカンタービレ』ですね。
通称、「のだめ」です。
聞くところによると、「のだめ」の主人公の一人である指揮者を目指す千秋真一のモデルは飯森さんらしいですね。昔は、怖くて飛行機に乗れなかったそうですし。。。

演奏はすべて素晴らしい!飯森さんも団員も朝からのイベント続きでお疲れのはずなのに、元気はつらつな演奏でした。Pコンでは、昨年の日本音楽コンクール本選入賞で「聴衆賞」を獲られた、山形市出身の石井理恵さん。若々しい、でも重みのある好演でした。
「べと7」これは秀逸。まあ、元々名曲ですし、ほんとにクラシックの曲とは思えないほど、ノリノリになるリズミカルな曲です。私の所属するアマオケで、3年前の秋にやりました。

ピアノ協奏曲が大拍手で終わったあと、ピアノを「かたす」(片付ける、の山形弁らしい)間に、MCの女性と飯森さんの二人で、「指揮者体験コーナー」が始まりました。会場で、指揮をしたい方手を挙げて、と言ったところ、なんともの凄い数の手が挙がりました。子供達が、「はい!ハイッ、ハイ!!!」という感じで多かったので、その直前までは「俺も指揮、やってみたいな〜」と思っていた私は、手を挙げるのを諦めました。
そして、小学生くらいの男の子一人、女の子一人、そして地元の音楽家のある女子高生一人が選ばれました。
「ベト7」第1楽章の、初っ端からでは長いし難しいので、Tuttiで盛り上がる部分、約10数小節だけでしたが、楽団員の方は、3人の指揮に合わせて「真剣に」演奏されていました。
指揮を体験した人たちにとっても、それを見ていた子供達も一生の記憶に残るような貴重な経験だったでしょう。

「ベト7」の第4楽章では、一番前に座っていた、おそらく小学生の男の子が乗りに乗っちゃって、プログラムを指揮に合わせて振り始めてしまい、係のお兄さん(おじさん?)が飛んで来てやめさせるくらいでした。クラシックの演奏会では普通あり得ない事で、楽団にとっても観客にとっても目障りであった事は事実です。しかし、本当は、止めさせずにプログラムを振り続けて欲しかったなぁ〜、と思います。だって、その子は邪魔したくてやった訳ではなく、山響の音楽を聴いていたら自然にそうなったんですね。楽しかったんだと思います。心がうきうきしたんだと思います。
止めさせられた事で音楽が、クラシックが嫌いにならなきゃいいね、と帰り際、家内と話しながら帰ってきましたよ。
コンサートの写真はさすがにありません。
本当に充実した楽しい一日でした。
山響の団員は、朝からず〜っと休みなく、イベントを企画運営実行し、音楽監督の飯森さんも一日中ファンのために動き、最後はロビー正面でサイン会までやっておられました。
ありがとう、山響!

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2007.04.05

ブログの行方

新年度が始まりました。
春は別れと出会いの季節です。
私にも、新たな別れと出会いがあるわけです。
あと3週間ちょっとで大学病院を辞します。

自由な立場でブログが書けるようになるかも、と言う期待とともに、マンネリを打破したいという気持ちで「新たなブログ」などを立ち上げることになるかもしれません。
その準備ではないのですが、庄内や山形の観光とかグルメとかにも触れて行きたいと考えて、4/2と4/3の記事を追加しました。
Ohinasama1写真は、古代雛には及びませんが、家内が作ってくれた家の「お雛様」です。
食べちゃうのは可哀想でした。

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2007.04.03

お雛様

「桃の節句」は3月3日で、とっくに過ぎ去っているのですが、旧暦では3月末から4月中旬くらいになります。
桃の花が咲く季節でなければ、本来は合わないものです。

山形県内には、昔の「西廻り航路」で京都をはじめとする西の諸国(昔は日本の中心地)と交易をした名残が各地にありますが、その代表的なものが旧家に代々伝わる古いお雛様達です。
『雛の路』という企画が県内のあちこちで開かれています。

先日、行ったのはその一つで、天童市にある「郡役所資料館」。
Kokinbina_1Kyohobina_1古今雛や享保雛といった由緒正しき保存状態の素晴らしい古いお雛様が展示されていました。
天童は将棋の駒で有名ですね。全国の将棋の駒の生産量の95%が天童で作られているそうです。
ここは「天童織田藩」といって、あの織田信長の次男の末裔が納めていた土地柄です(ちなみに、スケートで有名な織田信成選手は織田信長の6男の末裔だそうです)。

天童には、「出羽櫻」という酒造メーカーがあります。日本酒通には有名な蔵です。
旧郡役所は、「人間将棋」で有名な舞鶴山の西側麓にありますが、そこから徒歩圏内に「出羽櫻酒造」もあります。その出羽櫻の吟醸酒だけを使って、水を一滴も使わないで作るということで有名なお饅頭屋さんである、『腰掛庵』に両親も伴って行ってきました。
今や有名になって、東京の高島屋でも売っている『醸まん』を始め、美味しそうな和菓子ばかり。
お店の中で注文して、抹茶や番茶とともに頂けます。
Kosikakean写真は、「わらび餅」、「ゆず醸まん」と季節限定「イチゴ醸まん」です。
アンコのかわりに、イチゴが丸々一個入ったもので絶品です。隣の席にいた若い女性達は、運ばれて来た瞬間に歓声をあげていました。

この後、上山の「在」にある『原口そば屋』に行ってきました。
Haraguchiメニューは「そば」と「そばかき」しかありません。私は、写真の「大盛り」をぺろり。そばがきは「ごま」(写真の左側にある小さな器に黒ごまを擂った胡麻ダレが入っていて、そばがきは箸でちぎってこれをつけて食べる訳です。「納豆」もありますが、「ごま」はおやつ感覚で食べられます。箸休めは当然「青菜(せいさい)漬け」です。
しかしここ、初めて行く方は何所にあるのかお店を探すにも苦労される事でしょう。


更に、先日は用事があったので、酒田にも行ってきました。
「西廻り航路」の起点となった街で、あの『おしん』の舞台にもなった「山居倉庫」をはじめとする貿易の名残が今も色濃く残っています。井原西鶴の「日本永代蔵」に登場する『鐙屋』は、昭和51年の酒田大火にもめげずに残っていますし、「本間様には及びもせねど、、、」の本間家旧邸などにもお雛様は飾られます。
今回は、「山王倶楽部」という建物に飾られている『傘福』を見に行きました。
Kasafukuご存じない方にはどのように説明すればいいのでしょうか。
大きな傘の下に、福を呼ぶとされる縁起物がぶら下げてある飾りです。「桃の節句」に合わせて、これを飾るのは、日本全国でも福岡県の「柳川さげもん」と静岡県の「伊豆稲取雛のつるし飾り」の3カ所で、三大つるし飾りと称されています。
元々は、18世紀の中頃に始まったらしいのですが、最近大きなものを作成して全国テレビ中継され、にわかに有名になったようでした。結構な人出で驚きました。

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2007.04.02

フルート四重奏

2月の事です。
医学部のキャンパス内に昨年竣工した「同窓会館」の、同窓会員へのお披露目式を同窓会主催で行いました。
同窓会役員にもなっている私も、準備の会議に出席し、その中で医学部室内合奏団の学生さんに演奏して盛り上げてもらおう、という企画が出ました。

Flq210これ幸いと、自分も出しゃばる事にして、モーツァルトのフルート四重奏曲ニ長調K.285の第1楽章だけ演奏しました。練習準備の時間も少なく、Vn., Va., Vc.の学生さんと合わせたのも本番数日前の1回と会直前のあわせて2回だけ。
いい加減なもんです。音楽としては問題あり過ぎです。
でも、まあ、楽しみました。
またやりたい、という欲が出ました。
この演奏をお聴きになりたい方は、
http://www.voiceblog.jp/balaine/314448.html
へどうぞ。

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