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2006.03.24

明日は山響!

 来週引っ越しなのでそろそろ本格的にいろいろ片付けをしなくてはならないのだが、明日は楽しみなコンサートがある。
山形交響楽団・第171回定期演奏会
■指揮:飯森範親/管弦楽:山形交響楽団
■出演 フルート:高木綾子 
■曲目J. ハイドン:交響曲第85番変ロ長調Hob.I:85「王妃」
  イベール:フルート協奏曲
  ビゼー:組曲『アルルの女』第1組曲・第2組曲

 今、『王妃』の第2楽章を聴きながら書いている。この第2楽章は、特に、あのマリー・アントワネットと深い関係があるのだが、弦パートを伴奏にフルートがソロを奏でる美しい部分がお気に入りだ。
 更に、2曲目のイベールのフルート協奏曲。今や人気実力ナンバーワンの日本人フルーティスト、このブログでも何回か紹介した高木綾子氏がソリストをつとめる。今からワクワクしてしまう。
 イベールにはちょっとした思い出もある。2年ちょっと前、とある行きつけの楽器店で、イベールのフルート協奏曲の楽譜を見つけた私は、自分で吹く訳でもないのだが、欲しくなって購入した。曲が難しいだけではなく、楽譜の値段もかなり高い。レジの女性が、たまたま大学でフルートを専攻した方で、しかも私の友人である仙台のフルーティストの弟子であった。さらに、山響の首席フルーティストA先生の奥様(この方もフルーティスト)と仲が良く、「先日、うちで『イベール』の楽譜を買った男性がいる」と話題になってしまったらしい。
 後にそのことを指摘された私は、「いや〜、CDを聴きながら楽譜を眺めるために買ったんですよ!自分で吹く訳でもないのにお恥ずかしいですが。」と汗をかきかきいい訳をしたのである。でもこういったことも一つのご縁で、昨年の夏にはA先生主催のフルート夏合宿に参加する事になったのであった。
 そして、3曲目の「アルル」。クラシックにあまり精通されていない方でも御存知の曲が多い。実際は、第1組曲、第2組曲にわかれ、それぞれ4曲ずつの計8曲で構成されているのだが、なかでも第2組曲の3番「メヌエット」はフルート吹きなら誰でも憧れるフルートのソロが中心である。
(よく御存知の方は、決して聴かないで下さい!m(_)m)
balaineの自惚れコンサートから「アルルの女 メヌエット」
 フルートのA先生の美しいソロがホールに響き渡る事であろう。
 そう、明日からの3日間連続同プログラムのコンサートは、3曲とも私の愛するフルートが、敬愛するA先生と高木綾子氏が大活躍する曲ばかりなので嬉しくてたまらない。

 我らがヤマキョー(山響)のこと、イケメン指揮者(こういうくくり方をしては叱られそうだが、人気実力とも若手ナンバーワンの指揮者と言える)マエストロ飯森氏のこと、そして飯森さんの力で山響のコンポーザー・イン・レジデンスになっている人気作曲家千住明氏の事、などを昨年7/22のブログにも書いている。
 飯森氏は、いってみれば都会の人。その方が「一田舎」のオケを率いて、「地方から世界に向けてメッセージを発信する」とまさに八面六臂の大活躍をされている。
http://www.iimori-norichika.com/index2.html
(イイモリノリチカドットコム)

 「山響」に限らず、日本のプロオケ、特に地方オケの環境は厳しいものがある。ココログがメンテナンスで停まっていた時に、私の緊急退避用セカンドブログにこのことを少し書いた。
http://blogs.yahoo.co.jp/balaine710/28070955.html
 要するに、日本の芸術活動には公的資金の補助が少なく、大口私的寄付も寂しいもので、特に有名ではない地方オケなど、地元に根付く大企業も少ないため、企業や私人からの寄付などは極めて少ない。よって、その演奏活動は自己資金(ほとんどがコンサートのチケットの売り上げ)で賄わなくてはならない。団員の給与は低い。でも皆、志は高く心は熱いのである。

 山形交響楽団は、東北初のプロオーケストラとして、34年前、昭和47年(1972年)に誕生した。
http://www.dewa.or.jp/〜yamakyo/index.html
故松田優作主演映画や大都会IIIなどで有名な映画監督、村川 透氏の実の兄である、村川千秋氏(現山形交響楽団創立名誉指揮者)が私財を投じて楽器を買うところから始めた。村川氏は、芸大時代は故山本直純氏、岩城宏之氏とともに「三羽がらす」と言われた事もあったらしいが、「音楽は、オーケストラは、都会だけのものではない。人間の生活に密着してあるべきだ。」という強い信念から故郷の山形(村川兄弟の出身は、村山市)に戻り、何もないところからオーケストラを創るということを始めた凄い人である。お隣仙台市に仙台フィルの前身である宮城交響楽団が設立された1979年には山響の団員の3分の一が抜けるという危機に瀕し、財政難続き、文化庁の助成金見直しで国からの補助が「0」になった年もあったときく。村川氏自身、他のオケにという声もかかったりしたのを断り、「山形で、山形のオーケストラによる、音楽を」とのこだわりの一念をず〜っと通して来られた。
 地方に根付いた音楽活動ということで、小学校などを回る「巡回音楽会」を初期より精力的にこなしてきた。学校に楽器を運ぶのはもちろん、体育館に椅子を並べ譜面台を立て、終わったら片付けるのも全部楽団員自らやってきた(誰もやってくれる人がいないからであるが)。そうした地道な30年以上に渡る活動が、少しずつ世代に渡り地元に定着しつつあるのだと思う。30年前、小学校で「山響」によって初めて生のオーケストラに触れた少年少女は、今や「山響」が「巡回音楽会」にやってくる小学校や中学校の生徒の親である。そうやって、地道に田舎でのクラシック音楽普及を果たしてきた訳であるが、飯森氏はそれを更にステップアップさせ、田舎田舎と卑下するのではなく、都会にはなくて山形にしかないものを音楽とセットにして発信したりしている(その活動の一つが、ファンクラブと一緒に温泉旅行とか楽団員とファンの合同芋煮会など)。更に、山形にある一流、たとえばバレーボールVリーグ覇者の「パイオニア・レッドウィングス」や、J2ではあるがもう少しでJ1へというところまで行っているサッカーの「モンテディオ山形」のサポーター、ファンクラブを横断的に結びつけて、「山響」がモンテディオをサポートし、レッドウィングスが山響を応援する、というような活動をしておられる。

 一クラシックファン、アマオケ愛好家、フルート愛好家として、明日のコンサートはもちろん、これからも「山響」の活動を陰ながら応援し支えて行ければいいな、と考えている。

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コメント

お久しぶりです。
小学生の頃、毎年学校行事の一環で山響のコンサートを聴きに行っていました。
山形の子供達はみんな山響のコンサート行ってたんですよねぇ、毎年。
大人になって考えると、すごく贅沢^^;

投稿: U | 2006.03.24 18:38

>(よく御存知の方は、決して聴かないで下さい!m(_)m)
---
よく御存知ないので聴かせて頂きました。知ってる、知ってる、耳慣れてる。

>イケメン指揮者、人気実力とも若手ナンバーワンの指揮者と言えるマエストロ飯森氏
---
ルックス、是非・是非!拝見したい!

ひげ鯨さんの文章は、いつもアツイです。伝えたい勢い・使命みたいな。で、音楽がテーマの時はプラス・パワーで、プラス・楽しそう。
もしも~、私がぁ母鯨だったらぁ(上戸彩のコマーシャル風で)、
「本当に好きなんやね。病院の仕事もさぞかし忙しく疲れるやろうに。親として、身体だけは大事にして欲しい。でも、いきいきとフルート楽しんでる姿を見るのは嬉しいもんです。幸せそうな顔してますから。」って感じかな。ゴメンナサイ、勝手に母鯨になって。
ではでは、明日は楽しい時間をお過ごし下さい。

投稿: ダブル | 2006.03.24 19:38

Uさん、あれ?どこから現れたんですか?お久しぶりです。
村川千秋さんは、「キラキラ会」という子供のバイオリン教室もやっていて、そこを巣立ってプロになった人達もいますよ。私もちょっと関与してたんです。

ダブルさん、本文、よくお読み下され!飯森氏のHPがあります。山響のHPもあります。どちらにもマエストロの「かっこいい〜!」写真、載ってますよ。
若い女性の黄色い声が聞こえそうに素敵です。
母鯨ねぇ〜。ボストン沖(ケープコッド)で赤ちゃん鯨が船に興味を持って寄って行きたがるのを、船との間に母鯨が入って守っている姿、「つまんないよ〜!」と尻尾をバシャバシャさせた赤ちゃん鯨(体長5mくらいだったか?)をこの目で見ましたよ。感動的でした。
私の本職は実は「鯨研究家」ですから。。。v(^^

投稿: balaine | 2006.03.25 10:17

う~ん、う~ん…2カット拝見しましたが、タイプじゃあないです。でも、実力がおありな方だそうですから、指揮棒振ってる姿を拝見すれば気が変わる!?

「鯨は捨てるところがありません」なって解説付きで、小学校の社会の教科書見開きの図解がありました。洋服ブラシになりますとか、油が取れますとかとか。ああいうページを見るのは楽しかった。ガリバーが捕まった時の見開きのページと同じように。

そっか、研究家さんでした、失礼!鯨を愛する(多分、その生態を研究される)鯨研究家さんには、食する話で申し訳ないけど、鯨は美味しかった!昔はポピュラーな食材でしたね。牛豚の脂身がダメで鶏の皮も気持ち悪かった子供時代、ミンチ以外で食べられた唯一の肉は鯨肉でした。給食のこはく揚げは美味しかったあ。

投稿: ダブル | 2006.03.25 11:43

山響、いいお話ですね。それは知りませんでした。チェロに2人知り合い(同級生と後輩)がいます。山響、まだ聞いた事はありませんが親近感があります。特に後輩のチェロのKWは高校を出た後、ずっとプラハで勉強していましたので、何度も一緒にスタロプラメンでビールをやった仲です。ハートのあるすばらしい奏者ですよ。イベールも楽しみですね。2楽章のしっとり感に期待です。感想お待ちしています。

投稿: kitagawamorio | 2006.03.26 00:55

ダブルさん、私は鯨肉を食するのが好みだったから「研究」を始めたのですよ(何故、獲れなくなったのか?と)。
背美鯨の尾の身の刺身なんて、最上級の黒毛和牛の刺身と馬刺と大間の本マグロの大トロを足して3で割ったような、美味この上ないものでした。

KMさん、コメントありがとうございます。
そうですか、渡○研○郎さんが後輩なんですか?まだ面識はございませんが同じチェロパートには私の長男のチェロの先生がいますので今度機会があったらお話ししてみたいです。
イベールの感想、うん、考えて書いてみますね。(^^

投稿: balaine | 2006.03.27 12:18

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