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2006.02.08

時の流れ

 世の中には、どんなに頑張っても物事が上手く行かない場合もあれば、特に努力もしていないのにトントン拍子に物事が好転して行く事もある。 
先般来、いまだ毎日のようにニュースを賑わせている(と言うか、私に言わせると薄汚れた話で世の中を汚している)話題に、マンションの耐震強度偽装事件(要するに嘘つきと詐欺とも言うべき犯罪とそれに騙された可愛そうな人達の話)、某ホテルチェーンの条例違反(要するにこれも嘘つきと欺瞞の物語)、そしてラ○ブ○ア事件(これは微妙だけどたとえ法的には問題がなかったとしても倫理的には問題ありそう?)がある。
 常々思ってはいたが、自分という人間を振り返ってみると、そんなに偉そうに人の事を後ろ指させる程の人物ではないのであえてこのブログでは触れないできた。でも、大きくとらえると、こういった事件は日本という国に古来根付いていたはずの「儒教的思想」の崩壊を現すほんの一部の出来事であるとも言える。

 儒教思想はとうの昔に崩壊していたのかも知れない。それから派生した精神論や尊王攘夷的思想などが極端な洗脳教育に利用されると(鬼畜米英などの発想を生んだ)「偏執的軍国主義」にまで影響を与えたかも知れず、戦後大きな声で「儒教」「儒教」と叫ぶ人は少なかったように思う。
 儒教は、その生まれ故郷である中国、伝わってきた韓国朝鮮、そして日本という東アジアに根付いた。細かい事はいろいろあろうが、おおまかにいってしまえば「道徳」に等しいと私は思う。五常(仁、義、礼、智、信)という徳を教え広め体得する事により、五倫(父子、君臣、夫婦、長幼、朋友)関係を維持する道を教えるものである。上記の汚らわしいとさえ言える話は、結局、礼とか義とか信の欠如である。長幼の序とか君臣の関係というのは強調しすぎると問題があるが、要するに「信」と「親」の世界であり、西洋化著しい現代日本に於いていまだ大切な事であると考える。
小さな頃から学校で教わり親から教わって、不文律のように日本の隅々に保たれていたと思われるこういった儒教に影響を受けた一般市民の道徳観が、日本を資源が乏しくとも勤勉で国土が狭く人口が多くとも清潔で安全で独自の文化も外来文化もうまく共存させて繁栄する国にしてきたと言える。戦後、ほとんど全国の日本人の目は米国を向いた(向かされた)。ヨーロッパを向いた。アジアを無視したとも言える。同時に儒教思想なども軽視された。米国のAmerican Dream神話や自由主義経済圏ヨーロッパの豊かさ、かっこよさに憧れ、東洋の精神を置き去りにした。年長を敬うのは見かけだけ。実力主義との謳い文句で成り上がり、のし上がり、利益追求、経済至上主義的な発想が多くの国民に浸透してしまった。しかし、欧米が富んでいるのは過去に植民地支配で搾取した文化文明に基づく富が国内外に備蓄されていたり、奴隷制度などで富める者と貧しい者を明らかに「差別」した時代があったからこその今であることに対して、多くの日本人は認識が甘い。米国で成功する人が讃えられ名が売れている一方で、どれだけ多くの人が虐げられ蔑まれ屈辱を受けてきたかは表には出にくい。米国の表面を見習っては行けないのだ。米国に暮らした経験から見て、米国の模倣は危険なのである。(何だか国粋主義者のような発言だなぁ〜)

 私は、上記の3つの事件にかかわっている人達、個人個人がそんなに悪人のようには思えない。だが、道を、徳を忘れてしまい、またはそんな事を考える事すらバカバカしいという風潮の中で生き抜いてきて「悪人」に育て上げられてきた「愚か者」だと思う。本人達にもちろん大きな責任はあるが、国、学校教育、地域社会、親たち、などの「悪人(愚か者)」を育て上げた社会環境の問題を考えないと、今後どんどんこういう人達が出て来るような気がする。米国的経済至上主義、「金持ってる者が偉いんだ」的発想の危険性を社会が考える必要がある。「力があれば成功する」という考えは認めるとしても、「成功」とは一体何なのか、成功した後どう社会貢献するのか、という文化が日本にはまだ十分に育っていないと危惧する。

 悪い事は連鎖して悪い事を呼んでしまうようで、上記以外にも幼児・小児の悲惨な事件も続いている。
 しかし、良い事は良い事を連鎖して呼ぶ、「好回転」も起こるだろう。秋篠宮家に第三子のおめでたが確認されたそうで誠に目出度い。もうすぐトリノオリンピックであるが、国内の暗いニュースが隅に追いやられるような明るいニュースを期待している。
 先般、私はヨーロッパで「これでもか!」という位いい思いをさせてもらった。いい事はいい事を呼ぶ、幸せの連鎖を身を以て体験した。しかし、一般論として何もないところからは何も生まれない。楽しく幸せな時間が持てるだけのことを自分が今までしてきたのだと信じたい。「時の流れ」は神の意志かも知れず、これには逆らっても仕方のない事が多いが、我々医師は、突然倒れたり具合の悪くなる人を何とか「負の連鎖」から救い出し、好転させようと努力しているつもりである。幸い上手く行く事もたくさん経験するが、運悪く悪循環から救い出せない事も少なくない。自分でもよく経験した事であるが、状態が悪くても何か一つ明らかな改善の兆しが見られると次々に状態が好転して行く事がある。人事を尽くし、、、のこころである。
 自分の名前の一部に、儒教の生みの親である孔子の名前が付けられている事も手伝って、かねがね儒教、儒学には少なからず興味を持っていた。仁、義、礼、信、智という五常をこれからも意識して、「時の流れ」に乗って生きて行きたい。暗いニュースと明るいニュースの事を考えていたら、珍しく何だか少しく哲学的な話になってしまった。

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コメント

いいことの連鎖がここにもあるかも(^ー^)

http://www.as-net2.org/usr/img-b/sr3_bbss.cgi?cat=450mumu

ひゃっほー!

投稿: @むーむー | 2006.02.08 16:35

アメリカの自然はスゴイと感動するけど、
別にアメリカ人が作った訳ではありません。
個々の付き合いで見れば心引かれるアメリカ人は数知れないだろうとは思う。
でも、
紙おむつ、紙皿、紙コップ使い放題、捨て放題、
バケツサイズのアイスクリームを食べ、
特大ポテトチップを食べ、
なのに食生活に敏感だとばかり、
サプリメント錠剤を食べると言うほど服用する…なあんて一般家庭はゴロゴロある気がする。
結構、建前と本音の国、って気がするなあ。
どうもアヤシイなあ。

映画だって、ハリウッド映画より、最近は邦画が断然オモシロイ!

なんかね、あっちもこっちも想像力の欠乏って気がしてならない。 
例の二人のよく似たおっさん達もだ。
「あ~あ、なんとまあ、よう考えれば分かりそうなものを」と。
子供達、見てるだろうなあ、きっと見てるね。
TVもね、もっと工夫してよ!って気持ち。
リメイクばっかし、ドラマも、バラエティも。
報道も、なーんか、コピーぽいしなあ。
ヒマヒマおばちゃんはどうしたらいいねん。
イマジネーション・イマジネーション!
おばちゃんのボヤキは止まらない!
でも、
他力本願じゃあカッコ悪いし、さりとて、私は何をすればいいんだろう。

こんな夜は、鍋です!
(ん?どんな夜?)
広島、めちゃめちゃ寒くて…


投稿: ダブル | 2006.02.08 18:49

@むーむーさん、おお!素晴らしい!
そういうことは、あるんです!本当に。Bravo!

ダブルさん、そうです、イマジネーション。想像力。これが欠如している人が多いのが今の世の中。こうしたらこうなる、とかああなりたいからこうしようとか、そういうイメージがふんだんに湧くためにはやはり「右脳」を鍛えなければ行けない。てっとりばやく右脳を鍛えるには、やはり音楽ですよ〜。

(にしても誤字脱字一杯だ、直しとこ、、、コシコシ、、、)

投稿: balaine | 2006.02.08 19:03

「全ての芸術は音楽に憧れる」、
とあるドラマに出てきた台詞です。
音楽大学の教授の台詞。
「あっ、なんのドラマか分かった」な~んて人が居たらすごいんだけど…
まっ、いいか!

音楽との距離は自分が音痴だと自覚した時に、地球1周ぶんぐらい開きました。
「音痴だと英語をしゃべるのも下手」というのを小耳にしたとき、
これまた、英会話へのビビリが出ました。
最悪の流れです。

でも毎日絵を描いてる私を見てた息子は、絵を描くのが好きになりました。
自然に、自分の想いを表現できる色をキャンバスにのせるようになりました。
「絵」では右脳は鍛えられませんか?

投稿: ダブル | 2006.02.09 14:38

ダブルさん、度々!(^^
絵も音楽も、ただ鑑賞するだけよりは自分で描く、自分で弾く、のが大切。
で、おそらく「右脳」を鍛えるという観点からすれば、「絵を描く」の方がより有効ではないかと思います。右脳はイメージの脳とも言われます。図柄、地図、三次元的物体の捉え方なども右脳です。絵を描くというのはとても良い事です。
実は私も絵を描くのは好きです。手術所見の絵なんか、かなり気合い入れて芸術的に描く事もあります。でもプライベートに油絵や水彩画を描くチャンスがありません。興味はあるけど(医者と音楽以外に)そこまで時間がないのです。
脳は一個でもいいから、身体が3つあったらな〜、と思いますね。

投稿: balaine | 2006.02.09 16:23

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