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2006.02.28

なんだかな〜

何だろう、、、
何だかつまらない、、、
何だかおもしろくない、、、

仕事はいつも通りしている。
先週木曜に執刀したクモ膜下出血の患者さん、今日で術後5日であるが、主食は全部、おかずを半分くらい食べている。もちろん意識は清明で運動麻痺など何もない。前脈絡ソウ動脈の循環障害が心配されたが何も起きなかった。これから『脳血管攣縮』の時期であるので、更に要注意ではあるが今のところ非常に順調である。
今日は、三叉神経痛の手術だった。私の上司が執刀で、私は助手だった。
「顕微鏡下血管減圧術」という手術がある。あのDr. Fも得意としている手術である。私はその手術の「生みの親」であるDr. Jの元へ留学していた。Dr. Jの手術を学びに世界中から脳外科医が来ていて、サイン帳みたいなのがあって、Dr. Fも手術を見学しにきていた。
三叉神経痛とは、顔の感覚の神経である「三叉神経」の支配領域である、顔面から一部の頭皮のどこかに激痛が走る病気である。時々「顔面神経痛」という言葉を聞くが、このような病名はない。顔面神経は「運動」神経なので感覚の異常である「痛み」は起きない。痛みが起きるのは「三叉神経」である。
で、本日の症例は、右の上瞼から右側の額が酷く痛む、という症状であった。三叉神経痛は、鼻の小脇の頬から顎、耳たぶの下にかけてズッキ〜ン!と痛む事が多く、額(つまり三叉神経の三本の神経束のうち第1枝支配)だけ痛む事は稀である。非典型的といえる。
術前のMRIで、上小脳動脈という、もっとも一般的な血管が神経を圧迫している事が疑われたが、内側でループして三叉神経の内側、下よりに血管が走行している点が気になる。普通の三叉神経(頬や顎が痛くなる)では、血管が三叉神経の上内側を圧迫している事が多いのだが、この症例では十分にいろんなところを見る必要があった。
開けてみると、案の定、三叉神経の根元の上、内側に血管が食込んでいるが、問題はここではなく、神経の根元の下内側、顔面神経に近いほうである。回り込んできた血管が神経の内側の下の方から神経を圧迫して神経の走行が歪んでいる。ここが「額が痛い」原因だと考えられる。
通常の上内側の減圧をしていた上司に、その下内側の血管を大きく外さなければダメではないかと思う、と私見を述べた。そして、少々大変であったが頑張ってその血管を全周性に神経の根元から浮かす事ができ、神経の走行もまっすぐになった。これで、苦しんでいたあの額の痛みも和らぐと予想する。明日が楽しみだ。
手術は上手く行ったし、自分が執刀した患者さんの状態も良いし、問題はないのであるが、何かモヤモヤしている。移動まであと1ヶ月ない。書類、引っ越しなどなど気の重い事が目の前にたくさんある。一つ一つ片付けるしかない。
にしても、やはりこのブログと音ブログは、今までのペースでは続けられそうもない。
大学病院の勤務医師というのは、一般の人が想像している以上に多忙というか、いろいろな仕事が山の様にあって、一人3役、4役をこなしているのである。「臨床医」としてちゃんと働いていればいい、一般病院の医師がどんなに楽に思えるか。気が重い。。。

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コメント

そうかもしれませんが、まあ大学で働くのも いいこともあるのではないですか。
自分の経験では、
大学では文献とか入手しやすい。
他の分野の知識を入手しやすい。
(農学部とか工学部なんかもあったりすると便利ですね。)
学生さんのお相手も、寝ているばかりとか、いろいろな学生がいて、大変ではあるけれど、これから役に立つようになってくれ、と多少なりとも 意味のある教育ができることもある。
ある意味、責任が分担されるので、少しは気が楽?
などなど。

投稿: suyasuya | 2006.02.28 20:18

お近くならいくらでもお手伝いできますのに…はっ?やっぱり!?そうですよねえ、なんの役にも立ちませんものねえ。
私、<ひげ鯨さんの日々>に立ち寄らせて頂く様になって、随分、日常にハリ頂いてます。
ありがとうございます。
頂くばっかりって感じなので、お役に立ちたいのですが、残念! が~んばれっ!

新しい展開とか変化は好き、それがまだ漠然としてる間は特に好き、どんどんアイデア沸いてハイ状態、ところが具体的準備段階になるとだんだん憂鬱になってくる、ぼーっとする、もうやるっきゃないって所までくる、で、がぜんエンジンがかかる、焦る、燃える、やったーっ、
準備完了!しかし準備段階で自分の中で何かが完結してしまってる。テンション下がって本上映開始。
---マリッジブルーみたい?いえいえ、新しいことの取り組む時の私のパターン。

手術を受けられた患者さん、痛みから解放されたらとっても喜ぶでしょうねえ。
首から上の痛みはしんどいもの。
顔つきも晴れ晴れとするだろうなあ、生活はもっと晴れ晴れするでしょうね。
術後の患者さんの表情が見たくなりました。

投稿: ダブル | 2006.03.01 00:50

お疲れ様です。
いろいろと大変ですね。
「何だかつまらない、、、
何だかおもしろくない、、、」

実は、私も同じようなことを思っていたのでレスさせていただきました。
先日の迷惑書き込みから、なんだか面倒くさくなってしまったのですが、
何だかつまらない、、、
何だかおもしろくない、、、  のです。

オーディオ機器の開発・販売の自営業と某音楽記念館の職員を掛け持ちして、毎日バタバタしながらやっていて、その合間に時間を作って笛を吹くことでリズムがあったのですが、それが少し崩れたせいかもしれません。

気持ちが落ち着いたら、またマイペースで始めます。ひげ鯨さんも、落ち着いたら一緒に吹き競って遊びましょう。

投稿: ♪ふえ♪ | 2006.03.01 11:03

suyasuyaさん、励ましをありがとうございます。でもですね、私の場合、3年前まで約16年間、ず〜っと大学(間に2年間一回、3ヶ月一回の留学を挟んで)にいたんですよ。そんな人がまた「戻る」というのはあまり例のない人事でして。。。
まずは与えられた仕事を地道にやります!

ダブルさん、私環境が変わる事には慣れているのですが、大学病院で働くプレッシャーというのは強いのです。クリエイティブな事は音楽に絞りたいな〜(単なるわがままかも)。

♪ふえ♪さん、あら、こちらも読んで下さっていたんですね。ありがとうございます。
もともと飛び抜けた力と努力があってのことではありますが、荒川選手が金メダルを獲ったのは、順位を意識せず「演技を楽しむ、自分が楽しむ事によってお客さんに楽しんでもらう」ことに集中したからですよね。
レベルの違う話ではありますが、我々アマチュア笛吹きもまずは自分が楽しみましょう!ね。

投稿: balaine | 2006.03.01 11:23

あーーおもしろくない!やだやだやだやだ、、、つまんないの!
そうなんですよ、、、

って自分のところで書くのいやなので、ついでに書かせていただきにきました。(o ̄∇ ̄o)ヘヘッ♪

ブログなんだもの、たかがブログですよ。自分が楽しまなきゃ、、
(これは、私のことです)

投稿: @むーむー | 2006.03.01 15:14

そうですか。
よっぽど大学にいる先生の上司に 先生に戻ってきて欲しいという気持ちがあるのですねえ。
たしかに 精神衛生の面では 本当のところ いいのか悪いのかは わかりませんが、
求められているというのは 少なくとも悪いことではないと思います。
自分は 大学に戻ってきて などと言われなかったものですから。

投稿: suyasuya | 2006.03.01 21:59

3月です!
「るんるん♪暖かくなるなあ、わくわく」の3月じゃあなくて、「3月かあ、あとひと月かあ…」でしょうか。
+αの忙しさとプレッシャーの加重がアップしてるんでしょうか。仕事の領域とマネイジメント域が広がるんだろうなあと、勝手に想像しています。
くれぐれもお身体、気をつけて下さい。

<いい先生が居なくなるので心細いです、淋しいです>サイドと、<嘱望されて戻って来られるみたいよ。楽しみね>サイドなんですね。
私も今月の大学病院の診察は新しいドクターです。今はまだ新しいドクターの情報はゼロですから、私は単純に<楽しみ>サイドです。
「今度の先生、どう言うかな」って。

ひげ鯨さんの3行ため息に乗って、私も素直な想い、言っちゃおう!
腫瘍なんか消えちまえぇーっ、
複視なんか消どっか行けぇーっ、
QOL的にみて経過観察かよぉーっ、
ちゃんと理解しててもヤなものはヤなのっ、
ああ・ホントうっとうしいたらありゃしないぃーっ、とくりゃあ。

もちろん、日々、ちゃんと現状を受容して、折り合いつけて暮らしてます。ハイ、大人(ホント?)ですから。でも時々素直な気持ち吐かないと自分作っちゃいそうで。
ごめんなさい、図々しく軒先借りました。またまた長くなりました。

投稿: ダブル | 2006.03.02 11:42

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