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2006.01.20

『ハンガリー演奏旅行&プラハ、ウィーンの旅』(5)(プラハ初日の夜)

良くこんなに書けるな〜、と友人にも言われた。
帰国後1週間。そろそろ記憶が曖昧になって来ているので、むしろ焦って書いている感がある。ろくに推敲もせず、だ〜〜っと言う感じで書きなぐれば2時間もかからない。

・八日目続き(プラハ初日)
さて、どこまで書いたのだっけ。
そうそう、カレル橋を途中まで渡っていたら、陽が落ちて暗くなり、と〜っても寒くなった。真ん中当たりまで歩いて行って、対岸の王宮がライトアップに浮かび上がる姿やその反対側にルドルフィヌム(芸術家の家)がデンと構える姿をヴィデオに納めたりした(デジカメではもう写らない)。
近くにお土産屋さんなどもあったが、とにかく半端ではない冷え込みなので何かあったかいものを飲もうということになった。既に5時半を過ぎて真っ暗になっていたと思う。7時にロマン(チェコフィル、フルート奏者)とルドルフィヌムで待ち合わせをしている。ホテルに帰ると直ぐ出て来なければならないので、近くでCafeを探す事にした。私の持っているガイドブックに、徒歩圏内にCafe Kafkaという、カフカ縁(ゆかり)のカフェがあると書いてある。
KafkaZucker2
少し迷いながら(6時を回っていた)、探し当てたCafe Kafkaには、見るからに大学生とおぼしき若い人が一杯いた。メニューをみると、日本のような「ブレンド」とか「コーヒー」という文字がなく、なんとNescafeと書いてある。そういえば、Dusanの家でも、コーヒー飲むか?と聞かれてyesと言ったらNescafeをまぜまぜしてくれたな〜。
私は少しでもアルコール分を入れたかったのでIrishを、fagottのT氏は「プラハ」で(!)ウィンナコーヒーを、YS氏とH氏はNescafeを、H氏お嬢はBlack teaを注文した。一番高い私のアイリッシュコーヒーで100コルナ(=400円)だったと記憶している。Nescafeは60コルナ(=240円)。インスタントでこんなに取るのか?!紅茶は、トワイニングのティーバッグで出て来た。物価から見るとちょっと割高感がある。
KafkaZucker1
 後でデュシャンに聞くと、普通の街の喫茶店はみんなこんな感じらしい。いれて時間のたったコーヒーや、出がらしの茶葉で紅茶を出していない事を示すために、ティーバッグで出したりするそうだ。共産圏時代の面影が残っているのかも知れない。コーヒーなどに入れる紙製のバッグのお砂糖の袋にモノクロでカフカの顔が描かれていたので、そのお砂糖をお土産に頂いて来た(写真は、Cafe Kafkaにおいてある砂糖の袋の表と裏)。

 ルドルフィヌムは近いはずだが歩いてどれくらいかかるかわからないので30分ちょっとで店を出た。ブルタヴァ河方向へ歩くとすぐにその威容が見えて来た。正面入り口ではなく、裏のpersonnel entranceに回った。
18:45、約束の時間には早かったがドアを開けて警備員に挨拶すると、「もう今日は終わりだ」という。いえ、チェコフィルのMr. Roman Novotnyとapointmentがある、と伝えるとチェコ語で何か言いながら通路奥のドアが並んでいる方を指差すので、礼を言ってそちらに向かった。ドアにもチェコ語が書かれてあるのでどこなのかわからずウロウロしていると、入り口で見ていた先ほどの警備員がチェコ語で何か言いながら、一つ手前だ、みたいな手振りをするので、「ここか?」と指差したら大きく頷いた。
AWQpractice
「コンコン」ノックしてドアを開けると、また短い通路が会って奥にまたドアがあった。かすかに音が聴こえて来た。
「コンコン」もう一度奥のドアをノックして開けると、ああ、いた〜、アフラートゥス木管五重奏団の懐かしい顔。
我々が入って行ったので、練習を中断して迎えてくれた。練習を中断させてしまった事を詫び、固い握手をし、どうぞ練習を続けてくれ、我々は外で待っている、というと、傍にあった椅子を彼らが並べてくれた。ここで聴いて待っていてくれ、というのだ。
ミュンヘン国際コンクールで一位になった、世界的木管五重奏の練習をわずか3m位の距離で聴けるなんて!
そこは舞台裏というか、『プラハの春』の会場としても有名なドボジャーク・ホールから見ると地下になっていて、練習室なのだ。10分ちょっと、彼らの練習風景を見せてもらった(写真)。時折、中断してはチェコ語で何かdisucussionしている。フルートのロマン(チェコフィル)がやはりリーダー格だ。ファッゴットのオンジェイ(チェコフィル)も木五の中ではベース担当として何か意見を言っている。クラリネットのボイト(プラハ室内楽団)と相談している。テンポの事だろうか。オーボエのヤナ(チェコフィル)は音で「こんな感じ?」と皆の同意を得たようだ。真ん中奥に座る、ホルンのラデック(通称バボちゃん、17才でベルフィルデビューし天才ホルン吹きといわれた、現ベルフィル首席)は微笑みながら皆の会話を聞いているだけ。そして、また同じフレーズを吹いて確認している。
彼らの2006年初のコンサートは、明後日1/10に予定されている。

 練習が終わって、「さあ、ビールだよ!」とロマン。あらためて皆に挨拶し固い握手を交わす。
オンジェイとヤナは昨年(H17年)11月のチェコフィル日本ツアーの際に、T氏、YS氏、それから今回のハンガリー演奏旅行に参加出来なかった我が団のホルン吹き(そうそう、オスカーというHNを使って昨日コメントをくれましたね)KS氏らとは会っている。私は仕事の都合で行けなかった。ロマンはその時、新宿のム○マ○のお仕事で飲み会には参加出来なかったらしい。だから私は、一昨年のチェコフィル日本ツアーの際に、みんなで西麻布の『権○』という、某国首相が某国大統領を連れて行って話題になった店でビールを飲み交わして以来である(参照:balaineの本家サイト、自慢部屋1−12〜14)。
 彼らの車とタクシーに分乗して出かける。ロマンは私に一緒に乗れ、という。
 ずいぶん遠かった記憶がある。ルドルフィヌムから河を渡って王宮よりも西の方へ車を10分位走らせたろうか。
AFQRestMenu(レストランのメニュ−表紙、字が読めるように少し大きくしました)
真っ暗闇の中に真っ白な大きな尖塔が目立つ教会らしいところへついた。ここは建設後1000年位経過したベネディクト派教会だという。ちょうど日曜の夜、何かミサをやっていた。しばし敷地内の歴史的建造物を案内されて、同じ敷地内にある(教会の経営ということ?)居酒屋風のレストランにはいった。
かしこまったレストランではなくてよかった、と皆思った。
「ビールでいい?」とロマンが聞く。もちろんである。
でもロマンはホットワインを飲むという。実は2日前から風邪をひいていてその日が一番具合が悪いのだ、と少し熱のあるような顔でいう。
それじゃあ、家に帰って静かに寝ていなくてはダメじゃないか、というと、明日休みだから、今日は我々と飲んであったかくして寝るから大丈夫だ、というのだ。我々を歓迎するためにきっと無理をしてくれたのだろう。
DuckCuttingRoman
AllTogetherinRestaurant
(鴨を切るロマン。集合写真。)
飲み物は、まずピルゼン・ピヴォ。つまりピルスナー・ビール。南チェコのボヘミア地方ピルゼンでは、アルカリ性の強い軟水が湧き出、ドイツのラガー酵母と出会って偶然生まれたものらしい。アルカリ飲量なので「身体にいいんだ!」と彼らも自分を納得させるように言っていた。旨いし安い。確か、500mlグラス一杯が60クローネ(コルナ)だから、200〜250円。同じPilsner Urquelといえども、樽に入れて蔵に貯蔵されて厳しく管理されているらしく、「そこの蔵の」ビールを飲みに来るのだそうである。だから同じメーカーの同じ名前のビールでも店によって微妙に味が違い、その好みが人によって別れるのだそうだ。
さあ、再会を祝して乾杯!え〜っと、チェコ語では「ナァズダラヴィー」。語感がとてもロシア語に似ている。
我々がハンガリーから来た事を知っている彼らは、「エゲシャゲ」「エゲシェゲ」とも言っていた(エゲシェグングレの省略版か)。料理についてはいつものように最後にまとめて書きます。
外は零下10度近い寒さであるが、中は暖かくビールと料理がおいしく、皆が親切で暖かく、楽しい時間があっという間に過ぎた。
RomanAKiRestr
JanaAkiRestr
RadekHanaAkiRestr


(写真は左から、ロマンと。初めての子供が昨年9月誕生。パパになったらちょっと親父くさくなった?風邪のせい?ヤナと。ヤナが結婚していて10才になる子供もいる事を初めて知った!、バボちゃんとその奥さんのハナと。天才ホルン吹きもプライベートはとっても気さくで楽な感じである。)

YS氏が「夢見たいだの〜」と庄内弁の感想をもらした。
H氏も「なんで自分がここにいるのか?って思う」とつぶやいた。
世界的プレーヤーだろうがなんだろうが、彼らは「友人」なのである。我々をフルート奏者、ファゴット奏者、ビオラ奏者として招待してくれているのではなく、日本で出会った友達として招き歓待してくれているのだ。
気取らない、フランクな、その中にも中央ヨーロッパの人らしい素朴さが見える彼らの心というのは本当に心地よいものであった。私も夢を見ているようだった。
そういえば、西麻布でロマンと「次は是非プラハでビールを飲もう」と誓いあったのだ。「ついにプラハに来てくれたな。一緒にビールが飲めて嬉しいよ。」というロマンの言葉がとても有り難かった。
 元々は神経内科医で今は脳外科医として、不随意運動症などに対する定位的脳手術の分野で手術をしているデュシャンは、日曜日なのだが4時頃から8時過ぎまで仕事だと行って病院に行っている。ロマンに「デュシャンも呼んでいいか?」と聞いたら、もちろんOKと。電話してロマンに代わって場所を伝えてもらった。40分位してデュシャンも登場。(よって上の集合写真にはデュシャンは写っていない)。それからも楽しく食事し談笑した。
DusanBed(デュシャンの家のベッド。大の大人が二人は寝れる彼のベッドを借りた)
23時頃となり、そろそろ家に帰りましょう、ということになった。H氏親娘と私はデュシャンと一緒にタクシーで彼らの泊まるホテルまで行き、そこから二人で歩いてデュシャンのアパートへ帰った。自由に使っていい、と彼からスペアキーを渡されたが、表通りからアパート入り口に入るドアと階段に入るドアと3階の通路(外に面している)に入るドアとデュシャンの家のドアと4枚のドアそれぞれの4つの鍵束を渡された。しかもどれもちょっと回すのにコツのいるような癖のある代物だった。まあ、なんとかなるだろう、と言って彼とスコッチを飲んで少し話しをし、寝た。

(つづく)

(第8日目の夜の食事)
夕食:ロマン達に連れて行ってもらった、ベネディクト派修道院の敷地内のパブ風レストラン。
食事は次々とこれでもか〜、と出て来た。
afqrestappet
AFQDumpling
AFQRestDuck左から、生ハム、パプリカなどの酢漬けのような要するにピクルスのプレート、いわゆる前菜ですね。続いて、豚肉と(多分)鶏肉を使ったdumpling、 漢字で書くと「点心」なんだけど。真ん中にあるソースをつけて食べる、お肉の蒸し物ですね。メインは、ハーフダックが一人に一つ!?鴨を半分に切って味付けして焼いたもの(上の写真にこの鴨を切って取り分けようとしてるロマンの姿が写っています)。赤いキャベツと白いキャベツの酢漬け、いわゆるザウアークラウト付き。
ビール、ワイン。特にチェコビールは「身体にいい!」ということでたくさん飲みました。

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コメント

へぇ~~夢みたいだのぉ~いいなぁ(^ー^)
私も今夜は生ハムとビール(日本の)とワインにしよう、、、食べ物の話は興味深々です。
「ブドワゼ」や「ウルケル」は日本語でしょうきっと、あはは。パンフなんかにもそうなってますから。

投稿: @むーむー | 2006.01.20 18:24

一生に一度有るか無いかの夢のような時間ですね、文章からヒシヒシト伝わってきます。 さぞかし帰国してからの社会復帰に苦労されていることでしょう、 心中お察し申し上げます。

投稿: オスカー | 2006.01.20 21:57

羨ましい!  ズルイ!!
本当に夢のような時間だったのでしょうね。
毎日が興奮の連続・・・・
読んでいて感じるのですから当の本人は、正に有頂天&自惚れ!?
でも許します(笑)

投稿: ♪ふえ♪ | 2006.01.21 05:39

こんにちは
初めて見させて頂きました。気持ちが伝わってくる素敵なブログですね!非常にうらやましいお話です。
プラハのビールのうまさは分かるだけに、そうそう、そうなんだよ〜、という気持ちです
まだ最新の所しか見ておりませんが、ぜひ時間をかけて読ませて頂きますね
私も2月にまた行きます、また「三都物語」です(笑)
CPO定期がコバケンさんのオケコンなのですよ

投稿: kitagawamorio | 2006.01.21 12:34

@むーむーさん、ブドワラも美味しいビールですよね。チェコ愛するDusanは、Budwiserを見て「アメリカが勝手に名前を盗んだ!」と怒っていました。

オスカーさん(「ミニ」はつげねぐでもいいんだがのぉ?)、はい、「心のリハビリ」がまだ終わっていません。でも今日は日直医です。あ、またポケベルが鳴った!

♪ふえ♪さん、まだまだこんなもんじゃないんですよ。明日(?)書く予定のプラハ3日目はもっと凄いのです。

kitagawamorioさん、いらして下さってありがとうございます。今は日本なんですね。N響のK田氏の「先輩」になるんですよね!
また来て頂ければ嬉しいです。私はなかなか「また行く」という分けには行きませんが、まだ見ていないところもたくさんあるし、ドボジャークホールもスメタナホールも中には入ったのですが、そこでのチェコフィルやプラハ響の演奏を聴いていないのです。次はいつ行けるのかな〜〜〜???

投稿: balaine | 2006.01.21 16:42

たしかに、夢みたいですな・・・

昨日は定時退社。にんにくとサラOを購入。
満腹になったところでサラOを読んでいたら、新譜紹介でバボラークさまのCD、「目覚めよ、と呼ぶ声あり」が紹介されていました。
解説を読みつつ、やはり、すごい方なのだな~と、感慨にふける。
早速、聴かなければ!

ふぅ~、先生は本当に幸せ者ですね~

投稿: むかご | 2006.02.07 12:43

むかごさん、私が失念しているのだとしたら大変申し訳ないのですが、むかごさんも音楽をされているのでしたでしょうか?
僕はうちのホルン仲間に習って「バボちゃん」と呼ばさせてもらってますが、バボラーク「さま」と呼ぶその心は、、、。
ネット上で一番詳しい解説は↓でした。(CDは売り切れみたい)
http://www.rakuten.co.jp/bandpower/457776/706621/

彼の場合はホルン一人で客を呼べるので、日本でもアフラートゥスやベルフィルを離れて、ソロリサイタルをやっていますね。まだソロは聴きに行ったことがないのですが、とにかく「え?これ、ホルンの音?どこから出て来るの?どうやって出してるの?なんなの!?」という驚きの演奏です。

そんな「天才」も、ステージを離れれば普通の人。むしろ子供っぽい感じすらある人懐っこい人ですよ。

投稿: balaine | 2006.02.07 15:56

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