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2005.11.14

贅沢な練習

 いよいよ、我がアマオケの第33回定期演奏会は、今度の日曜、11/20である。
http://sound.jp/sakaphil/
午後2時の開演です。これをご覧になったお近くのあなた!またはあまり近くなくても興味のあるあなた!是非、演奏会においで下さい。たったの1500円ですし、がっかり、はさせない、、、と思います(のはず)。。。もしかすると、感動して頂けるのではないか、と思い(希望し)ます。
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machan_thumb
 というわけで、昨日は最後の追い込み。ステージリハを除くと、最後の指揮者練習でもあった。そして、なによりもギタリストの松尾俊介さんとの初の(そして最後の?)合わせであった。
 「競演」「共演」といってもホールではなく、観客もなく、練習室で2時間弱(いや実質1時間半もない)あわせただけ。ただそれだけのために、松尾さんには東京から「日帰り」でおいでいただいた。誰だ!?こんな日程組んだのは。。。いや、松尾さんのスケジュールによるのでしょうけど。よって表題のように「贅沢な、、、」となるのである。
 11/7の本ブログで松尾さんのことついて少し触れたらTBを頂いた。なのでこの記事も逆TBすることにする。
曲は、ロドリーゴ作曲「アランフェス協奏曲」。
 ギターの世界に限らず、あまりにも有名なコンチェルト。ギターの協奏曲はこの他にもテデスコの協奏曲や、アーノルドの「ギターと弦楽のためのセレナード」を始めたくさんあるのだが、一般に認知されている曲はほとんどアランフェスだけといっても差し支えないだろう。特に2楽章はポップス(ムード音楽???)に編曲されて用いられる事も多い位、物悲しく美しいメロディで有名である(この部分はコールアングレのソロをギターが伴奏するような感じ)。ギターのソロの部分やカデンツァが結構長いので、オケの練習ではそのあたりは、「はい、じゃ、飛ばして次練習番号の11から」とか言う感じで今までやって来た。クラシックギターは大ホールでソロでやるような大音量の楽器ではないし、オケをバックにすると音がかき消されがちになるのでマイクを通してスピーカーで音を流す事になる。オケとの音量のバランスやマイク、アンプ、スピーカーのテストも兼ねていたし、実際ソロのカデンツァからオケがウワッと入るところなどは、一緒に演奏しなければオケもつかみにくいし指揮者も分かりにくい(だから協奏曲なのだが)。第3楽章などは、3/4拍子と2/4拍子が一見不規則に(本当は規則的だが)交互に出て来て、一度楽譜から目を離してしまうと、今どこをやっているのかつかめなくなることがある。だから、自分が演奏していない時でも必死で楽譜を見ていなければならない。ギターの演奏が入るとこれが凄くわかりやすい。
 管楽器というのは、弦と違って結構「休み」の部分があるので、協奏曲ではソリストの演奏に注目したりそのスタイルや服装に(特に女性のソリストだと、、、おっと失言!)注目してしまうことがある。長いお休みがある楽器や、一楽章まるまる休み(tacet、タチェット)の場合、寝ている人もいるらしい(いや、ホント、プロでも(だから?)眠ったりするそうですよ)。2楽章のカデンツァなどでは松尾さんのギターを弾く姿をよく拝見できた。特に、練習なので、指揮者の横で、オケの方を向いて(通常と逆向き)で弾いてくださったので指の動きや表情もよく観察できた。その音色は豊かで繊細で、練習を忘れて引き込まれるようであった。実際、私は聞き惚れたあまり一回、入りを落としてしまった。(^^;;;;
 しかし、3楽章はそうはいかない。ソリストを見ている余裕なんて「ない」。ひたすら、音符が書かれていない「休み」の部分を見つめているのだ。練習を始めた頃は、「1、2、3、1、2、1、2、1、2、1、2、3、、、」なんて管楽器の方からつぶやく声が複数聞こえて来て、皆苦笑していたものだった。(足踏みしたりして)音をたててカウントする訳にはいかないから、見えないように指を折りながら心の中でカウントし、指揮者が3/4拍子を振るところを確認しながら、楽譜を見続けていくのである。でも繰り返し練習するうちに、松尾さんの音を聴く余裕も少しは出て来た。すごく勉強になった。もっと「共演」していたかった。一時間半なんてあっというまで、本当に「勿体ない」感じであった。
 私は、フルートとピッコロの持ち替えであるが、ロドリーゴは何を考えて作曲したのか、1楽章の中盤に、フルートからピッコロへ、たった1小節の休みの間に持ち替えなければならない部分がある。そのすぐ後に6小節休んだら1小節だけフルートを吹いてすぐ2小節休みがあるだけでピッコロに持ちかえる部分がある。とっても慌ただしいし、楽器は膝の上においたままササッと持ち替えて演奏しなければならない(通常は、前横に椅子をおいてそこに持ち替える楽器を載せておいたり、専用の楽器立てがあってそこに持ち替える楽器を突き刺し立てているものだがそんな事をしている時間的余裕がまったくないのだ)。そんな忙しい持ち替えをしながら焦っている私の心も、松尾さんのギターの音色によって癒されるようであった。本当に、もっと聴いていたかった。
 練習の後、羽田までの帰りの飛行機に時間のある松尾さんを囲んで、何人かで近くの我がオケの溜まり場の喫茶店にくりだした。そこでしばらく楽しく話しに華を咲かせた。プロのギタリストで初アルバムを出したばかり(写真参照)、これから売れっ子になるであろう松尾さんが、我々アマオケのために、ただ練習のためにわざわざ来てくださったのは、もちろん巨匠で師匠の福田進一さんからの依頼(命令?)によるものである。演奏会ほか様々なイベントで超多忙の福田さんからある日松尾さんの携帯に電話が入った。
福:「おい、松尾、11月13日、空いてるか?」
松:「あ、先生、はい、空いてます!」
福:「よし、酒○でアランフェスの本番前の練習があるんだけど、弾いてみるか?」
松:「はい、行きます!喜んで!」
という感じで(会話の語句は私の想像です)決まったそうである。松尾さんはパリのコンセルヴァトワールを首席で卒業されている。「アランフェス」はもちろん試験課題などでも何度か弾いた事はあるけれど、いつもピアノ伴奏で、生のオーケストラをバックに弾く事は松尾さんですら初めての経験だったとのこと。「とても勉強になりました。」と仰ってくださった。我々としては、いくらニューフェースとはいえ、すでにCDを発売しリサイタルも開いている「プロ」を練習台にさせていただいて、その有り難さは言葉では尽くせない。
 つい2、3ヶ月まえに庄内国際ギターフェスティバルを運営した人も交え、『首突っ込みたがり』の私もいれてその後、寿司を食べに行った。短時間ではあったがいろんな話しを聞けた。年齢と経歴からすると、高校を卒業するとともにギターを究めるためパリに渡ったのだと思っていたら、普通の大学にも行きたくてある大学の法学部に進んだそうである。もしかしたら、今頃「司法試験!」とか言っていたのかもしれないが、やはりギターを本格的にやる事を決意して、大学をやめてパリに渡ったそうである(実は、パリでの危険?なお話しもあったがここでは書けません!)。京都人っぽい物腰や口調の柔らかさに加えてなんとなく坊ちゃんぽいというかホンワカしているところがあるので、村○香○さんみたいに音楽一家の出なのかと思ったら違うのだそうである。これは私の想像に過ぎないのだが、キチンとしつけられる普通のご両親と福田進一さんのような暖かく厳しい師匠に恵まれて育った方なのかな?と思った。別れ際には、こちらがお礼を言うのは当然であるのに、私如きを使って頂いて、とか、本当に勉強になりました、と逆に礼を述べられて帰られた(いい人だ〜)。

「庄内国際ギターフェスティバル」で、日本にもそしてマーティン・フォーゲルやアタナス・ウルグズノフやその他にもたくさんの才能があることを改めて知った。スポーツのように争って点を取ったり勝ち負けをつける世界ではない。しかし、プロである以上、音楽で人に夢や幸せを与える「義務」ともいえるものがあるだろうし、何よりもギターでご飯を食べて行かなければならない訳である。遊びで、趣味で楽器をやっている私なんかとは、才能はもちろんの事、「心」が違う。けれど、音楽を愛している、演奏が楽しい、幸せだ、という所は共通している部分もあると思う。松尾俊介さん、このギタリストに「も」注目して行きたい。そして、みんな素敵な音楽家になって活躍して頂きたいと切に願う。
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p.s. いつの間にか、このブログも、知らないはずの知人にも知られて来て、「読んでるよ。」な〜んて言われる。ますますアホな事は書けなくなって来た。
「よく、あんな、長い文章がかけるもんだ」と仰ってくださった方。(^^)
けっして暇で暇で仕方がない訳ではないですよ。空いた時間を見つけ、少しずつ書きためるのですよ、一日の中で。携帯電話からもアップできるようになってますし。それから、私はパソコン歴26年、ネット歴16年、インターネット歴13年なんですよ〜。v(^^

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コメント

TBありがとうございます!
まっちゃん(松尾氏)との練習終わりましたか〜〜
本人もとても楽しみにしていたので、無事に終わって良かったです。

まっちゃんとは、数年前からデュオを組んでいるのですが、横で聞いていてもぼ〜〜っとするくらいいい音ですよ。いつもとても楽しんでやらせて頂いております。

投稿: あさこ | 2005.11.15 00:20

あさこさん、こんにちは。活動地の主体は神戸周辺なのでしょうか?
「まっちゃん」今度東京に転居するって行ってましたが。あさこさんのブログにも書かれていた、サックスとギターによるピアソラとかかっこよさそうですよね〜。是非聴いてみたいです。

投稿: balaine | 2005.11.15 09:28

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