「火垂る」と火星
昨日、野坂昭如氏原作でスタジオジブリのアニメ版映画にもなった「火垂るの墓」のドラマが放映された。
ドラマが始まる直前に私は急患で呼ばれたので、録画にして病院に向かった。患者を一名入院させ、帰宅したのはドラマがクライマックスを迎える頃であった。車を降り駐車場で空を見上げると、満点の星空だった。この辺りは、明かりも少なく更に昨日は新月の一日前で寒くて空気も澄み渡り星空が綺麗に見えた。
最近地球に最接近した火星が、オレンジ色に天頂近くに見えた。肉眼でも縞模様が見えそうだった(見えるわけないが)。火星のやや東南方向に、ボワ〜ッと「昴星団」が見え、その下(東南)には冬の星座「オリオン」が綺麗に見えた。
「あ〜、もう冬が来るんだな〜」
昴とオリオンを見てそう思った。
白く輝く美しい星々と火星の異様な程の赤さを目にした後、部屋に戻ってドラマを見た。
内容についてはあえて触れない。「節子」役の少女の演技は見事だった。ホタルの灯りが不自然ではあったが、幻想的な映像ではあった。ホタルの多く生息する土地に行った事があるが、同じように黄緑色の光だった。確か赤い光を点滅させるホタルもいたはず。火星のオレンジの暗い光からドラマを見る前にホタルの光のことが思い出されたのだった。
ドラマをご覧になった方もご覧にならなかった方も、日テレのサイトにある原作者野坂氏の「ドラマ化によせて」という一文を読んで見られる事をお薦めする。
考えさせられる。
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コメント
野坂氏の一文読みました。
最新号の「通販生活」に野坂氏の病気の様子が写真入りで掲載されており、ちょうど氏の文と重なりました。
静かですが、力のある内容だと思いました。
投稿: 侘び助 | 2005.11.02 18:22
あのドラマでは、最近の神戸の夜景=震災から復興した神戸の街の映像も流れました。
戦争で壊滅し、地震で破壊され、そしてまた美しい街になっていく。人間の弱さ、脆さ、愚かさとともに「強さ」を意識しました。
神戸は友人もいるし好きな街です。なかなか行けませんけどね。友人に連れて行かれたさる有名なイタリアンレストランの向かいの教会、立直ったのかな〜?
投稿: balaine | 2005.11.03 10:23
神戸阪神間は あの映像のように 見事に 復興しています。
ぜひ 一度 久しぶりに 関西に 来て下さい案内 させて 頂きます^^ ♪
投稿: 則香 | 2005.11.03 22:55
則香さん、関西方面の学会、チェックしなくっちゃ。
とりあえず年内はございません。(^^)
その友人は、あの六甲アイランドに住んでいて、毎日吹田市民病院まであの倒れちゃった高速道路で通ってたんですよ。
「あと、2時間あとやったら、おれ、しんどったわ〜」って笑っていってました。
懐かしいな〜、神戸。なんとか言うた有名なジャズのライブハウスありますよね。あそこで彼と酒飲みましてん。行く度、Freundliebでパン買うたんやけど今はどうなんやろ?
投稿: balaine | 2005.11.04 17:18
あんな偏屈なおっさんがこんな美しくも哀しい物語を書くあたりが世の中わからんもんです
投稿: いのげ | 2005.11.06 03:24
いのげさん、まあ、確かに偏屈、そうでうね。
そういう世代の人なんじゃないですか?戦争も体験し安保も体験し価値観がガラガラと変わる時代の流れに晒されて生き抜いて来た。
美しい話しになったのは「脚本家」と監督、プロデューサ−の手腕か。。。
投稿: balaine | 2005.11.06 11:50