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2005.10.19

エスカレーター

デパートや駅などにある、あれ、である。
新任地の病院は来月で開院5年目を迎える比較的新しい病院である。外来棟は明るく広々としていて受付デスクなどもまだ新しく綺麗である。2階にも外来があるためか、外来のメインロビーにだけエスカレーターがある。脳外科の外来は1階なので、2階の医局からは階段を下りればすむし、8階の病棟からはエレベーターを使う事になる。ということで、エスカレーターに乗る必要性がなかった。
今日、外来が早めに終わったので病院見学という感じで、外来受付の方を少し回ってみて、「初めて」エスカレーターに乗ってみた。ちょっと恥ずかしかった。
人間というのはおかしなもので、新しく綺麗で外来棟にエスカレーターがあるような大きな病院は、進んだ医療をやってくれるような気がするものである。私が患者さんだったらそんな印象を受けてしまう。しかし、2市2町の公立病院を統廃合して、そこの職員を分散させ大学から新たに医師を派遣したもので、患者さん自体は元々の地元の人であるし中身は大して変わっていないのだ。そんなことをエスカレーターに乗っている短い時間の間に感じた。
わずか2週間の感想であるが、同じ田舎でも前任地に比べて当地では患者さんが医師を敬う気持ちというか、頼りにしてくれる態度により好感が持てる。医師側の勝手で傲慢な物言いかも知れないが、19日間の間に「このやろ!ムカッ!」と思うような患者さんに遭遇していない。地域の特性なのか、たまたまなのか、私が変わったのか、まだわからない。確かに同じ田舎でも「ひと」が違う感じは強くうける。言葉も全く違うのである。これはエスカレーターがあってもなくても関係ないだろう。「ひと」と「ひと」との関係なのだから、建物や内装に影響は多少受けても根本的なところは変わらないはずである。エスカレーターに初めて乗って、そんな事を考えた。
ーー
エスカレーターから待ち合いを見下ろした感じは、天井も高く、ここでフルートの院内コンサートでもやってみたいな、とまたそんな暢気な事を考えていた。(^^

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コメント

私の勤めている病院もエスカレータが外来にあります。体の不自由な人は、危険で乗るのはさけておられます。エレベーターを使っているようです。
病院によって、患者さんの印象が異なることは経験します。前任地の病院は、救急患者も多く、殺伐とした印象(ここには書きにくい、その筋の方とか、ーーー)でした。救急外来で暴れられて、怖い目に遇うこともありました。現在のところは、はじめて赴任したときに、何となく雰囲気が柔らかく感じました。生活にゆとりがある感じを受けました(お金持ちが多いという訳でなく、ゆったりと生きておられる感じとでもいいましょうか)。地域性は関係していると思います。

投稿: 如月 | 2005.10.19 19:25

ゆったりと生きておられる
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きょう職場で、留学生から、「日本の豊かさの象徴」と「日本の貧しさの象徴」はなんだと思うか?という質問を受けた。宿題だそう。
貧しさの象徴は考えてしまった。質問者のレベルを鑑みながら。で、「ひと」と「ひと」との関係 を答えた。日本人が余裕を失いつつあると。
そして、今、この日記と書き込み。思わず私も書き込みました。balaine先生は感受性が豊かで流されないですね。

投稿: 侘び助 | 2005.10.19 21:09

如月さん、侘び助さん、コメントありがとうございます。
そうですね。日常のいろいろな場面やちょっとしたことに考えさせられる事はたくさんありますよね。
私が感受性が豊かなのかどうかは「?」ですが、「鈍感」にはなりたくないと思っています。でも「敏感」過ぎて問題を起こしがちなので、今は少し鈍感になろうかな〜と思っているんですよ。

投稿: balaine | 2005.10.20 20:38

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