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2005.09.03

緊急後頭下減圧開頭術

 他科入院中の患者さんが昨日小脳梗塞を発症し、神経内科で診ていたが、今朝方より少し意識が低下しているということでCTの後、脳外科に転科になった。今日は私は「オフ」で、家で笛を吹きながら遊んでいたが、同僚から報告を受けていた患者の状態が心配になったので夕方HCUに診察に出て来た。
 患者は、呼べば目を開け弱々しく返事をするが、反応が低下している。
 「緊急手術!」と判断した。
小脳の腫れが浮腫をとる点滴や薬では不十分で、脳幹の意識の中枢と呼吸の中枢に影響を及ぼし始めている。多分、このまま点滴の治療だけだと夜中に呼吸が止まる、と判断した。当直師長に連絡、麻酔医と手術室ナースを招集してもらう。土曜日の夕方なので、皆これから夕餉を楽しみに自宅で寛いでいたはずだ。
 家族も呼び、状態を説明し「救命が目的」の手術である事を了承して頂いた。招集された麻酔が診察に来る。手術場のナースも到着した。手術の準備を手早く進めているはずだ。その間、私はバリカンで患者の頭を丸坊主にした。およそ2分で丸坊主。これはもう手慣れている。
 「手術室入室18:30で」と連絡が来たので、18:20現在これを書いているのである。続きは術後に。。。
ーー
 さて、今は9/3の23:00を少し回りました。緊急手術は19時半少し前に始まり21時半すぎに終わりました。ICUも戻って状態が安定したのを確認し、家族の手術の説明をし、隣のHCUの患者をチェックし医局でアイスコーヒーを入れて今デスクの前に座ったところ。
 手術場で麻酔医が挿管したところ、非常に痰が多く、内視鏡で痰を取るくらいでした。多分、あの時点で手術を決断しないでいたら夜中に痰を詰まらせて窒息したか、呼吸不全で生命の危機であったと考えられます。自分の判断が正しかったことにホッとしています。同僚の、専門医試験に受かったばかりの先生に教えながらやらせながらの開頭と硬膜切開だったので少し時間がかかりましたがスムーズに手術は終わりました。出血性梗塞に陥った小脳は赤黒く崩れるようになって、ちょっと触るとジワ〜と出血してきました。典型的な梗塞巣の脳でした。
 この部分を止血しながら一部切除して内減圧も行い、人工硬膜でゆとりをつけて外減圧を行ったので、多分自発呼吸が戻り意識も戻ると思われます。
 脳梗塞は、何科の医者が診ても結局決まった薬で治療するしかなく、リハビリ次第のところもありますが結果はあまり変わらないんじゃないかと虚しく感じる時が多いのですが、今日のように、脳神経外科医だけにしか助けられない脳梗塞の治療を行うと、脳外科をやっている事の意義を強く感じます。決して私でなくても出来る事ではありますが、脳外科医にしか出来ない事ですから。この地方(周辺人口約35万人)に常勤する脳外科医6名(3つの病院で)にしか助けられない患者さんでした。
(本日の音ブロは「太陽がいっぱい」です。)
全然太陽拝んでないけどね。

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コメント

お疲れさまでした。
こんなことあるから、「休み」に休めなくても、やってしまうのですよね。
やりがいのあるお仕事でいいのですが、本人以外の人が甘え過ぎてはいけないなと、つくづく感じます。

投稿: @むーむー | 2005.09.03 23:41

@むーむーさん、あはは、まだ家に帰りもせず医局でパソコンに向かっていました。夕飯、食べるの忘れてました。家帰って焼きそばでも食べようかな〜。
あ、でも健康には気を使って、毎日ヤク○ト飲んでますから大丈夫ですよ(何が?)(^^;;;

投稿: balaine | 2005.09.04 00:00


九州で、開頭減圧術の名医をご存知でございましたら、お教えくださいませ。現在脳腫瘍で、脳圧をさげる点滴を1日2回受けております。

長崎県佐世保市
篠原幹夫

投稿: 篠原幹夫 | 2009.04.30 02:27

篠原幹夫様、
「名医」という言葉の定義によりますが、手先の上手さだけではなく、判断力(必要最小限のことを的確に実施する)や迅速な対応力など、総合的な力を持つ医師の事だと思います。「九州」というおおざっぱな表現ですが、長崎県にも、佐世保市にも、そのような力を持つ脳外科医はいらっしゃると思います。
一般論としては、脳圧を下げる点滴を受けている患者さんは余程厳重な管理のもとでないと、他施設に移送することすら危険な状態ですので、現在治療中の病院で適切な治療を受けられる事をお勧め致します。
「開頭減圧術の名医」ということですが、脳神経外科の専門医として基本の手技ですので10年以上の経験があれば「減圧開頭術」はどなたでもきちんと出来ると思います。
また、いろいろお困りの事と推察致しますがインターネット上に電話番号などの個人情報は載せるべきではないと思います。ということで、電話番号だけ削除致しました。

投稿: balaine | 2009.04.30 03:06

こんばんは。
半年前に小脳梗塞、後頭部の開頭外減圧術を行い元気に復帰している者です。自身の病気のことを調べていてこの記事に辿り着きました。
30歳の女性です。こんなに若くして脳梗塞になってしまいましたが、お医者様に助けていただき本当に感謝しています。
自宅で倒れ、運ばれたものの途中から意識がなくなり、緊急手術となりました。私の場合は髪の毛は残したままで(笑)2ヶ月後に人工骨で頭蓋形成もしていただきました。
後遺症が残ると言われていましたがほぼ無く、元どおり仕事をしています。
お医者さんは大変なお仕事かと思いますが、私をはじめとする患者さんに生きるということを教えて下さいました。
助かった命をかけ大切にしていきたいとおもっております。

投稿: あっつん | 2015.04.06 02:31

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