« とりいそぎ | トップページ | ファイナル・ガラ・コンサート »

2005.08.27

日直の合間をぬって

 今日はまたまた日直なので、時間の空いたときを見つけてこれを書いてみる。
 まず一つ目の話し。作曲家・指揮者の榊原栄さんが亡くなられた。そのことを知ったのは昨日だったのだが、8/11に逝去されていた。大変なショックを受けた。
 マエストロ榊原は輝かしい経歴を持ち活躍中の「若手〜中堅」の指揮者であり作曲家であった。「台所協奏曲(キッチンコンチェルト)」など子供向けのオーケストラ曲の作曲でも知られていた。
http://www.e-jam.com/sakakibara/index.html
突然の訃報に言葉が出なかった。マエストロとはH16の2月に同じステージにのらせて頂いた事がある。トヨタ・ファミリーコンサートの一環の事業として、我々のアマオケが地元でコンサートを行った。その時のスペシャルゲストは元宝塚のスター、真琴つばささんであった。真琴さんは特に寒さが苦手らしく、控え室に赤外線ファンヒータを準備して欲しいと要望があったため、私のを控え室にお貸しした思い出がある。ミュージカルナンバーなどを中心に歌い、最後は「十八番」というか自分の宣伝歌のような「つばさをください」で締めた。私たちオケは、全体の明かりを落として真琴つばささん用となったステージ照明の中で、舞台上ながらまるでオケピットのように譜面台につけるライトを使って楽譜を追い、演奏をした。マエストロの指揮は暗闇の中でもとてもわかりやすく、強くそして優しかった。笑顔がとても素敵だった。ボロディンの「イーゴリ公」の始めの方のフルートソロっぽい部分で、練習の時、曲想のイメージを伝えるためマエストロはこう言われた。
「あのね、月夜の晩に、月明かりの下で、眠った赤ん坊を、こう、優しく抱きかかえてる感じで。わかりますか?」
心に響き、そのシーンが目に浮かび、月明かりの色や気温まで感じられるような言葉であった。おかげで我々はすぐに反応できた。
 お蕎麦がお好きでいろいろ食べ歩きもされているらしかった。自身のHPにも「蕎麦狂詩曲」というページがある。これを書かれた方がすでに他界されているなんて俄には信じがたい。素晴らしい人を失った。
ーー
 さて続き。
MurajiSign 昨日は、村○佳○さんのコンサートだった。「響ホール」は大きなホールではない。室内楽やピアノソロくらいがちょうど良い、名前の通り響きの良いホールで、これまでにプロのCD用録音もけっこう行われている。世界的ピアニスト上○彩○さんもここで演奏された(別サイトで自慢しているように、その時、私の愛車の後部座席にお乗り頂くという光栄に浴した!)。
 村○さんはやっぱりスターだ。ギターの演奏はもちろん素晴らしい。更に、その人がそこにいるだけで空気が変わるような、カリスマ的雰囲気を持っている人だ。綺麗である事はいいことだ。ただ美人が故に苦労もあるかも知れない。「CD売れるのは美人だからね」とか「TVコマーシャルに出てるから」とかやっかみもあるかもしれない。でも昨日の演奏はそんなことが万一あったとしても全く気にする必要のない、すでにマエストロとも呼んでいい領域の演奏家になっているんだ、ということを思い知らされた。
 前半は、村○さんとギリア、福田両巨頭の組み合わせ。トリオとデュオ。そしてギター一本と男女混声合唱(といっても11人の小編成)の共演。後半は彼女の独り舞台。すべての曲が素晴らしかった。得意としている曲ばかりではあるが、シャコンヌも武満のビートルズナンバーも美しい響きをホールに満たしてくれた。アンコールは2曲。「タンゴ・アン・スカイ」は『カッコイイ!』の一言。女性でも彼女に惚れる、って言う感じ。弦だけでなくギターを打楽器にするその演奏は聴衆を釘付けにした。最後の最後は「アルハンブラの思い出」。名曲中の名曲。もう完全に「村○佳○の世界」。でも最後の最後に聴く者の心をこんなに掴んでおいて、「はい、終わり!」は辛いよね。
 オスカー・ギリア氏と福田進一氏は、後半は聴衆になって、真ん中の真ん中に取ってあった席の人となっていた。そこには鈴木大介氏、大萩康司氏、藤井眞吾氏というプロのギタリスト達も並んでいたし、その後ろの席にはまだ中学生で宮崎から参加した(当然オーディション合格者)受講生の女の子も座っていた。私は、その2列斜め後ろに座っていたので、聴きながら彼らの反応や拍手の仕方も観察する事が出来た。ギリア氏は時折、Bravo!のかけ声もかけていた。受講生最年少は、なんと8才の女の子。演奏を聴いた関係者によると、大人と変わらない音量とテクニックだそうで、ギリア氏のマスタークラスに入ったという事であったが、彼女はなんと一番前の真ん中に座り、本当にカブリツキで演奏を見、聴いていた。
ーー
 もう一つの話題。日本脳神経外科学会認定専門医の面接口頭試験が昨日と本日の2日間にわたって行われた。当院から受験に行った同僚が見事「合格した」とたった今電話をくれた。おめでとう!
 日本の脳神経外科専門医の認定試験は、麻酔科専門医認定試験と並んで最も古く伝統がある。更に厳しい事で有名である。専門科によっては(何科とは書けない)その年の受験者で「落第」するのが数名、という、本当に試験をしているのか?というものもあるらしい。日本の脳神経外科医は、その臨床を専門にやって6年経った者でかつ日本脳神経外科学会員になって4年を経過した者に「専門医試験」の受験資格がある。ただし「大学の脳外科の教授」など学会が認める専門医訓練施設のA項の長の推薦があってのことである。毎年およそ350名前後の受験者がありその6割ほどしか合格できない。逆に言うと、脳外科を専門に勉強して来た、世間では「脳外科医」と認められている(?)医師が受験しても4割、約130〜150人は「落ちる」のである。
 これだけ厳しい試験に合格しても、決して一人前とは言えない。むしろ「駆け出し」というか、ようやく最低限の脳神経外科学を学びこれから一人前の本物の脳神経外科医になるべく真の修練が始まる、という感じですらある。私は平成2年に専門医になったので、すでに専門医歴15年ということになるが、「まだまだ」という感じである。臨床は奥が深い。というか患者さんは「人間」なので一例一例違う。どれひとつとして同じものはない。だからすべてがtailor-madeでなくてはならない。
 時代はTailor-madeを要求しているのに、医療経済や医療政治的にはReady-madeで進んでいくように要求される事が多く感じる。そこで生まれるフラストレーションは自ら解消するしかない。患者さんやその家族は誰も我々がそんな事で悩んでいたり行き詰まっていたりする事を理解はされていないように思うのだ。 
 いかん、イカン。折角、音楽の楽しい話しだったのに。明日は、ギターフェスティバルは「ファイナル・ガラコンサート」である。講師、受講生、全員参加のきっと楽しい演奏会になるのだろう。
ーー
GuitarFesBeerG1
 夜、余目(あまるめ、と読む)駅前で庄内国際ギターフェスティバルのビアーガーデンが開かれたので顔を出して来た。福田さんもマエストロギリアもそこら辺の町民と一緒にゴザの上に座り折りたたみ足のテーブルを囲んで酒を飲んだ。
GuitarFesBeerG2
特設ステージではいろいろな催し物。最年少受講生の8才の少女も見事な腕前を披露した。
 村○さんが現れるかと思ったが、残念ながら私は救急患者で呼ばれてしまい、先ほど一人入院させたところである。ツーショット写真を撮りたいと思っていたのだが果たせなかった。残念!(><)

|

« とりいそぎ | トップページ | ファイナル・ガラ・コンサート »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74618/5656577

この記事へのトラックバック一覧です: 日直の合間をぬって:

« とりいそぎ | トップページ | ファイナル・ガラ・コンサート »