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2005.07.04

脳卒中登録事業

のことを書こうと思っていた。
 今日は、外来、病棟の仕事を終えて、昨年の一定時期の入院患者さんの中から「脳卒中」の人だけを抜き出して、パソコンにデータを登録する作業を行った。100名を越す数なのでいっぺんにはできない。「個人情報保護法」施行ですこしデータの仕様も変わり、従来のように名前を記入する項目は無くなった。しかし、一人につき30項目以上も記入することがあり(発症から来院までの時間とか、手術を含む治療法とかいろいろ)なかなか骨の折れる仕事である。こういう作業を医師が(主に脳外科医、一部の神経内科医)しているから、全国の脳卒中患者の発生数とか死亡率とかといった統計作業が行われるのである。多分、世間の人はそんなことも知らない。
 脳卒中の患者が一年に何人発生したか、自動的に登録されるぐらいに思っているかも知れない。またはクラークなど事務職の方でデータを登録していると思われるだろう。
 違うのである!
 なぜなら、統計データの元になる情報は「医療情報」なので、性別とか年齢とか発症日とかいった完全に客観的なデータならクラークでも登録できるが、脳梗塞であるとか、それが血栓性であるとか、発症から来院までの時間がどれくらいとか、治療は何をしたかとか、高血圧の治療をおこなっていたかとか、コレステロール値はいくつかとか、そういったデータは「医者」が自分で入力するしかないのである。
 もう忘れつつあったが、あのいちゃもんをつけているとしか思えなかった方の「データ解釈」も、その元になっているデータは医者が入力しているからこそ成り立っているのだ、ということをここで強調しておきたい。
ーー
さて、入力にある程度疲れて20時前に帰宅しようと思っていたら急患が来て、緊急手術なり今23時である。もちろん夕食はまだである。視床出血で脳室穿破に伴い急性水頭症があって意識障害が進行していたので大緊急で両側脳室ドレナージを行った。ICUに戻って諸々の処置をして患者を診察すると、目をあけて簡単な命令動作に応じる(口をあけろ、舌を出せ、手を上げろ、など)。著名な改善である!
 脳卒中登録事業のことなどを書き連ねようと思っていたが、疲れたので今日はやめて明日にします。

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