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2005.05.10

脳室腹腔短絡術

 今日は、午後からこのオペである。英語では、ventriculo-peritoneal shuntといい、通称「シャント手術」とか、簡単に「シャント」と呼んでいる。
 様々な原因で水頭症が起こる。脳の中で、脈絡ソウ(漢字が出ない)から脳脊髄液が一日に400〜600ml産生されている。脳の中の脳室や回りのくも膜下腔、脊髄周囲のくも膜下腔にはこの脳脊髄液が循環している。その隙間はおよそ120〜150mlと言われている。つまり単純に計算すると、プールの水が循環して浄化されるように、脳の中や回りの「水」は一日4、5回取り替えられていることになる。
 くも膜下出血は、この脳脊髄液が循環し吸収されていくくも膜下腔に血液が充満する状態。手術で取り除いたり、自然に溶けて消えては行くが完全にはなくならない。出血量が多かったり、手術で取り除きにくい場所にたくさん出たり、脳脊髄液の循環による洗い流しが不十分だったりすると、少しずつ「水」が「頭」にたまってくる。これが「水頭症」である。出血後などに1、2日で起こるのを「急性水頭症」といい緊急手術が必要である。たいていは「脳室ドレナージ」といって、頭蓋骨に1円玉位の穴を開け、そこから柔らかい細いストローのような管を入れて「水=脳脊髄液」を外に排出する(ドレナージ)ことで切り抜ける。これが急性期を過ぎても管が必要である場合、外に出しておくのは細菌感染などの面で限界があるので身体に埋め込む必要がある。また、くも膜下出血後の慢性期(1〜3ヶ月くらい)に、じわじわと脳脊髄液の循環吸収が不十分なために「水」がたまってきたような「正常圧水頭症」においては最初から管を身体に埋め込む必要がある。
 これが「シャント手術」である。
 側脳室の前角にチューブを留置し、それを頭の皮膚、首の皮膚、胸部の皮膚、腹部の皮膚とず〜っと皮膚の下をくぐらせて(細い金属の管を挿入してそのトンネルの中をチューブを誘導してくる)、お腹に5、6cmの傷を作ってそこから腹筋の脇を剥離(わけること)して、腹壁に達し、お腹の薄い膜を開けて、腸や大網(胃の上にかぶっている脂肪のネット)を確認してお腹の中に20〜30cmチューブをおいてくる手術である。これによって、頭の中で処理できない脳脊髄液が管を通ってお腹に流れ、腹膜という組織の血管に吸収されて血液循環の中に戻るのである。頭の中でくも膜から吸収されていく「水」も同じように血液循環の中に戻るので、結局は同じ事になる。途中の経路が違うだけ。この手術が確立してから、水頭症によって命を落としたり後遺症を残す人は激減した。
 くも膜下出血の患者さんでは多い施設で半分以上、私のところで20〜30%くらいの人に正常圧水頭症が起こる。シャント手術をするとほとんどの人が症状が消えて元気になる。記憶障害、意識障害、失禁、歩行障害などの症状が消えて、歩けるようになり自分で尿意がわかってトイレに行き、記憶が正常になる。つまり「普通の人」に戻るのである。
 今日のシャントは、4月に成功させた椎骨動脈解離性脳動脈瘤の患者さん。シャント手術は通常は若手医師が執刀する手術。私自身がこの手術をもっともたくさん執刀した時期は、脳外科医の研修中、3、4年目の頃。逆に言えばあの頃はこれしかやらせてもらえなかったとも言えるが。今日は、12年目の既に中堅のベテランの域にはいる同僚と22年目の私で手術をするが、せっかくここまで治療が上手く行っているので、自分の責任においても私が執刀する予定である。
 では手術に行ってきます。

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 ということで、シャント手術は一時間で無事終了。1ヶ月半前に脳室ドレナージをしていたのでその部分の肉芽の除去に少し手間取った以外はスムーズに終了しました。その後、もう一件小さな手術をして「運営会議」に出席し、一息ついたところです。シャントが効いてくれれば、食欲が改善し意識が清明になりリハビリが進んで1ヶ月せずに退院できるのではないかと思っています。

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コメント

今日はシャント術なんですね。
ひげ鯨先生のご説明は手術同意書の解説より詳しくて本当に理解が深まります。
母の場合シャント術後も頭痛に悩まされ、バルブ圧の調整に手間取りました。中には1年以上も頭痛に悩まされる人もいると聞いて、母は暗い顔をしたものです。水頭症特有の症状はほぼ消失したものの、頭痛からはなかなか解放されないようです。
それにしても傍らで観察(看病?)する立場からすると、「人の脳って凄い!摩訶不思議!」という思いです。
先生もそういうお気持ちになるのでしょうか。

投稿: ムンテラ | 2005.05.10 15:03

ムンテラさん、コメントありがとうございます。
シャント後の頭痛ですか?私はあまり経験した事が無いのですが。患者さんからそういう訴えはあまり無いようですが。
私はクリッピング手術の時に、可及的にできる限りくも膜下腔を掃除して血糊を取り除いてくる主義で、前の方の動脈瘤でも終了時には脳底動脈を必ず見てくるようにしています。そのせいか、シャント手術が必要になる症例が通常よりも少ないような気がしています。
「脳」は「ひと」そのものですね。凄い!というより「わからない」ことだらけです。だから面白いとも言えます。

投稿: balaine | 2005.05.10 19:40

こんばんは 今あちらの方を見せていただいていたら、好きな小曽根真さんとの写真があって、いいなぁ~と思ったり、BBSに、息子の同級生(小学生の時ですが)の竹松舞ちゃんの名前がでてきたりして不思議でした。ご出身が福岡県とか、これも一緒です。どうでもいいですが(笑) 今日はシャント手術だったのですね。これも偶然に、一緒に仕事をしている女性がいま、管を変える手術で入院しているところで、そろそろ退院してでてきます。もう2回、私の日記に登場しているので、またTBさせていただくかも。balaineさんの説明がわかりやすいので。

投稿: @むーむー | 2005.05.11 00:13

ご感想ありがとうございます。
クリッピング手術の時にシャントを最小限に留められるものなのですね。
母の頭痛は脳髄液の流れ過ぎや手術の傷跡から来るものと思っていましたが、先生の患者さんからはそういう訴えがないんですか。
それって技術の差でしょうか...

手術前に主治医から言われましたが、どんなにシミュレーションをしても患者は千差万別、何が起きるか分からないとか。
先生の毎日もきっと新鮮な未知との遭遇なのでしょうね。

投稿: ムンテラ | 2005.05.11 10:49

ムンテラさん、お返事遅くなりました。
クリッピング手術の時に、できるだけくも膜下出血の血腫(血糊)はとった方がいいと思いますが、たくさんとったら治療成績が良いとか、シャント手術が必要になる可能性が低くなるという明らかなエビデンスは無いと思います。
 人によっては、くも膜をあまり触らずにクリップをかけるのに必要な最低限の部分だけあけて不必要なところには触らず、脳脊髄液の自然な循環を壊さないようにする、と主張する人もいます。その方が血腫がきれいに洗い流されるとか言っている人もいます。根拠は無いと思いますが。
 私は、徹底的にくも膜を開いて血腫をとり掃除をする方針です。手術中から脳脊髄液の循環が良くなるのがわかります。でも「印象」なんですよね。科学的なエヴィデンスはない。

投稿: balaine | 2005.05.15 16:08

ひげ鯨先生、ご丁寧なお返事ありがとうございました。
 母の動脈瘤は2~3mmだったので出血も少なく、開頭術の際にきれいに掃除したと伺ったので、合併症は免れるかと思いました。でもクリッピングから1ヵ月半後シャントになりました。
 主治医がひげ鯨先生のような方針で手術をなさったのかどうか分かりませんが、頭痛の原因と考えられることはもうないようなのです。
 執刀医の方針の違い、患者の病状の違い、いろいろな要素が相俟って予後が変わってくるのかもしれません。
 科学的エビデンスはないとしても、こういう情報を公開してくださることに感謝します。

投稿: ムンテラ | 2005.05.16 20:30

はじめまして。この4月より看護師になりました。わからないことと日々格闘しております。お伺いしたいのですが、水頭症で脳室ドレーンを挿入中の患者様で、V-Pシャントのオペが決まりました。シャントの種類はいろいろありますが、V-Pシャントを選ぶ理由は何なのでしょうか?またオペ当日の0時より脳室ドレーンをクランプすると指示あったのですが、なぜでしょうか?教えていただけますか??

投稿: 新人Ns | 2007.06.28 18:53

新人Nsさん、ご質問ありがとうございます。わからないことと格闘する日々、懐かしく、初々しい感じを受けます。
ご質問のうち、まず手術当日にドレーンを止める理由ですが、きちんとドレーンが入っていれば必ずしもクランプする必要はないかもしれませんが、手術時にドレーンのチューブを抜いてシャントのチューブに換えた時に、髄液が少し貯まっていたほうが流れが確認しやすいとか、(流れる圧が高めの方が)詰まりにくいとか、交換したチューブが確実に脳室腔に留置しやすいとかによるものだと思います。脳室髄液は1日に約5~600ml賛成されますので、手術が午後からですと、当日朝からクランプしておくくらいならば、急激な脳圧の上昇や悪化はないと考えられるからだと思います。必ずしも、クランプしなくてもオペはできますので、患者さんの状態や脳圧(ドレーンの設定圧で推測できます)などによって考え方は柔軟にすべきと思います。
1番目の質問は意味がよくわからないのですが、いろいろなシャントの種類の中から一つのものを選ぶ理由を聞かれているのか、水頭症の治療法としてシャントを選ぶ理由を聞かれているのか、どうなのでしょうか?もう一度質問をお願いします。
(いろいろな事情もあると思いますが、現場の脳外科の先生に聞くほうが早くて確実だと思うのだけど、、、)(^^)

投稿: balaine | 2007.06.28 23:20

シャントの本当のことが知りたくて調べていて、ここにたどり着きました。
10才の子供のことなのですが
三歳の時、乳児検診頭囲が大きく発言もなかったため小児センターの検診を勧められ検査したところ、発達を促すためにとシャント手術を勧められ、当時何の知識もなかった私達夫婦は手術に応じたのです。
今、養護学校に通学していますが、昨年の五月頃から三週間位の間隔で体調が悪くなり、最終的に吐き、また繰り返していて精神科では偏頭痛型の自家中毒と診断され、少しよくなったかのように思えるときもありましたが、今年七月に心理的なダメージを受ける事件が学校内であったこともあり、横になったり辛そうにし吐くことが多くなり、登校もできず休みがちになり、少し元気かなと思って登校にかかわらず日中横になることが多く夕方頃少し起き上がったりしますが長時間は苦痛のようです。
担当の脳外科医師はシャント不全ではないといわれるのですが、どうも納得できないのです。
別のところでは、シャントの要因は確かにあるので、試しに圧を上げようと試みたのですが外来ではもうできませんでした。
もともと脳室が小さいといわれたのですが、シャントをして差し支えなかったのですか。

担当医師は圧が原因だとしてもそのうち何もしなくても慣れるはずだというのですが・・

本当にシャントの可能性はないでしょうか。

症状としては頭痛、便秘、胃腹痛などがあります。


投稿: 林田正枝 | 2008.11.21 15:35

林田様、コメントの書き込みありがとうございます。
個々の症例について、一度も診察をした事のない医師に治療の是非を問うのは、一般論として無理があります。
このブログは「医療相談」の為に開設しているものではありませんので、メールでお返事致します。

投稿: balaine | 2008.11.21 17:55

看護師8年目で今年の4月より脳外科病棟に勤務になりました。
VPシャント、どの参考書よりもわかりやすいです♪勉強になりました、ありがとうございました(^^)

投稿: ふみ | 2010.04.30 23:04

ふみさん、コメントありがとうございます。
こうして5年も前に書いた記事にコメントを頂いて、「ああ、こんなこと書いていたんだな〜」と思うとともに、この記事に書いたシャント手術の時の事が蘇ります。
実はこのシャント手術の後、この患者さんは様々な原因でいろいろシャントに問題が起きて、圧の調整や装置の入れ替えなど数回手術を繰り返しました。
そして今、私のクリニックに(クモ膜下出血による多少の障害を残しながら)元気で通院してくれています。こういう所は医者冥利につきます。
新しい病棟で緊張の連続でしょうが、生命にかかわる重症が少なくない脳外科の患者さんは、病棟の看護師さんをとても頼りにしています。頑張ってくださいね!

投稿: balaine | 2010.05.02 10:47

こんにちは。
デイーサービスで看護師をしています。
ナース1人配置でどうやって利用者さんの見守りをしたら良いのか困っています。
最近、通所されてる方です。
動脈瘤のクリッピング、くも膜下出血・VPシャントの方です。
降圧剤も2種類服用しています。
朝に来所されて血圧を測定すると最高血圧160~140です。問題は最低血圧です。
130~110位なんです。結果脈圧も少なく責任者はこれで入浴をしても大丈夫なのか?と言われます。最低血圧がどのくらいだと注意が必要なんでしょうか?
経過をみても中々最低血圧が90以下になることはなく入浴の判断に困っています。
VPシャントの方は血圧がどの様に影響するのでしょうか?
あと排便のコントロールも重要ですか?
V-P(脳室腹腔)シャントの方が日常生活を送る上でどの様なことに注意したらよいのか?
初歩的な事なのかも知りませんがご回答を宜しくお願い致します。

投稿: マリリン | 2011.02.02 13:42

マリリン様、コメントの上の方にもあるように、このブログは「医療相談」の為のものではありません。お困りの様子は理解出来ますが、まずは降圧剤を処方している担当の医師に相談すべき事だと思います。
VPシャントと血圧は、一般的には関係ありません。シャントが効きすぎて「低脳圧」などになっていれば話は別ですが。個々の事例については、画像も診察もなしでお答え出来ません。

投稿: balaine | 2011.02.02 17:13

脳梗塞後、1年半後にVPシャント術を受けた、75歳の父親の術後の状態についての質問です。

タップテストと髄液の検査で、正常圧水頭症、シャント術が効果ありとの主治医の判断で、手術を受け術後1ヶ月あまりになりました。

現在回復期リハビリ病棟で過ごしていますが、
①夜間の大量の失禁
②ひどい便秘
③歩行機能の改善が見られないこと
④しきりに頭部から耳上部の違和感を訴え、急激にシャント側の耳が難聴になっている様子
⑤あらゆる意欲の低下
等、術後のほうが悪化している印象をぬぐえません。

年齢的にもリスクは覚悟していましたが、術後翌日に、シャント挿入位置とは少しはなれた箇所に内出血を起こしていました。
主治医によると、かなり血管がもろかったとのこと。
年齢的に想定されたことではありますが、素人ながら髄液の流れに何か問題があるのか、残念ながら手術が奏功しなかったせいなのか判然としません。

術後1ヶ月、現在執刀した主治医の診察も、転院先のリハビリ病院での担当医の説明もない状況です。

医療相談ではないという前提を十分理解したうえで、このような場合、①手術を執刀した主治医に状況を伝えるべきなのか、②現在入所している回復期リハビリ病院で疑問を伝えるべきなのか迷っています。

この点だけでも、ご教示いただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

投稿: ki45 | 2011.11.04 01:07

ki45さま、コメントありがとうございます。
実際に診ていない患者さんの状態はわかりませんので適切なアドヴァイスは出来ません。
正常圧水頭症NPHはシャント手術を行う基準がありますので、それを満たしていたからやったのだと思いますが、体外からの装置によって圧を換えられるタイプ(現在の主流です)なら、今の設定圧、それをもっと下げたり上げたりすることで改善する可能性などは聞いてみるべきだと思います。それはやはり手術を担当した病院、医師のほうでしょう。
現在の症状が脳梗塞だけが原因で話さそうですが、その原因などについて、またシャント手術の効果を前医に聞きたいというような相談は今のリハビリ病院の担当医でも良いかもしれません。
基本的に、脳梗塞は手術で改善する病気ではなく、脳梗塞が原因で水頭症になることもほとんど無いと思います。前医への相談が良いのではないでしょうか。

投稿: balaine | 2011.11.04 16:09

はじめまして。
69歳の母の病気についてご相談致します。くも膜下出血後、クリッピング。経過良好でしたが11日目にスパズムに。治療後1週間後に水頭症にてシャント術施行。術後腹痛持続するも発熱等はなく、年末には外泊して家に帰りました。しかし、腹痛は治まらず微熱が続き帰院後の採血ではCRP20にて抗生剤を点滴してもらっています。
患者は、食欲もあり顔色も良く、皮膚に炎症も見られず発熱と炎症反応の原因が主治医にも今のところ不明。来週には採血その他評価をして頂くことになっていますが、万が一チューブの感染で再手術ということになるとどのようなリスクの可能性が考えられるのでしょう?
また、感染はどのような経緯でおきてしまうのでしょう?
素人のため質問がわかりにくい点をお許しください。お答えいただける範囲でご意見をお聞かせください。 

投稿: タコ | 2012.01.08 20:34

タコさん、わざわざお尋ね頂きましたが、主治医がいらっしゃる訳ですから、主治医の説明がわからない、理解出来ないと言うことならばアドバイスも考えますが、まずは主治医にしっかり説明を受けてください。
もしもシャントチューブ感染を起こしているならば、再手術のことを心配するよりも、感染源をそのまま入れておく方が命に関わる危険性(髄膜炎)があると思います。

投稿: balaine | 2012.01.09 17:20

balaine先生へ

くも膜下出血で12/6にクリッピング手術をし、その後水頭症で、1/8にシャント手術をした妻のことで、参考情報を教えていただけませんか?

「記憶障害、意識障害、失禁、歩行障害などの症状が消えて、歩けるようになり自分で尿意がわかってトイレに行き、記憶が正常になる。つまり「普通の人」に戻るのである。という記述に大変勇気をもらっています。

妻は今日1/14でシャント手術後、丸6日です。認知的な症状のうち、今日の年月日を言えない、などごく最近の記憶ができにくい。ぼーっとした印象で発動性が弱めが特徴で、少しずつの改善がある印象です。

教えていただきたいのは、認知的な症状の改善の例として、回復期間や、回復度に関して、ご経験上いかがでしょうか?

ネットでこの辺の情報が、いくら探しても体験記等で見つけられなく、非常に不安な日々をすごしています。参考情報お教えいただけると嬉しいです。


投稿: mizuki | 2014.01.14 14:53

mizukiさん、コメントありがとうございます。
まず最初に、ここは「医療相談」の為に設けたブログではありません。医師の考えや経験に基づくコメントを、ネット故安易に聞ける訳ですが、本来、それは無料の行為ではなく医療機関を受診して尋ねるべきものです。
また、NPHに対するシャント手術ですべての症状が改善するかの如く期待をされているようですが、NPHになった原因であるクモ膜下出血による脳へのダメージがどの程度あるかで症例ごとに違います。
実際に、CTもMRIも見ず、患者さんも診察せずに何も責任を持った発言は出来ません。NPH「による」症状ならば、シャントが効いてくると徐々に改善する可能性がある、改善する期間も数日から数ヶ月とこれも症例によって違う。それに加えてSAHのダメージがどの程度、手術によるダメージがないのかどうか(クリップをかける場所によって症状の出方にも差があります)も考慮しなければなりません。
まずは、主治医にお聞きになるのが先決です。
期待したような回答が得られないとか、言われた内容がわからないなどの場合は何かアドバイスも出来るでしょうが、まずは患者さんを見ている主治医が一番よくわかるはずです。
それから個人的な質問は、基本的にはこのブログの左側にある「メールを送信」をクリックして、個人的にメールでご相談頂ければと思います。
その際も、まったく無償で、専門医に意見を伺うというご自分の立場を弁えた上でお願いします。欧米であれば医師の診察、アドバイスを受けるだけでも家庭医の「紹介状」が無ければ不可能で、しかも結構な金額を要求されるものだと言う事をご承知置き下さい。当方も、答えた事を訴訟などに利用される危険性を考え、ちゃんとした回答を要求する方には、実名、住所、電話番号などを明記して頂く事をお願いしています。上記コメントを見ればわかるように、殆どの方が偽名(HN)でメールアドレスなどの記載なしで質問だけするのです。「人に意見、アドバイスを乞うているという」立場を弁えずにただ質問だけして感謝の言葉もない、回答がなければ他を当たるというような非常識な方が多いため、こちらも困惑しております。よろしくお願いします。

投稿: balaine | 2014.01.14 15:40

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先日2度ほど日記に登場していただいた、( 4月26日と28日 )水頭症の K ちゃんに、今朝どんな様子か電話をしてみました。水頭症ってどんな治療かこないだ書いたけど、こちらがとってもよくわかります。→blaineさんのページそしたら同居の義母さんがでて、まだ...... [続きを読む]

受信: 2005.05.11 12:25

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