昨日、今日、
明日は全館日直だ。何度か書いているが、病院全体の休日の日中における医療上の緊急事態に対応するのが日直医である。しかし実情は、正式名称「時間外外来」という救急外来に張り付く事になる。カゼで熱が出た人、転んで怪我した人、急性心筋梗塞の人、脳卒中の人、腹痛の人、頭痛の人、めまいの人、いろいろな症状の方が来院する。なかでも診察する立場として腹の中では頭にくるのは、平日の日中にくればいいのに来なかった人。何らかの理由により来れなかった人は仕方ない。しかし狙って土日に来るという人もいる。要するに平日は仕事があったり忙しくて病院に来れないから忙しくない休日に受診する、という人たちである。「救急外来」とは本来そういう人たちのためにあるのではない。でも受診した以上診ない訳にはいかない。フラストレーションがたまる。
今日は、先日手術した椎骨動脈解離性動脈瘤の患者に脳血管撮影を行った。これによって破裂部が完全に閉塞されている事を確認できた。これから徐々に起きていただきベッドから降りていただき自宅に戻っていただく事になるが長期間臥床していたため筋力が低下しているのでリハビリが必要である。でも先が見えてきた感じである。良かった。v(^o^)/
昨日は8年前に昔の当科の科長が手術してその後再発してきた下垂体腺腫の手術であった。右の鼻の穴から直径4mmの内視鏡を挿入して表面はどこも切らずに、増大して視神経を強く圧迫して視野狭窄と視力障害を来している腫瘍を摘出した。手術はスムーズに2時間半程で終わり、術後の患者さんの経過は良好で今日の昼から食事も食べている。下垂体腺腫などは術前術後の内分泌機能の管理治療が煩雑でもあり大学病院の内分泌内科と脳神経外科に治療してもらう事が普通なのだが、前回の手術を当院でやった事と患者さんが当院での再手術を望んでいることから当院で行う事になった。この手術に関しても教授との連名で手術法の論文を書いた事がある。しかし主に脳卒中を扱う当院ではそれほど頻度の高い手術ではない。だから手術器械の専門家に依頼して内視鏡経鼻手術に必要で当院に準備されていない手術器械を揃えてもらい手術を施行した。
手術翌日でもありまだ視野の改善までは至っていないが、指数弁(目の前の指の数がわかる程度)の視力が大きな文字なら読めるくらいに改善している。来週の眼科受診が楽しみである。
さあ、あしたは日直だし今日は早く帰ろう!(4/15 19:30)
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コメント
当直お疲れ様です。私も今on callの最中ですが何回やってもon callというのはあまり楽しいものではない、というのが私の感想です。
先生を見習って私も診療雑感を書こうと思いたち、最近ブログを始めてみました。良かったら覗いてみて下さい。
投稿: Pedineuro | 2005.04.17 07:23
Pedineuroさん、コメントありがとうございました。
私はその昔Penfieldの憧れて脳外科を目指した事もあり、epilepsyにはかなり興味を持っていました。Univ. of Texas, HoustonのEpilepsy Monitoring Unitにも国費短期留学したことあります。
これから時々覗かせていただきます。
健康に気をつけて頑張ってください。
投稿: balaine | 2005.04.18 17:59