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2005.03.10

何故か同じ様な症例は続くことが多い

 今日はこれから「脳腫瘍」の手術ですので終わってから続きを書きます。今、1330、入室します。
手術が終わって、ICUに移した患者が安定して、パソコンの前に再び座れるのはおそらく2130〜2200頃になると予測されます。では後ほど。

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 もうすぐ日付が変わります。手術は予測よりも時間がかかり8時間の大手術となりました。終わって、麻酔をさまし、抜管してICUに戻ったのは2315でした。腫瘍の直径が6cm弱と巨大であったことも時間のかかった要因ですが、なによりも傍矢状洞髄膜腫で脳表にはほとんど腫瘍が出ていない上に、腫瘍の真上をまたぐように太い静脈が矢状洞に入り込んでいて、これが腫瘍の摘出を最後まで邪魔しました。この静脈を切ると右半身の麻痺が出現するのです。腫瘍を取りやすくするため、前後10cmの幅で開頭したにもかかわらず、この静脈のために前半分の5cm位の隙間から長径6cmの腫瘍を(しかも横幅も4.5cm位ある)取る羽目になってしまったのです。
 術直後ですが、患者さんは目を開け、返事をしてくれますが、右手足の動きが左より弱いようです。術前にてんかん発作で発症し右下枝の運動麻痺もはあったので、術後に軽い運動障害が出ることは予想の範囲でした。でも少しショックです。多分、長期間に渡って腫瘍に圧迫されていた脳が、急に腫瘍が取り除かれて浮腫んでいるために動きが悪いのだと思います。数日で回復してくれることを祈っています。

 さて、タイトルのこと。
 実は、不思議なことに、病気というものは、何例か同じ病気が続いてきたり短期間に集まったりする傾向があるのです。今日、手術した髄膜腫というのは、全脳腫瘍の中でも2番目に多い腫瘍で脳神経外科医にとっては珍しいものではありません。しかし、今勤務しているような中規模の市中病院では大学病院のうようには脳腫瘍の患者さんは集まりません。髄膜腫の手術は半年以上していなかったと思います。ところが、先日、同じくらい大きな髄膜腫の患者が神経内科から紹介されてきて、明日入院します。更に今日の外来で、今日のよりはずっと小さいけれど同じ左側の傍矢状洞髄膜腫が見つかった方がいて、来週入院し、再来週あたり手術になると思います。髄膜腫が立て続けです。
 昨年の暮れから今年の始めにかけては、椎骨動脈瘤解離によるくも膜下出血ばかり4例立て続けに入院しました。こういう風に、何故かわからないのですが、しばらく見ていなかった症例が来たと思ったら同じ病気の人が続けて入院したり、同じ手術が続いたりすることがあります。
 大学病院に勤務していたときに下垂体腫瘍を担当していたのですが、クッシング病がしばらく来ないな、とおもっていたら2例続けて来たり、とにかく不思議な現象なのです。

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コメント

おつかれさまでした
直径6cmのものが頭に入ってるのに
患者さん 歩いてくるんですよね

投稿: いのげ | 2005.03.14 19:39

Inoge-san,
Thank you for your comment. Today, a lady who has recently been suffering left homonymous hemianopia has come. She would be admitted soon and AGAIN she has a large meningioma that will be surgically removed.
It is really curious but the same thing again and again.

投稿: balaine | 2005.03.15 11:27

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