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2005.01.08

くも膜下出血

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今日は1/8(土)、早くも松の内があけた。
世の中は、8,9,10と3連休の人もいるであろうが朝から仕事である。
この年末年始は、重症患者さんが緊急入院にはなったもののそんなにばたばたとはせず、しかも緊急手術も一つもなかったので平和であったと言えば平和である。
 写真は、典型的なくも膜下出血のCTである。脳の中ではなく脳の外に出血して脳を圧迫するものなので直接は脳が破壊されていない事が多い。緊急手術で再出血を防止するとともに血腫を出来るだけ取り除くことで、すでに出血した事による脳へのダメージが少なければ十分社会復帰の出来る病気ではあるが、逆に出血が多量で脳へのダメージが強いと救急車で搬入された時には既に呼吸が停まっていて危険で手術も出来ない人もいる。大雑把に「3人に一人は命を落とす」と言われ恐れられている病気である。
 私の勤務する病院は救急外来がありICUがあるので比較的重症の患者さんが搬入される病院であるが、昨年一年間で入院したくも膜下出血のうち、来院時に重症すぎて手術も出来ず亡くなられた方はおよそ10%.。手術をした患者さんの中でくも膜下出血が原因でなくなられた方は0。残念ながら合併症(胆嚢炎に肺塞栓を併発)でお亡くなりになった方が一人。よって私が治療したくも膜下出血の患者さんでは死亡の確率は手術不能の重症も含めて約15%。
結局は、どのような状態で病院に到着しその後どんな医者が診るのかにかかる訳で、かなり「運」が左右してしまう。我々としては搬入された時点より決して悪くせずに速やかに検査治療を行い元気になって退院してもらいたいものです。
 この3連休も「暇」であることを祈る。

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