災害医療
テレビ局の肩を持つつもりはない。
「救命病棟24時」というシリーズ物のドラマをやっている。
テレビドラマだから、現実より強調(一部誇張)された登場人物の設定は仕方ないが、これがなかなか勉強になる番組であると思う。
最初は『ER』の2番煎じかと思っていた。タイトルバックなど番組の始まる映像もまねをしている印象を受けた。しかし今回の第3シリーズの主題は「都会の直下型大地震時の災害医療」である。
阪神淡路大地震からちょうど10年。新潟中越地震はつい3ヶ月前。スマトラ沖地震&大津波はまだ1ヶ月もたっていない。そして都心でM7クラスの地震が発生する確率が、今後30年の間に70%というデータがあるのだという。まさに人ごとではない。
自分も脳神経外科医として、医師として、人間として、大災害に際し何かできるのか?何ができるのか?ちゃんとできるのか?と自問しながら真面目に番組を観ている。トリアージの知識は一応あったとしても実際に現場を経験していない。自分が迅速で確実で冷静なトリアージ、そしてその後応急処置、必要な治療ができる医師なのか、疑問は多い。
もちろん設備が整っていてスタッフや物品がちゃんとあれば、頭部外傷の患者さんをきちんと診察し手術し治療する自信はある。しかし医師自らも被災者であるような大規模災害時に、設備が整わずスタッフや物品も不足があるような状況で、自分は役目を果たせるだろうか?何らかのことはできるだろう。駆け出しの医者ではない。脳以外の病気、外傷も診なくては行けないだろう。開腹手術、開胸手術などはやったことがない。トリアージの面から考えれば大規模災害で重症な頭部外傷を負った患者さんは、redではなくblack tagになるのではないか?胸・腹部外傷の患者さんの方がred tagになる可能性が高い。人間にとって「頭」はとても大事な部分であるが、救急の現場でたとえば全身外傷の患者が運ばれてきた場合、診察または治療を優先する順位は胸>腹>頭>手足なのである。
これを機会に、災害医療を少し学び普段から備えるように考えてみたい。
しかし直下型地震の起こる可能性が高いなら、都会に住むのはやめて(なにせ日本人の4人に一人が関東地方に、10人に一人が東京都に住んでいるんだよ!)みんな地方に分散して住むようにできないものだろうか?そういう政治的経済的対策の方が多くの人間を救えるような気がする。
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